自称、名言収集家・2022-03-28
週刊ストーリーランド
箱入り娘
私には、結婚して10年になる妻がいる
妻とは、最後にいつ口をきいたのか分からないくらい、冷め切った関係になっている
そんな僕達夫婦に、ある日突然、不思議な出来事が起きた
玄関の呼び鈴が鳴ったかと思うと、黒いサングラスに黒い服、全身黒い衣装に身を包んだ、3人ほどの男性が入ってきた
そして、私達の居間に何やらゲームらしきものを設置して
「このゲーム、箱入り娘は、最初の3ヶ月は、お試し期間で無料でお遊びいただけます」
それだけ言うと、黒衣装の男達は去っていった
妻の和江に聞いても、全く身に覚えがないらしい
不思議に思いながらも、私達は、とりあえず、そのゲームを起動させてみた
「箱入り娘」
タイトルが流れて、その次に、赤ちゃんが映っていた
わけもわからず、まず、その赤ちゃんに、「オイ!」と声をかけてみた
すると、赤ちゃんがビックリして、泣き出してしまった
うるさかったので、オレはついつい、ゲームの電源を消してしまった
妻の和江が、電源を入れると、赤ちゃんはまだ泣いている
和江「あなたが、いきなり大声出すから、ビックリして泣いちゃったじゃないの!
ホラ、泣かないで、ヨシヨシ」
画面越しに赤ちゃんをあやしたら、赤ちゃんはすぐ泣き止んだ
どうやら赤ちゃんは、こちらの声に反応するらしい
和江は子供もいないのに、あやし方はすごく上手いみたいだった
そして、2日目!
そのゲームは、名前をつけてくれ!と言ってきた
たかがゲームなのに、和江は、姓名判断の本まで買ってきて、名前を考えるほど、熱心だった
そして、赤ちゃんの名前は「玲」に決定した
どうやら、赤ちゃんを育てていく、育成ゲームみたいなものらしい
「当たり付き切符を作っていたのって、やっぱり駅長ですよね?」
駅長「最後だから教えてしまうか、確かにあの当たり付き切符を作っていたのは、このワシじゃよ」
「やっぱり」
「でも、どうしても分からないんですよ、なぜ、切符の裏に書いてある事が現実になるのか、駅長さん、何かしたのですか?」
駅長「ワシは何もしてないよ!気持ちじゃよ!
昔から、病は気からと言うだろ?健康になりたいと思っていれば、本当に健康になれるものさ、あの最初のおばあちゃんは、体の不調を歳のせいにしていただけ、落ち込んでいると、本当に不健康になってしまう、だから、私が、あの切符で、背中を押してあげたのさ!
2回目の受験生の子は、あがり症で実力が出せなかっただけ、本当は勉強が出来るのにね
そこで、あの切符で、背中を押してあげた、合格出来ると思えば、本当に合格出来るものさ!
最後のカップルも、毎朝電車で通勤してるし、お互い意識し合っている事は、側から見ても、良く分かったよ、後は、誰かが背中を押してあげれば結婚出来る!
長年駅長として、色々なお客を見ていると、大抵の事は分かってしまうのさ、廃線決定で皆んな、落ち込んでいただろ?だから、当たり付き切符を作って、活気付けてあげたのさ」
「こうして駅長は、長年色々な人を見てきていたんだなあ」
そして、いよいよ廃線当日の朝がやってきた!
妻の和江の笑顔が明らかに増えた
笑顔だけじゃなく、「玲」を本気で心配している
あの時も…玲9ヶ月
「玲、まだハイハイが出来ないの、これくらいなら、そろそろじゃないかな?」
そして、玲1歳のある日
玲は、つかまっていれば歩く事も出来るのだが、手を離すとすぐ、転んでしまう
そして、いよいよ、その時がやってきた!
少し転びかけながらも、一歩一歩、確実に、和江の元に歩み寄ってきた
そして、画面越しに、抱き止める姿勢を見せた
そして遂に、和江の腕の中までやってきて、玲を抱きしめた
子供が歩く瞬間に立ち会えて、和江も僕も何とも言えない嬉しい気持ちになった
当然、子供が歩く瞬間は、どこの家の母親でも、1番嬉しい瞬間である
この日は、本当に感無量な1日となった
そして、ある日会社から帰って来ると、和江が嬉しそうにオレに話しかけてきた
和江「あなた、今日、玲が私に「ママ」って言ったのよ」
ついに言葉を話したと言うのだ
そして、スーツを片付けて、ハンガーにかけている時、
玲「パーパ」
僕は、ビックリしたと同時に、「パパ」と言われて、感動で泣きそうになってしまった
ここは、ひまわり苑という名前の養護施設!
