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#「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全9作品・


「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」




















5話「ここは」




















「幽霊さん。ごめん、席外すね。
昼から仕事なんだわ」

「!あ、はあ、、」

「別にここにいてもいいよ笑
暇だと思うしね」

「嬉しいです、ありがとうざいあす!」


音と共に消えた声と
空気がはいってくる。


「……」


心優しい人でよかった、なんて。




話し相手がいなくなっちゃったから
めっちゃひま。

すこしそとにでることにした。

























とんとん。














はぇ?と後ろを振り向く。
わたしがみえるひとかな?と。



「なんでしょ…え、」


「驚かせてすみません、」



わたしは目を丸めた。

真っ黒いパーカーを身につけて
ポケットに手を突っ込んで
声は低くて優しい声で
両目異なる色をしていた。

驚いたのはここから。

ズボンの下からみえた、
横にうごく鈴付きのしっぽと

たまにぴょこぴょこ動く
なんか変な飾りをつけた耳。

見たことがないのに
瞬時にわかった。
















「黒猫」














「はは、みんなそんな顔をされます。
どうも。「導き役」こと、
クロア
黒猫です。」

「ほぇ、くろねこさん?」

「はい。僕は幽霊だけにみえる特殊な猫。
猫又とは違う部類の黒猫です。
初心者幽霊さんを導くという役をしてます」

「ほ、ほう、、
理解は追いつかないけど、導いてくれるのね」

「はい。精一杯のことをやらせてください
…今、お暇ですか?」

「あ、はい。ひまひまです」

「ならよかった、
僕と一緒にあの路地裏へ来て貰えますか」

「あ、はい、いいですよ」


とふわふわついて行った。


小学校のころからずっと
知らない人にはついて行くなとか言われたのに
大人になった今破ってるなんて笑えてきた


「路地裏にいって、どうするんですか」

とぼとぼ歩く猫さんの後ろへ追う。

「生きてる人には見つけられないというか
見えない世界へ行くんです。
死んだ人にしか見えない通路へ行きます。
49日をこの世で過ごすために、
上の人と少し話をするんです。」

「49日ここにいるだけで
上の人と話をしなきゃなんですね」

「はは、僕も思いました。
でもやっぱり、上の人の思いやりなんだと思います。」

「…はて、思いやり…。」

「はい。」


















なんの印も着いていない所で止まったと思えば、黒猫さんはこちらをむいた。


「目を瞑ってください」

「目?」

「はい。3秒ほど。」

「わかりました」







視界を遮り立ちすくむ














1、















2、




















さん、














「はい。」




「…!!」


「ここは…??」



「ここは死んだ人しか来れない場所
トウヒツギノバ
「灯棺ノ場」という場所です
まあここは1部ですけれどね」



指を刺された場所と

視界にうつる世界が照らし合わせれなくて


戸惑うわたしに
手を引いたのは



さっきあったばかりの
猫さんひとり。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・3日前
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
強がり


「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」
























2話「しんでしまった。」























そういえばわたしは
やっぱり人にはみえないみたいだ。

あるいてるひとに
変顔をするのがすこしたのしい。

物や人に触れることは出来なくて

こう、触ろうとしても
わたしの手が貫通するかんじ。

なんかわたしが
除け者にされているきがする。

あ、ゆーれーといえば浮いてるイメージ。
たしかに今ういているけど
地面から7センチほどしかうけなくて
ジャンプとか飛行とかはできなさそう。

意外に不自由だ。


そういえば、ゆうれいって
49日はここにいるんだっけ?


あ、だからか。

じゃあ49日ここにいれば
成仏できるってことかな



49日かあ、
ながいなあ、。

どうせ未練も無さそうだし

わたしはこのまま49日すごそうとするか。



8月29日。
わたしの命日となった。


げんざい19時7分。

すこし人の家にとまらせてもらうとしよう。
まあふほうしんにゅーだがな。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・2021-12-04
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
迷宮
流れ星

「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」























1話 「わたしは」
























わたしはゆうれいさん。

先程死んだものだ。


なんで死んだか、
わたしの名前はなんだったのか
ほぼぜんぶ、忘れてしまった。


ほんとはわたしは
前世とか来世とか信じないタイプだけど

なんか死んじゃったし
さっさと成仏してあの世へいきたい。













さて、
成仏されない。


ああ、なんかきいたことあるな

未練があるんだっけ?


