ほんとにぶさいくだった。
鏡を直視できなかった。
あらゆるおしゃれを拒絶していた。
醜さの上に創りあげた自意識って
ひどいもんだよ。
ほんの1年まえまで
あたしって
そんな子だった。
自分で自分のこと
『可愛くなった』とか
真顔で言えちゃうのって、
やっぱり
どうかしてるよね。
やっぱりどこか
アタマのネジが抜けてる感じには
なる。
NOTE15って
女の子ばっかりのアプリなのにさ、
ろくに化粧の仕方も知らない女が
自分のこと『可愛い』とか言ってるのって
やっぱり可笑しいし、痛々しい。
でもさ。
それでもあたしにとっては
一生に一度。
こんなこと二度とあるわけないから。
どうしても、どうしても。
記録に残しておきたいのです。
男性から見た可愛い子ランキング、
論外の圏外から
いきなり
中の下か中の中くらいまで
急上昇してしまったあたし、
いっしょに働いている
おじさんたちの態度が
あからさまに変わった。
同世代の男の子は怒鳴られてるのに
あたしにだけは敬語。
かわりに不躾な視線が
何度も何度も飛んでくる。
近くに来たときの『近く』が
あからさまに1歩分、近い。
ソーシャルディスタンスを守らないおじさんたち、
以前はそんなこと無かったのにな。
オトコってあからさまに女の子を差別するって、
ほんとうにほんとうだったんだ!?
たしかに
鏡に映る姿が
まったくちがうもん。
どうしようもない圏外から、
どうしようもなくいまや
『女の子』になってしまった
あたし。
もう、戻れない────。
醜い姿へと戻りたいわけでは全くない。
だけど、いまさら中途半端に綺麗になったって、
狂˙お し い ほどに自分で自分を持て余すだけ。
なってみて初めて思い知ったよ。
外見なんて、多少良くなっても、
使い道なんて何もないんだね。
怒鳴られなくなって、
性˙的 な目でみられるようになって、
ただ、それだけ、、、、
ほんとうは
ただ、あなたに見てほしかった。
ただ、それだけでよかったのに。
こんなにも
わたしの
姿かたちを
根底から
変えてしまうほどの強さで
あたしを見初めてくれたあなたに。