桜餅(名前替えたよ)詳細はひと言にて・2024-07-27
風船
たくさんの
風船に囲まれて
空を飛んでみたい、
気分に
何処から
飛んできたのか?
風に揺られて
風船が舞って
風に飛ばされた
1つの風船
行く宛もなく
風に流されるまま
14ー5
この発見が成功したら
ノーベル賞が
もらえるかもしれないよ
力を込めて言います
とりあえずボクの部屋で
くわしく話を聞くことにします
遊園地や縁日で
売っている風船は
浮かんでいるのに
自分で膨らませた風船は
浮かぶどころか
地面に転がっている
だから絶対に
空に浮かぶ風船を
膨らませてみせる
すごく意気込んでいます
空に放たれた
無数の風船
次は
君の元へと
飛んで行くから
14ー12
そういえば
ノーベル賞をもらったら
どうなるのだろう
キミにたずねてみたら
きっと全校集会で
校長先生から
表彰してもらえるんだよ
給食も毎日好きなものが
食べられるんだよ
宿題も出ないんだよ
すごいことを言います
14ー7
まずはキミが
赤い風船を膨らませます
まん丸に膨らんだ風船は
空に飛びそうです
キミが風船を
放り上げると
風船は落下傘のように
ゆっくりと降りて
床の上で転がります
キミは悔しそうに
風船を見つめて
もう一度天井に向かって
放り上げます
やっぱり風船は
床に落ちてきます
キミはどうしてだろうねと
ボクに問いかけます
14ー10
緑は草や葉の色
桃色は花びらの色
風に乗って飛ぶけど
空には昇りません
ボクたちは考えつくして
窓の外の空を眺めます
春の青空に白い雲が
浮かんでいます
ボクたちは気づきます
白い風船なら空に浮かぶよ
さっそくキミは
白い風船を手にとって
膨らませます
14ー3
キミは続けます
チョコレートを溶かして
型に流そうとしたら
見たいテレビが始まって
テレビを見ている間に
チョコレートが
固まってしまった
もう一度溶かすのが
面倒なので
そのままでいいやと思った
そんな理由が
あったみたいです
ボクはキミからもらった
チョコレートを
アイスピックで
砕きながら食べたことを
思い出しました
14ー9
この青色は空の青ではなく
海の青色だよ
そう言ったら
キミはポンと手をたたいて
それで空に浮かばないんだね
そう言って袋の中の風船を
全部ばらまきます
色とりどりの風船から
空に昇りそうな色を探します
黄色はお月さんみたいだから
空に昇るはずだね
キミは自信ありげに言います
でもお月さんは昇ったら
沈んでしまうよ
ボクがそう言ったので
キミは残念と言って
違う色を探します
14ー6
でも売っている風船が
浮かんでいるので
ボクたちが
浮かぶ風船を膨らませても
発見にはならないよ
そう言ったら
キミは怒って
あれは大人が膨らませて
いるからだよ
大人はズルいことをするから
発見じゃないんだよ
無茶苦茶なことを言います
14ー1
日曜日の朝
キミは紙袋をかかえて
ボクの家に遊びに来ました
ボクは紙袋の中身が
すごく気になって
たずねてみたら
キミは何だと思う
イタズラっぽく言います
恥ずかしくて
言えないのかな
そう思ったので
バレンタインデーは
とっくに終わっているよ
キミに教えてあげました
14ー11
絶対に浮かぶ
ふたりで風船を持って
天井に放り上げます
でも風船は落ちてしまいます
雲の色なのに浮かばないなんて
キミは不思議そうに言います
ボクは少し考えて
気づきます
この風船の白色は
雪の色なんだよ
だから落ちてしまうんだ
そう言ったらキミは
そうだったんだね
力なくつぶやきます
14ー4
キミはようやく
袋の中身を見せてくれます
色とりどりの
ゴムのかけらが
いっぱい入っています
キミがそのひとつを
袋から出します
それは風船でした
キミはこの風船で
発見をしたいと言います
ボクはそれよりも
算数のドリルをした方が
キミのためだよと言ったら
またボクの頬をつねります
14ー2
キミはそんなこと知ってるよ
そう言って
ボクの頬をつねります
確かにキミから
プレゼントをもらったけど
あれはチョコレートだったのか
今でも信じられません
そんなボクの気持ちを
読みとったのか
あれはチョコレートとは
思えないかも知れないけど
材料はチョコレートしか
使っていないんだよ
そう言い返します
確かにボウルの中身は
チョコレートだったけど
あんな形でチョコレートを
見たことはありません