…そうだなあ、、

なにふじゆーない生活で
食べ物にも着る服もじゅーぶん。

やりたいことも趣味もないから
未練、っていわれて
ぱっと思い出すものがない。


「…どうしよっかなあ。」


みれんをさがす

わたしのゆーれーせいかつがはじまった。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・2021-12-03
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
迷宮
流れ星

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アプリ『NOTE15』で作られました。

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「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」
























4話「たぶん。」




















メモ帳にはずらっと
「ネタ」とやらが書かれてあった。

「…ま、まさかとはおもうが
げ、げいにんさん、??」

予想は的中したらしい、


部屋にはハンガーにかけられた
少しこめでぃあんな服がかかっていた。


「うそや、、
人はみかけによらないんすな、、」

と5度見ほどしてメモ帳をとじた。


芸人さんなのはわかった。


…でもどうして笑わないんだろう、、

芸人さんはoffだとこういうもんなのか?
はて、わたしにはわからん。


まあこの芸人さんが笑おうが笑わないが
わたしには関係の無い話だ。

きょうはとめてもらうだけだし。























とおもっていた。


明日もあさってもどーせ暇だ。

少し、この芸人さんをおちょくってやろう

ふふふ、楽しみだな、、





なんだか眠くない。
多分ゆーれーは眠らなくても大丈夫なんじゃないかな?


でもすることもなくねた。
















次の日。











今日は土曜日だ。
芸人さんはぐっすりだから
多分休みなのだろう。



「げーにんさぁん…」

と耳元でささやいてみた。



「うぁぁ!?」

「だ、だれもおらん、、??
ゆ、夢やろか…??
いやでもいま、はっきりきこえたし、、」


やはりこやつ
霊感があるな


おもしろい。
すこしいじってやろう。



「うーらーめっしや~」

「あわわわ、、、
す、すみません!!
お、俺が何かしましたかあぁ…??
の、呪わないでっ、呪わないでえ、、!!」



かわいい。

「おどろかせてごめんなさい
わたしはゆーれーです」


「!?ゆ、幽霊…??
あ、わかった!!
ドッキリとやらやな!?
はは、ついに俺もドッキリにはめられるほど
人気が出たもんだ、、いやあよかったあ
幽霊さん!もう俺怖くない!」

「どっきり。なんだそら」

生前にあまりテレビを見ていないから
よくわからん。流行っておるのか?


「どっきりとやらはしらんが
わたしは本物なのである(きりっ」


「…はぇ、?
ほんもの、?」

「うむ。ゆーれーである。」

「ど、どっきりじゃなく、て?」

「うむ。ゆーれーである。」

「ごっこ、ごめんなさいい!!
お、おれがなにしたかはしりませんが
おれがわるかったです!!
ごごごめんなさいい!!」


「…わたしがみえてるんじゃないの?」

「あ、そ、その、
お、俺霊感あるけど、その
見えはしないん、すよ」

「ほう。そんな人もいるのですな」

「た、たぶん。」

「まあよいだろう。
すこし貴方にきょーみがわいたから
ここにいてもよいだろうか!!」

「は、え、ここに、?」

「うむ。まあ無理にとは言わないけどね、、」

「こ、怖がらせたりしない?
嫌がらせとかしない、、??」

「保証はできぬが努力はする」

「ま、まあ、その、害がないなら別に、、」

「ふふふ、うれしい、ありがとう」

「…その、幽霊さん、なまえは?」

「わたし??…さあ、忘れてしまった。」

「じゃあ、年齢は?」

「さあ。成人済みなのは覚えてるが、、」

「声的に女の人やな。
カイドウ アキト
俺は海街 暁斗。芸人。」

「相方とかはいないの?」

「うん。ピンでやっとる。
てか幽霊さんって、ずっとここいるん?」

「さぁ、、
わたしも仕組みはよくわからんけど
45日はここにいるつもり。」

「ほへぇ。そういや未練とかないん?」

「あるかもしれないしないかもしれない
忘れちゃったんだよね。」

「へぇ…幽霊さんも大変なんやね。」

「うん。どうせ暇だからさ、
ここにいさせてくれないかなって」

「はは笑なんかおもろそうやな笑
いいよ、ここ居て笑
幽霊さんもおもろそうやもんな笑」

声的に笑っているように見えるが

少しも目が笑っていない。
少し震えた。


なんで笑わないの、なんて

聞けるはずないから。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・2021-12-07
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
迷宮
強がり


「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」





















6話「みちびき」






















目の前の景色は

さっき猫さんがいってた

「灯棺の場」とやらだとおもう。












「…ここが、
とうひつぎのば?ですか?」


「はい。


ほんの1部にすぎませんけどね」





後ろを振り向くと

路地裏なんてなかった。



壁?……壁だな。
触れることが出来る。



…あれ?
わたしって…触れることできなかったような…




「はは、驚きました?
ここは死後の世界なので
幽霊でも触れることができるんですよ。
ほら。」

手を出された。

たしかに、猫さんの手に触れることが出来た




「…すごい」

「でしょ」










「さきほど上の人と話をするとかなんとか
上の人とは誰なんでしょうか」

「ああ、着いてきてください。
上の人がいる所へ行きましょう」

と言われついて行った。




「…やっぱり、上の人といえば
怖い人なんですか」

「…はは、怖くないですよ
見た目は少し怖いですけど」

「そうなんですか…
やっぱり上の人も、猫さんみたいに
人間じゃないんですか?」

「はい、まあざっくりいえば
鴉、ですね。
その鴉には双子が居るんですよ。」

「からす…??」


「ええ、人間は黒猫や鴉を
「不吉」という人が多いでしょう。
その不吉、なイメージを付けられた僕達は
1部の生き物に変な魂を付けられて
こんな風に、導き役になんてなりました。」

