アルペジオ・2022-08-12
短歌
誰かのクラクション
風のBlues
願わくばその手の中に掬われて
一生君だけのモノになれたら
黄昏に明るい私置いてきて
夕日よ、一緒に沈んでおくれ
甘い甘いドーナツのようなワガママを
君に贈って胸やけさせる
あの月を四つ折りにしてポケットへ
君がせがめばいつでも出すよ
氷山の崩落で波が起こる時
抗うことせず被れるだろうか
切なさが私の肩をすり抜けて
君の肩へと抜ければいいのに
これからの君のすべてを僕にくれ
明けゆく空にプロポーズする
君のこと好きになれない私なの
その優しさは他へ回して
そこの角、君が現る夢を見る
時空もなにも飛び越えてしまえ
沈黙がタングステンより重たくて
大事な場面でやらかした感
この好きをなるべく遠くへ放り投げ
君を知らない私になるの
左手をギュッと握るのダメだから
もらった指環が小指を押すの
もう一人、違う私がいるのです
あの太陽が照らす孤島に
君と目が合わなくなって一週間
遠くの空の蒼色を探す
「月見える?」深夜のLINEに窓を開け
君と繋がる下弦の三日月