リリリ୨୧* 。 ゚・2022-04-16
独り言
金子みすゞ
『金子みすゞ ふたたび』
『金子みすゞの生涯』
どちらを買うべきか…
私と小鳥と鈴と
私が両手を広げても
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように
地べたを早くは走れない
私が体を揺すっても
綺麗な音は出ないけど
あのなる鈴は私のように
たくさんな歌は知らないよ
鈴と小鳥と それから私
みんな違って みんな良い♪
『星とたんぽぽ』
青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
私は雲に
なりたいな。
ふわりふわりと
青空の
果てから果を
みんなみて、
夜はお月さんと
鬼ごつこ。
それも飽きたら
雨になり
雷さんを
共につれ、
おうちの池へ
とびおりる。
蜂と神さま 金子みすゞ
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂のなかに。
普通って何だろう?
人は皆違う色を持っている。
普通なんて、ない。
皆違って、皆良い。
みんな違って
みんないい
こツつんこツつん
打たれる土は
よい畠になつて
よい麥生むよ。
朝から晩まで
踏まれる土は
よい路になつて
車を通すよ。
打たれぬ土は
踏まれぬ土は
要らない土か。
いえいえそれは
名のない草の
お宿をするよ。
『みんな違って
みんないい』なんて
今の日本の教育にはない
みんな同じ
できない子は置いていかれる
みんな同じ
違う子にはレッテルを貼る
みんな同じ
なんで皆と同じようにできないんだ?
『なぜ、同じじゃないと
ダメなんですか?』
僕は僕だから
他の人にはなれませんよ先生
私が両手を広げても、お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、地面を速くは走れない
私がからだをゆすっても、きれいな音は出ないけど
あの鳴る鈴は私のやうにたくさんな唄は知らないよ
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
☆金子みすゞ☆
~私と小鳥と鈴と~
泥の中から蓮が咲く
それをするのは蓮じゃない
卵の中から鶏が出る
それをするのは鶏じゃない
それに私は気が付いた
それも私のせいじゃない
金子みすゞ 『蓮と鶏』
星とたんぽぽ
青いお空の 底深く
海の小石の そのように
夜が来るまで 沈んでる
昼のお星は 眼に見えぬ
見えぬけれども あるんだよ
見えぬものでも あるんだよ
散ってすがれた たんぽぽの
瓦のすきにだァまって
春の来るまで隠れてる
強いその根は眼に見えぬ
見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ
『土』
ー金子みすゞー
こッつん こッつん
打たれるつちは
良い畠になって
よい麥を生むよ。
朝から晩まで
踏まれる土は
よい路になつて
車を通すよ。
打たれぬ土は
踏まれぬ土は
要らない土か、
いえいえそれは
名のない草の
お宿をするよ。
金子みすゞは自殺しました。
素晴らしい詩人でした。
どんな立場であろうと、とても
優しい詩人でした。
【私と小鳥と鈴と】
金子みすゞ
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、
地面を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。