今このひまわり苑の正門に隠れて、何やら中を見ている人がいる
ここの養護施設に通う、川島愛子の父親の川島博明
川島愛子は、12歳、来年からは、中学生になる!
この川島博明、人生を生きていく意味が見出せなかった
それは、さかのぼる事7年前、川島愛子が5歳の時、川島博明は、ある事件を起こしてしまい、今まで、刑務所に入っていたのだ
そんな経歴があるから、川島博明は、人生に生きる意味を見出せないでいた
それは、さかのぼる事7年前、川島博明は、愛子の誕生日プレゼントを買って、スッカリ夜も遅くなってしまった
夜遅かったので、愛子は背中で寝てしまい、愛子をおぶって、帰路を急いだ!
川の堤防を歩いていた時だ
態度が悪いオジサンが、酒を飲んだ状態で、堤防に現れた
川島博明の前方不注意で、そのオジサンとぶつかってしまい、川島博明は、すぐに謝ったが、相手のいかりは、それだけでは収まらず、何と後ろに寝ていた愛子にまで、ほこさきを向けてきた
態度が悪いオジサン「オレにぶつかっておいて、後ろのガキは、寝てやがる」
全くの言いがかり
愛子には何の罪もないのに、オジサンは、愛子につかみかかった
博明「愛子に触るな!」
そして、愛子の身を守る為に、オジサンを突き飛ばしたら、運悪く、堤防下の坂に落ちてしまい、オジサンは亡くなってしまった
こういう状況なので、幸い軽い罪で済んだ博明だが、犯罪者として、どうしても肩身が狭い
だから出所したものの、愛子を隠れて見る事しか出来ないのであった
愛子には、大切にしている物が2つあります
1つは、お父さんが誕生日プレゼントに買ってくれた、熊のぬいぐるみ、もう1つは、お父さんが警察に包囲されていた、逮捕直前に残した、留守番電話のテープ
「愛子すぐ帰るから、良い子で待ってるんだぞ」
愛子はもうすぐ、中学生になる!
そうすると、気になるのは、小学校の卒業式
卒業式の話しが、愛子の同級生の間でも出ないハズがない
「もうすぐ卒業式でしょ?でも、私達には、親何て…来ないよね」
「でも愛子は良いよね?お父さんがいてさ」
愛子「いるけど、あんなお父さん、ジャマなだけだよ」
愛子「親何て来るわけないじゃん、園長先生が私達のお母さん」
愛子は、自分の存在を消そうとしている
さらに博明は、絶望したのだ
「もう良い、お前はもう娘でも何でもない、もう2度と、この家の敷居はまたぐな!」
こんないきさつがあったので、浅井ひとみは、今でも父の事を怒っていた
浅井ひとみ「娘は翌日、上京しました、1人暮らし何て、甘いものではない、どうせすぐ、尻尾を巻いて帰ってくるに違いない、しかし、1年経っても、2年経っても、娘が帰って来る事はありませんでした!
そして、娘が久しぶりに、故郷の地を踏んだのは、妻の葬式に出る為でした
この時すでに、娘は上京して10年が経っていました
娘は仕事の都合で2日間居ただけでしたが、あの時何故、娘に声をかけてやれなかったのか、もっと色々話す事はあったハズなのにと、娘が出てって以来、ずっと後悔してきました
まさにあの時は、絶好の会話のチャンスだったのに、オレは娘に声をかけてあげられなかった
本当にバカな父親です」
浅井ひとみ「お父さん、ずっと後悔してたの?こんなに思っていたなんて、全然知らなかった」
浅井ひとみ「今日で、娘が勤めていた番組が最終回を迎えるようです
娘は強い子ではありません」
ここで、今まで平静を保っていた、浅井ひとみが、一気に涙声になった
それでも、泣いて、番組進行が止まる事はなかった
そして、赤ちゃんの名前は「玲」と名づけた
どうやら、赤ちゃんを育てていく、育成ゲームみたいなものらしい
妻の和江は、あれからずっと、このゲームをやっていた
「まだやってるよ」
いつの間にか、お試し期間の3ヶ月も超えて、玲は、1歳になっていた
近頃、「玲」は夜泣きが酷いらしく、和江は少しイライラしていた
でも、「玲」を寝かせるまで、決して自分も寝ようとしなかった
そんなある日、オレはとんでもない物を見つけてしまった
「3万円」と書いた請求書
和江「ゲームのお試し期間が過ぎたから払ってるの、月々3万円」
「次々3万円だって!もうやめろ、こんなゲーム!」
和江「私の勝手でしょ!それに、子育てには、お金がかかるものなの、私今までに、ただの一つでも、あなたにワガママ言った事ある?