「猫さんたちも、大変だったんですね」

「はは、まあたしかに大変でした。
でも、ちょっぴり楽しいんですよ」

「へぇ、具体的にどんなことをするんです…」

「あ、つきました。
この話はまた今度しましょうか」

「あ…はい、」
















「…さん、連れてきましたよ。
命日は1日前。残り今日合わせ48日。
女性とされる幽霊です」

「……くろあ?」

クロア
「はい。黒猫です。
導きし猫でございます、」



バサバサ…と上から音がなって


目の前に降りてきたのは1人の男のひと…


いや、1人の鴉だ。















「ご苦労さま。

やぁ、こんにちは。
カトリ
導き役役長 双子の弟の 鴉鳥。
君の49日間のサポート、導き役として
全力で務めさせてもらう役長だ。
どうぞよろしく。」


「は、はあ……」


「理解の追いつかないところすまないが
生前の名前と年齢を教えて貰えるか」


「あ…すみません
名前も死亡理由も、年齢も
わたしが女性だってことしか覚えてなくて」


「…そうか、
まあ珍しくはないな。
まあいいだろう、ではくろあ、あとは頼んだ」

「はい。」


「さて、行きますよ」

「はっ、はい」













上の人…もといや鴉さんと話が終わり
どこへ行くかもわからぬまま
猫さんの後ろを行く。




「猫さん。

わたし、未練が_」






引き止めたのは
これが始めて。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・2日前
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
強がり

「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」

























3話「ふほーしんにゅー」





















さてと

日が落ちてきたから
不法侵入をしようではないか

いきていてこんなことしたら
すぐに捕まっちゃうのにな

不思議だな、
なんと不思議で、おもしろい。



「ぐぬぬ、ふぬっ
ぬななッッ」


ゆーれーお得意すりぬけ~
といってもすりぬけはあまり簡単ではない
生きてる時みたいに
すこしだけひっかかる。
へんなの。


すぽんって音がして
床に足?がつくこともなく

その家に侵入できた。


この家の主人は
男の人で、ルックスは悪くなくて
今帰ってきたのかはしらないが
ネクタイをしたままで
すこしかしこまったスーツを身にまとって
だらあとソファーに寝転がっている。

すいすいとスマホに目を取られて
眠そうなめをこすりながら
そふぁーからたつ。


げんざい19時ごろ。

ご飯の準備をしていた。



「…なんか、違和感あるな、
疲れてんやろか、」

「、、!?」



霊感があるのかな
わたしの存在にうっすら気付いているようだ















ご飯を食べてしばらくして
メモ帳に何かを書き綴って

11時頃
布団に着いた。













少し気になったから
メモ帳を覗いて見た。















「…まさか」


メモ帳をとじて
布団へ視線をのばした。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・2021-12-06
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
強がり

今日から

「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」

という自作短編小説を
このお話が終わるまで毎日少しづつ投稿します

ゆるゆるな成仏できないゆーれーさんと
笑わない売れてる芸人さんと共に
見えない存在と届かない声で
幽霊さんのほんとの未練を探し出す物語。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・2021-12-03
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」


「笑わない"芸人さん"と
45日のゆーれーさん。」

























7話「あのひと」





























「うん。未練がどうしました?」




「あ、あの
わたし未練が思い出せなくて。
もしかしたら無いかも知れないんですが、」


「ああ、未練ですね。
大丈夫です。貴方みたいな人は沢山いるので。
未練を思い出す手伝いをする導き役の1人が居ますが、会いに行きますか」

「あ…いえ、大丈夫です。」

「はは、そうですか笑
気が向いたらまた言ってください」

「はい、ありがとうございます」



「さて。
今日の僕の使命は終わりましたので
お帰りになっても大丈夫ですが、
この灯棺の場を見て回るのもいいですけど」


「んー…帰ります!」


「了解です。
あぁ、お気をつけください。
この灯棺の場とこの世が繋がる
あの通路の狭間で迷子になってしまうと
変な空間に行ってしまうので。」

「変な空間??」

「詳しく名前は知らないんですがね。」

「そうなんですね、、
ありがとうございます」


「はい。また用事が出来次第話しかけに参りますね。」


「わかりました」
















話し終わって
通路を教えて貰って




またこの世界に帰ってきた。
















「…!芸人さん、」








思い出したかのように
わたしはまたあの家へ行った。

柳瀬 櫂理 好き連🙅🏻×・1日前
「笑わない"芸人さん"と45日のゆーれーさん。」
強がり

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