#遺族

9年前の、昨日





私がテレビで見たのは

映画のような光景だった




……いや、映画であれば良かった


全て、現実だった


次々と家を崩壊しながら

人もろとも呑み込む

あまりに大きな高波


幼かった私は

解らなかった



何が起こったのか


何故こんなにも日本中が

騒然としているのか


親から説明されて

理解するのがやっとで

それが

どこか遠い世界のように

感じてしまっていた



そして、今年


私が住むのは九州だからか

その遺族に会ったことは無い

……でも

Twitterで流れてくる

ネッ友の悲痛な嘆き

それで、ようやく実感する

『あぁ、あれは本当だったのか』と


多分、幾年経ったって

突然やってきた親しい人たちとの別れ

それは、この日を迎える度に

遺された人たちの心を抉るだろう


だからこそ、私は

願わずにはいられない


どうかどうか、ほんの少しでもいい

遺族の方々の心の傷が癒えるように

そして、あの日失われた

大切な生命たちが安らかであるように


私は、その場に居なかった

理解するにも、幼すぎた


だから、彼らの気持ちを理解することは

私には叶わないけれど

少しでも痛みを分かち合えたら

どんなに良いか……


























コロナウイルスで騒ぐこのご時世

何があってもおかしくは無い


きっと、南海トラフだって

もうそろそろ来るだろう

その時もまた、突然の別れが絶対にある

「明日は我が身」というけれど

2011年3月11日のあの日のこと

我が身のことと思って

1日1日を大切に

五年目の節目ですが

今日も何処かで

遺族の方が

心痛めているのか

と思うと

胸が苦しい限りです


御冥福

御祈り致します

「死にたい」

その言葉の意味はきっと人によって違う

死んだら世界から切り離されることへの憧れ

誰も知らない世界だからという安心

過去から逃げたい気持ち


ぼくは身近な人の自殺があったから

殺人を身近に感じているから

現実的に思える

ぼくが消えてから全てを否定される覚悟をします

ぼくの行いを全て悪にされても構わないです

その上で「死にたい」

あの子には普通に生きて欲しい

波乱万丈なものは僕自身がいらない

というのもあるし

1回の謝罪があれば

あとはそれなりの人生を歩んでほしい

僕も普通に生きていくつもりだから

あの子だってまだまだ何十年も生きなきゃいけないし

ずーっと謝られてもこっちが困る

普段通りの生活を大事にして生きて欲しい

他にあまり望むものがないから

怒ってもどうしようもないと言ったらおかしいけど

取り戻せるものは何も無いから

僕だけが知っていた

加害者の女の子達の事は知っていました

何度か話したことも一緒に遊んだ事もあります

妹が4年生のときの運動会、そこで会ってます

妹の学校は1クラスしかなくて

女の子は15人くらいしかいなかったので

全員の顔と名前も覚えてしまいました

主犯の女の子の印象としては「良い子」でした

僕とも仲良くしてくれたし

家に遊びに来た時は一緒に遊ぶ事もありました

話も合うし、絡みやすかったです

家には妹の友達が沢山来てたので

あまり話しの内容とかは覚えてませんが

確か、ゲームの話をしたと思います

スマブラとかの対戦型のゲームで遊んだ事もあります

そんな風だから妹が自殺する1週間ほど前の

運動会でもその女の子に会ってるんです

スマホで撮影してる僕に

ちょっかいを出してきたのは今でも覚えてます

妹との関係でおかしい感じがあるようには

とても見えませんでした

女の子はそういう所を隠すのかもしれないけど

妹の死を知った時「彼女かな？」

と思った事は思いました

ケンカをしているのは知ってましたので

妹と彼女は仲は悪くはなかったです

喧嘩するけど、仲直りもする

だから主犯のあの子を知っている分

彼女が自殺の原因と知って反応に困りました