無いでしょ?、箱入り娘は、私の唯一の生きがいなの、それを奪う権利あなたにあるの?」
「勝手にしろ!」
翌日、3万円の請求先を調べたが、どう調べても請求先が分からなかった!
段々冷静になってきたオレは、「勝手にしろ!」とは言ったものの、段々とオレも、あのゲームの事が気になってきた
あのゲームについては、まだ、疑問を持っていたが、変化があったのは、妻の和江だった
和江は、あの箱入り娘をやるようになってから、明らかに笑顔が増えた
以前なら、そんな事は一切無かったのに
ここは、東京都内にあるラジオスタジオ!
彼女の名前は、浅井ひとみ
レギュラー番組「ユア・ソング」のディスクジョッキーを務める彼女
15年続いた、この人気番組も、いよいよ今日が最終回となってしまった!
番組は、深夜23時〜25時の2時間である!
番組最後で、準備も色々あるので、番組1時間前に出勤した、浅井ひとみ
浅井ひとみ「15年か、あっという間だったなあ」
浅井ひとみ「おはよう」
番組スタッフ達は、今日の最終回と共に、ラジオそのものを辞める浅井ひとみとの別れを惜しんでいた
コレは、ラジオ局が決めたもので、くつがえす事は、ほぼ難しいらしい
スタッフ「浅井先輩と今日でお別れ何て、本当寂しいですよ」
浅井ひとみ「今更何言ってるの、何も出ないわよ」
スタッフ「本当ですって、ラジオの厳しさ教えてくれたの、浅井先輩なんですから」
浅井ひとみ「そんな事言ってるヒマがあるなら、お便りの手紙の整理でも、しておきなさい!」
スタッフ「最後まで厳しいなあ、先輩は」
そんな話をしていたら、いよいよラジオ番組には、欠かせないディレクターが入ってきた!
ディレクター「浅井君、最後の仕事だ!でも、気負わず、いつもの通りで」
そして、浅井ひとみ、最後のラジオ番組が始まった!
浅井ひとみ「皆さんこんばんは、浅井ひとみです、このユア・ソングも、今日で最後となってしまいました、15年もの間続いたこの番組が終わるのはとても寂しいですが、私は今日も、番組を務めるだけです、皆さんに素敵な夜を」
そして、いよいよ番組も残り30分と、番組も大詰めに入って来た頃、ディレクターが、入ってきました
番組最中にディレクターが入ってくる事は、滅多に無い事です
ディレクター「浅井君、最後のリクエストソングは、これで行こう」
リクエストソングの手紙を、浅井に渡した!
こうして、いよいよ、最後のリクエストソングの紹介が始まった!
「この番組最後のリクエストは、岐阜に住む、S.Aさんからです!浅井ひとみさん、こんばんは、私は、このユア・ソングが始まって以来のアナタのファンです!15年間、1度も欠かさず、この番組を聞いていました」
浅井ひとみ「15年間欠かさず、全部聞いていたなんて、アリガトウございます!
S.Aさんのような人がいてくれると、私達も励みになります!リクエストは、私の娘が大好きで、よく聞いていた、「さだまさしの案山子」と言う曲です…」
(まさか、お父さん?)
浅井ひとみ「(でもお父さんだとしたら、何で今更)
ひとみは、お父さんと不仲になっていました
「私と娘は、娘がまだ小さい頃は、よく川で魚を釣ったりして、遊んでいました、娘は、いつか結婚して世帯を持っても、私のすぐ近くで暮らすと思っていました、ところがある時、娘は、突然、ラジオのディスクジョッキーになると言いだしたのです」
15年前、娘22歳の時!
