#涙色の恋路

“誘ってたら一緒に見れたのかな”

好きな人を誘う勇気もなかった僕が

着物姿の二人を見つけて嘯く

独りで見上げた花火だけが

僕に優しく微笑んでくれた

君の恋が叶った瞬間から

私の恋は永遠の片想い決定

君がくれた愛言葉は消えない

二度と聞けなくなる程に

二人の距離が遠くなっても

愛言葉は私の心の中で生き続けるよ

抱きしめられるくらいに近くにいるのに

君は僕に愛を教えてくれないんだね

少しの間だったけれど

君という世界に住まわせてくれたね

私は自分の世界に戻るよ

愛しい君よ、どうか、達者でね

去り行く私に言葉を掛けないで下さいね

未練を君の心に残したくないのです

別れの言葉の代わりに

私が背中を向けたら私に向かって

静かに手を振ってくれませんか

傷つけ合った二人は散らばった

傷は疼いたままで想いは変わらないまま

今の君は誰と愛し合っていますか

砕かれた想いは心の中で散らばった

君の優しさが僕を庇ってくれたから

僕は自分が思うよりも傷つかずに済んだ

「ありがとう」と伝えたい心が

悲鳴を上げそうな程に痛んでいる

好きな人の為に自分を磨く君

僕の心をいくら磨いたって

強くなるものは君への想いだけ

君の涙を拭いたい人が僕でも

君の涙を拭える人は僕じゃないね

渡したい人に渡せずに

貴方を強く握りしめすぎた

箱の中で痛みを抱く貴方へ

僕から涙の口付けを

君の幸せを願うことは出来るけれど

君の辛さに気付くことは出来ない

僕と君の距離は所詮そんなものか

作ったって綺麗には程遠いから

独りで食べることにしたよ

空腹な心に気付かないまま

好きだと気付いたから

こんなにも傷つくことになったのかな

好きだと気付かなければ

こんなにも傷つかずに済んだのかな

君と花火を見上げた

あの時間だけが君を好きになって

僕の心を唯一明るくしてくれた