#短編小説／一話完結

「遺書」







































カチ…カチカチ……


シャープペンの芯を出す

でも、


カチ…


ボールペンにしよう。



ボールペンなら、文字が消える心配はないだろうから。


そして僕は、

頭に浮かぶ文章を文字にした。



嬉しかったこと…

辛かったこと…



伝えたいありがとうとごめんなさい
￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣


そんなことを考えていると、

自然と涙が出た。


家族や友達、先生に沢山の迷惑をかけたこと


自分を嫌い、傷つけたこと


自分を守るために嫌なことから逃げたこと


自分なんか…と否定したこと


誰も信用出来なくなったこと


人が怖くなったこと


抱え込み過ぎておかしくなったこと


存在意義や存在理由が分からなくなったこと


無理して笑顔をつくったこと…



次々と辛い記憶が蘇り、

僕の視界はボヤけた。


涙が止まらない…


込み上げそうになる声を必死に堪え

落ち着いた頃にペンを持つ。


だが、手が震えて字が書けない


今日のところは一先ず休もう


明日もあるんだから

死ぬのは明日でもいい


今日はまだ、生きてみようかな＿＿。




























二週間後




僕のお葬式が行われたとさ。