「東京に出るだと?ラジオの仕事がしたいだって!ラジオのディスクジョッキーだか何だか知らんが、そんなチャラチャラした仕事、オレは絶対に許さん!」
「お父さんが何と言おうと私は、この仕事をします」
「もう良い、お前はもう娘でも何でもない、もう2度と、この家の敷居はまたぐな!」
こんないきさつがあったので、浅井ひとみは、今でも父の事を怒っていた
大体、お便りの内容を読んで、お父さんだと確信はついた、浅井ひとみだった
週刊ストーリーランド、当たり付き切符、明日か明後日で最終回迎えると思います
突然、玄関の呼び鈴が鳴り、紳士服を来た人が3人ほど立っていた
「ゲームを回収に来ました」
和江「玲は、玲はどうなったんですか?」
「やめろ、アレはゲームだったんだ」
和江をなだめるように、オレは悲しむ和江を支えた!
「でも、出来たら一度で良いから、この腕で、玲ちゃんを抱き締めたかった」
紳士服のおじさん「そうでしたか、あなた達なら大丈夫だ、さあおいで」
誰かもう1人、気配はしたが、マンションの扉に隠れて、紳士に導かれ出て来たのは、何と玲ちゃんだった
和江「玲、本当に玲なの?」
玲「パパ、ママ」
心臓の手術の部分も、胸に残っていた
コレは、ゲームでなく、本物の玲ちゃんだと確信した
私達は、玲を抱きしめた
老紳士「実はコレはゲームなんかじゃないんです、私達は、孤児院をやっておりまして、この玲ちゃんの里親になってくれる人を探していたのです!玲ちゃんは、天涯孤独の身の上、この子の里親になってくれる人を探していたんです、その為に、玲ちゃんに、愛情を注いでくれる人を見定める義務があったのです!そこで、子供のいない夫婦にあのゲームを送りました!幸いあなた達夫婦は、この玲ちゃんに、たっぷり愛情を注いで下さいました、玲ちゃんが病気になった時も、お力添えを下さりアリガトウございました!
そして、ゲーム4ヶ月目からの、月々3万円は、玲ちゃんの入学金などで、積み立てていました!
ここまで玲ちゃんに、愛情を注いで下さった夫婦は、あなた方が初めてなんです
そして、この玲ちゃんも、出来たらあなた方夫婦の子供になりたいと申しておりまして
玲ちゃんを、あなた方の子供として、正式に育ててくれますか?」
「もちろんです!この手で玲ちゃんを抱く、この日をどんなに夢見ていた事か」
こうして、玲は、正式に私達の子供になったのだ
入学式の朝、和江がデザインした服に袖を通す玲!
玲ちゃんの入学式は、とても可愛かった
オレと和江、片手ずつ手をつないで
冷め切った、オレ達夫婦を再び、つなぎ直してくれた玲
オレ達は、玲から、本当の家族の温かさを与えられて、今幸せを実感している
アリガトウ玲!
完結❗️
浅井ひとみ「今日で、娘が勤めていた番組が最終回を迎えるようです
娘は強い子ではありません」
ここで、今まで平静を保っていた、浅井ひとみが、一気に涙声になった
それでも、泣いて、番組進行が止まる事はなかった
浅井ひとみ「娘は強い子ではありません!人前では、気丈に振る舞っていても、影では、メソメソしてる子です、ひとみ良く頑張っていたな、父さん15年間ずっとお前のラジオ欠かさず聞いていたよ、引っ込み思案だったお前が、人様の前で、話すようになったとは、ひとみ、お前は父さんの自慢の娘、とりあえず近いうちに、1度帰っておいで、父さんはいつも待ってるから、故郷には、小さい頃一緒に遊んだ、緑豊かな自然や、川などがある、思い出が詰まった故郷に1度帰っておいで」
浅井ひとみ「ラジオをお聞きの皆様、少し私に時間を下さい」
ディレクターもOKサインを出している
浅井ひとみ「お父さん、今、私のラジオ聞いていますよね?お父さん、私今でもお父さん怒ってて、ラジオ何て聞いてないと思っていました、私のラジオを1度も欠かさず聞いてくれてた何て、私夢にも思わなかった、お父さんも後悔しているように、私も、もっとお父さんと接するべきだったと今は後悔してます、私、確かに、ツラくて、1人で泣いて帰りたいと思った事はあったけど、自分の選んだ道、しっかり歩いて行きたかった、お父さん、私の方こそ、色々ゴメンなさい、私、明日の朝1番の電車で、お父さんのもとに帰ります」
涙を拭いて、
浅井ひとみ「ユア・ソングをお聞きの皆様、私は今日でこの番組を卒業します、皆様ファンがいてくれたので、15年続けてこられました、ファンの皆様には、感謝しかありません、では、最後のリクエスト、S.Aさん、私の大好きなお父さん、浅井正一さんのリクエストで、「さだまさしさんで、案山子です」
こうして、浅井ひとみは、15年間のユア・ソングを見事務めあげました
スタジオ外に出ると、ディレクター初めとして、スタッフから、拍手と花束を受け取った浅井ひとみであった!
