#鞄

ひとつの鞄を
ひとりで持つと重いけど
ふたりで持つと軽くなる

友達とか恋人とかもそれと同じ

ひとつのことを
ひとりで努力して頑張ると辛いけど
ふたりで協力して頑張ると楽になる

ひとりよりふたり

僕はこうしていつもひとりぼっち


誰かに置き去られて…

みんなに忘れ去られて。


みんな僕のことなんか気にもしてくれない、


みんなクリスマスの準備で 精一杯。



僕は いつも遠目で遊んでいる人達を見ています。

いつも働いてばっかで、
重い荷物も頑張って運んでた。


僕は休みが欲しいって思ってた。

だけど 今となってはあの忙しい頃が 恋しいです。


時々思う時があります。

ご主人様は 僕がいらないから、ここに置いて行ったんじゃないかって。



でも 僕はいつまでもご主人様を 待っています。

信じています。





だから 早く、迎えに来てください。

嫌なことはリセット、悲しいことはリセット
辛いことはリセット、苦しいことはリセット
そうやって何度も立ち止まっては捨ててきた

だって、この鞄はすぐ一杯になるんだよ
必要なモノと大切なモノだけをしまっておきたいのに
誰かが勝手に入れていくんだよ

無理して押し込もうとすると
たまに大きな音がして破れちゃうし
誰かがこっちを見るけど目が合うとそらされちゃってさ

一人で拾うのも、時間をかけて縫うのも
もう慣れたんだけどね

たまに座り込んで思うの、
ずっと此処で立ち止まってたいなって。

私の好きな人は

よく笑う人だった。

鞄にはいつも

ねるねるねるねを入れていて

よく練る人だった。

私は、知らない街に、
電車に乗って出かけている。
鞄の中には、
ねるねるねるね。
それ以外に、
頼りになってくれそうなものは、ない…



そういう夢を見るあなたは、
疲れているのだろう。

今度はいつ会えるかな？

私の言葉に無反応

貴女は今から旅立つ

遠くの彼方に

いつ帰るかわからない旅路へ

私は貴女を待つ

ずっとずっと

おかえり

を言える日まで

息が詰まりそうな社会の中

鞄の中のねるねるねるねだけが

正しい色を知っている

安部公房の『鞄』

私が高校の時に読んで、感銘を受けた作品だ。

ある日、主人公の所に、あの魔女が訪れた。

魔女は大きな鞄を持っていた。

そしてその中には、ねるねるねるねが、入っていたのだ。