うーん、どうすればいいんだろう

不思議とその子への怒りとかは湧きませんでした

なら憎むのはその子の親なのか

それもよく分からない

どういう風に怒ればいいのか分からない

むしろ憎かったのは自分だった

妹との彼女のトラブルを知っていたから

親父さんも知らなかったから僕しか知らなかった

妹から相談された事もある

交換日記で他の子と喧嘩した

でも僕はそこまで気には止めてなかった

いつもの子供らしい喧嘩かなって

自分が何に対して怒ってるのか分からなかった

誰を責めればいいのか分からなかった

これを書いてる時は冷静だけど

書き終えたらまた喪失感が襲うと思う

目が覚めると薄暗い部屋

時間のズレた時計に一瞬騙される

呼びかけるけど返事はなくて

君からのメモが残されていた

今日のぼくの生きる理由

普段はできないことも

あなたに言われるとしないとって思う

起きた瞬間消えたい朝は

消えない理由で今日も始まる

当たり前じゃない

消えそうなぼくのミッションは

生きることじゃなくて君に嫌われないこと

君が消えた日から

ぼくの世界に闇が生まれた

君を苦しめた人達への怒り

死を嘲笑う人達への憎しみ

君を救えなかった虚しさ

病みで染まった海の上を

君に救われた命が浮かんでいる

より黒くより深く

染めながら

あの子を憎んでも仕方ない

なんというか、こっちが疲れるだけですから

親父さんも簡単に復讐とか言わないですよね

だから僕はあの子には結婚して子供を

産んでほしいとも思ってる

きちんと生きてほしいなって

でもそれにはまず謝罪が必要だろう

あの子が謝罪に来るなら会いたくないとか

そういうのは思わない

謝るならいつでもおいでって、それだけ

家裁はあの子の事を「共感性に乏しい」

と書いてたみたいだけど、僕から見れば

あの子はグループに入ろうとして失敗した子だと思う

自分の事をアピールしすぎて

うまく溶け込むのが下手な子

仲間に入れるけど、目立ちすぎて周りから浮くみたいな

私を見て！って自分の特徴を覚えさせようとするけど

まねをされたら怒るという感じ

あらためて考え直したらそういう子かなって思います

でも、そういう子って今までいっぱい見てきたんですよ

アピールの仕方が露骨すぎたりして

集団から弾き出される

極端にアピールしすぎるか逆にアピールしなさすぎるか

どっちにしても根底にあるところは一緒なんだろうけど

あの子もそういう中の1人かも

その中でも行き過ぎちゃった子だったのかも

だからと言って子供なら反省すればいい

というだけならそれは

そんな問題で済ませていいのかなとも思います

僕はトラブルになった交換日記を妹から見せられたけど

深刻なトラブルというよりは小学生の女の子同士の

たわいもない喧嘩だなって思った

中学生、しかも男の僕から見たらほんとに些細な話だけど

僕から見ても小学生の女の子のグループって

くっついたり、離れたり、そういうのしょっちゅうしてたし

ちっちゃい喧嘩もいくらでもあった

僕が小学生の時も

僕ら男同士だったら喧嘩する時はリアルファイトなのにな

なんて思ったり

交換日記の件は特になにもアドバイスとかはしなかった

だって大したことじゃなさそうに見えたし

それからしばらくして2人は仲直りしたみたいだった

所詮、小学生の喧嘩だし元々は2人も仲良しなんだから

それくらいのことはよくある事だと思ってた

それが大きな要因になるとも知らずに

世界中でどれだけの悲しみが流れたのか

今もまだ 止まない涙は

そのうち地球を のみ込むのだろう

枯れ果てた心は

平和を願いながら 消えてゆく

歴史に爪痕を残しながら

誕生日

貴方が生まれた日なのに居ない

遺族の気持ち

本当に
大好きでした。

そして

これからもきっと
大好きなままです。


いつか家庭を持って
普通に幸せに生きていくのかもしれません。

それでもきっと
薄れていくことはなくて。
あなたは永遠に
私の心の中に生き続ける。