浅井ひとみは、宣言通り、翌朝1番の電車で故郷に帰りました
浅井ひとみ「1度帰ってみよう、これから先、ラジオの仕事を続けるか、それか全く新しい仕事につくか、その答えを探しに、そして、お父さんとの15年の溝を埋めてみよう」
この放送の評判が良く、浅井ひとみには、新しい仕事の話もあったが、やはりラジオ局の判断を覆す事は出来ず、退社となった
15年ぶりに、故郷の土を踏んだ浅井ひとみ38歳!
駅にはすでに、お父さんが出迎えてくれていたのでした
この物語は、過去の2作と全く違い、感動が強く、最初から、運転手の出す問題に全問正解すれば、運賃無料という、すごい設定から始まりました!
そして、ウワサ通り、運転手の出す問題に答えていくだけのストーリーで、この出題された問題がどうつながって行くのか、全く予測不可能でした
まさか、運転手さんの娘さんを助けた人を探す為の出題タクシー、問題は、亡くなってしまった娘さんが覚えていたわずかな情報を問題にした
そして最後は10年分の感謝を受け取る長尾さん!
そして、あのペンダントをお金に換金して、障害者施設への寄付
やっぱり優しい人は、立場の弱い人の気持ちを考えられるし、お金の使い方も、寄付と言う愛情のこもった使い方をする
この作品は、本当に人間が出来た人のお手本を見せ付けられるそんな作品になっていますね
何気ない救いが、その子の人生を左右する場合もある
本当、運転手さんの娘さんは、幸せな人生だったと思いました
澤部「長尾さん、あなたですね、あの時娘を助けてくれたのは?」
長尾「今ハッキリ思い出しました!
確かにあの時、女の子を助けたのは、この私です!」
澤部「やはりそうでしたか!」
澤部さんは、あのペンダントを渡そうと差し出した!
長尾「でも、本当何の気無しにした事なので、こんな高価なものを受け取るわけには」
いったん拒否したが、
澤部「長尾さん、アナタは何気なく、やれる事をやっただけかも知れないけど、娘にとっては、人生を左右するくらいの出来事だったのです!
アリガトウ長尾さん、あの時、暗闇にいた娘に光を入れていただいて!」
こうして私は、あのペンダントを受け取り、10年分のアリガトウの気持ちを受け取った!
そして、今オレは家の前!
長尾「最後まで無料で送って、いただいて良いんですか?」
澤部「出題タクシー最後の業務です!」
それからオレは、あのペンダントをお金に換金した!
実際には、2億円くらい手に入った!
この2億円は、恵まれない子供達のいる施設に寄付する事にした!
それが、オレにとっても、そして、何よりあの女の子にとって、1番良いお金の使い方だと思うから!
出題タクシーが再びこの町を走る事はもう無いだろう!?
出題タクシーは、良い行いをすれば、後で良い行いが自分に返ってくる
それを伝えるための、夢のタクシーだったのかも知れません
「完結」
「出題タクシー」
何と本当に存在したのだ!
早速、出題タクシーを止めた!
運転手「ご利用アリガトウございます!
君、免許証持っているかね?
免許証じゃなくても、身分が分かれば良いんだ、このタクシーは、30歳の男性しか乗せないんだ!」
長尾「コレって、ウワサの出題タクシーってヤツですか?」
運転手「アンタ知ってるのかい?長尾さん30歳ね、さあ、乗った乗った」
タクシーは、走り出した
とりあえず、自宅まで送って行ってもらうように頼んだ長尾さん!
