#真夜中の物語

目覚ましの時間よりも
早く目覚めて
眠れないままNOTEを開く

昔の投稿を読み返し
懐かしさあふれて

あなたと私の物語
今は遠い記憶の彼方

それでも
確かにあった日々
あの日の涙は幻じゃない

ふたり生きていたよね
涙も笑顔も諍いさえも
大切な証

夜明け前のほんのひととき
あなたにこの手が
届きそうな気がするのです

出口のないトンネルも

あるのかもしれない

もしもキミが

能天気なボクたちの

まだ知らない世界に

生きているのだとしたら

ボクは何の力にもなれないのかな

甘い夜の記憶は

薄紅色の月だけが知っている

夜の真ん中で

あなたの夢を見ている

あなたもきっと

同じ空を

見ているよね

細切れの夜
細切れの夢

手の届かない貴方は
銀色の瞳で笑う

連れて行ってよ
暗闇の空へ

もう
置いていかれるのは
嫌だから

細切れの記憶
細切れの涙

真夜中の物語

寂しさと 優しさが

背中合わせの夜

真夜中の月は

静かにほほえむ


地上で起きていることなど

何の関わりもないと


ただ優しく

私を見下ろしている


無窮の宇宙（そら）にひとり

永遠の孤独とともに


あなたはやはり美しい

白く輝く汚れなき月

とても悲しい夢を見て
夢の中で泣いていた

目が覚めて
どんな夢だったかも
思い出せないのに

それでも
悲しくて泣いた

今もまだ胸が痛い
訳も分からず

夢を見たこと
ただそれだけが
悲しくて…

私の中に

愛が残っているのだとしたら

暗闇の中に咲く

この花のように

ひっそりと

鮮やかに

悲しみの夜を照らすでしょう

大昔
ネットを始めた頃
そこには
本名の私とは違う
もうひとりの私がいて
それが楽しかった

職場での顔
近所のおばさんの顔
妻として
母としての顔
どれとも違う
ネットの中だけの私

自由で
わがままで
独りよがりで
熱くて
涙もろくて
オタクな万年妄想乙女

確かにそこにいた
あれが本当の私
懐かしくて
今は遠い
あの頃の私








＊

子供の頃は
夜空を見上げて
満天の星に夢を重ねて

宇宙にただ
真っすぐな憧れを抱いていた


今は星の瞬きさえ
悲しく見える


天に昇ったあのひとの
ため息だろうか

もう戻らない時間の
まぼろしだろうか


空を見上げるのは
終わりにしよう

あの日

宇宙（そら）に還った

あなたの魂は

今も

私を照らしていてくれる


いつか

あなたの傍に還れる

その日まで

迷わないように

私を導いてね

夜空に吸い込まれていくような

不思議な感覚

このまま宇宙に呑み込まれて

銀河の彼方で爆発して

塵になって消えてしまいたい

寂しい夜の儚い願い

眠れぬ夜は辛い

夜が悪いわけじゃないのに

あなたと二人

走る車の中から見た

夜明けの芦原橋は

まるで上田正樹の唄のよう


…悲しい色やね。