長尾「あの、聞いた話によると、運転手さんが出した問題に全部正解すると、運賃がタダになると聞いたのですが」
運転手「全問正解すればね」
長尾「間違えたらどうなるんでしょうか?まさか、途中で降ろされるとか?」
運転手は、笑って、
運転手「そんな事してたら、こっちは商売にならないよ、間違えたら、普通に運賃を払ってもらう、ただそれだけの事だよ」
長尾「そうですよね、良かった」
そして、クイズが始まった!
そして、いよいよ廃線当日の朝がやってきた!
この日は特別に、昔走っていたSLが走る事になっていました
朝、昨日の回収済の切符を整理していた
今日でこの仕事も最後なんだと思ったら、寂しかった
しかし、あるものを見つけた
昨日の回収済切符、裏側に全て「アリガトウ」の文字が書いてあった
「昨日の回収済切符、切符の裏にアリガトウって書いてある、これも駅長さん?」
駅長は、改めてその切符を見てから、
駅長「ワシはそんなの知らないぞ」
駅長がやったわけではないらしい
と言う事は、コレは村の皆んなからの、アリガトウのメッセージ?
外には、名残惜しそうに、駅長を見つめる大勢の客が待機していた
よっぽどこの駅長さんには、皆んな感謝しかないんだと思った
そして、その眼差しを見つけた駅長さんも感動に浸っていた
そして、SLが入ってきた
コレがこの駅最後の運転
最後の電車を一目見ようと、皆んなホームに集まった
段々と近づいてくるSL機関車
そこで駅長は、もうビックリしてしまった
それもそのはず!
車体の一両目に、「駅長さん、長い間ご苦労様でした」
と書いてあったからだ
そして、SL機関車は、完全停止
そして中から沢山の乗客が出てきた
駅長「あんたら」
それは、まだ駅が賑わっていた頃、この駅を離れていった懐かしい乗客だった
炭鉱閉鎖や集団就職で、泣く泣くこの村を出て、都会に出ていった人達、その他色々な理由で、この穂狩駅を離れたかつての乗客達
その乗客達を出来るだけ呼び集めたのは、村の皆んなだった
そして今こうして、何十年ぶりかの同窓会みたいに集まった
そして、改めて、かつての乗客達が口を揃えて、「駅長さん、長い間お疲れ様でした」と声をかけた
駅長さんの目からは、大粒の涙がこぼれた
鉄道一筋20歳から60歳までの40年、1日も休まずにホームに立ち続けた駅長は、その業務最後の今日、皆んなから、大きなアリガトウの花束を受け取ったのです
本物の花束と、皆んなの気持ちがこもって集まったサプライズ同窓会開催のアリガトウの2つのアリガトウの花束を!
「手術中」と赤い字で表示されている
よくドラマでも見る光景だが、ゲームの中とはいえ、玲は、僕達の子供
子供の事になると、ただ、画面越しに、手術を終わるのを待つ事しかできない事が、すごくもどかしかった
「玲ちゃんは、小さな身体で、あんなに頑張っているのに、代わってやりたい、出来る事ならこのオレが」
翌日、会社には行ったものの、オレは、玲の手術が気になり、仕事が手に付かず、会社を早退した
会社から帰っても、まだ、「手術中」だった
そして、しばらくたって、やっと手術が終わったみたいだ
長い手術だったけど、手術は成功したようだ
玲「パパ、ママ」
第一声がそれだった
「良く頑張ったな、玲」
それから玲は、健康に育っていった
そして、玲は、もうまもなく小学校1年生になろうとしていた
和江が、玲ちゃんが入学式に着ていく服のデザインを絵に描いて、見せた
玲ちゃんも納得したみたいで、玲「アリガトウ」
と言って、嬉しそうだった
しかし、次の瞬間!
「ゲームオーバー」
と出て、それきりゲームは動く事はなかった
妻の和江は、突然、玲と会えなくなった事で、パニックで泣き叫ぶ
僕達は、スッカリこれが、ゲームだと言う事を忘れていた
「でも、オレ達、玲から、数え切れない思い出をもらったじゃないか」
和江「そうね、この6年間、本当楽しかった」
それから、数日経ったある日
私達に、不思議な事が起きた