#ADR

初めて　　僕の　目の前に　現れた　君は

まるで　　雨に　溶けそうな

ブルーの　天使　だった

降りしきる　雨に　　湿った　髪は

僕の　心を　　縛って　揺らした


ピンクの　少し　にじんだ　ルージュは

微笑みを　淡く　たたえて……

その　くちびるが　　僕のために

愛の　言葉を　　形づくるのを

僕は　　待った

星空の　真下で　　幾つもの　月日を　見送って

あなたと　わたしの　　隔たりを　実感する


あの頃……　ふたりで　居たら　それで　よかった

遥かな　銀河の　彼方から　　星たちは

カーテンを　引くように　　包みこんでくれた



あんなにも　愛おしくて　　心ごと　暖かくて

あんなにも　手放すまいと　　想っていたのに

はぐれて　しまった……　　戻れなかった……

『好きだったの……

　その　ひと言を　　あなたに　伝えそびれて
　恋心が　　くすぶったままです

　このままでは　　一生　後悔するから
　あなたに　　告白させてください　』


あの日　　夜が　明けるまで
書いては　消して　　を　　繰り返し
勇気　振り絞って　書いた　　あなたへの　手紙

ポストに　　封筒を　沈めたら
なんとなく……　　返事は　ないだろうな……って
そんな　　ネガティブな　予感が　　よぎった

変な　勘は　　当たるものね
後日　　届かずに　戻って来たわ

引越したなら　　教えて欲しかったのにね

ぬくもりが　　恋しい　夜


抱きしめて　　眠るのは

ぬいぐるみ　じゃなくて



・・・・・あなたが　いい

毎日の　　何気ない　　ありふれた　場面にも

身近に　しあわせは　　きらめいている


レース越しに　さし込む光に　　目覚める　朝も

キッチンで　　美味しい　手料理を　作りたいのも

出かける前　　鏡の前で　着ていく服を　選ぶのも

同じ　歩幅で　歩く　　いつもの　散歩道も

さっぱり　汗を流す　シャワーが　気持ちいいのも

穏やかな　寝顔を見つめながら　眠りにつく　夜も

君が　一緒だから

輝く　ひとコマに　なるんだ

鍵を　あげる

あなただけに　　たった　ひとつ

だから

わたしの　心の　中に　　入れるのは

この　鍵を　持つ　　あなただけなの


プラチナの　部屋の　　プラチナの　鍵

高価なんだから

失くしたら　　二度と　作れないの

髪を靡くそよ風は

袖を通い
爪先まで抜けていく

そのうち僕の視線が
君の素肌を捕らえるから

いつか　　僕が　海辺で　　君に　聞いたこと
君は　　憶えているかい
僕は　　忘れていないよ

「満月と　三日月なら　　どっちが　好き？」

その　問いかけに　　君は　ためらわず　答えた
「満月ね」
どうして？　と　僕が　聞くと

「三日月は　これから　丸くなっていく　けれど
　満月は　　もう　欠けてゆくしか　ないの
　その　愁いを　　満月は　知っているから
　いちばん　大きな　姿で　　闇を　照らすのよ」

……そして　君は　　ぼそっと　つぶやいたね
「今の　わたしたちって……満月に　似てない？」

ほら　　今夜も　まん丸い　月が　空に　浮かぶよ
哀しいほどの　満月

何かが　　出来るから、　　じゃなく

何かを　　持ってるから、　　でもなく

言い表せないほど　　君を　　必要としている


『生きること』自体が　　『君そのもの』なんだ


僕は　　君がいない世界　なんて　考えたくない

君を　もし　失くしたら　　　それは

僕にとって……

全ての　終わりを　　意味するんだろう


君が……　　無条件に　　愛しい

ホッとする　　ひとときは

とても　　大切な　時間

美味しい　お茶を　　一緒に　飲みましょうよ

心　和む　　お話でも　しながら……

ティータイムを　　より　素敵に　するのは

向かい合う　　あなたの　微笑み

こんなにも　　ゆったり　まったり　するときは

時計の　針を　　止めてしまいたいほど……


ねぇ　　いつも以上に　　わたしを　見つめて

愛してる　って　　　言って……

あなたの爽やかな笑顔と
さり気なく包み込む優しさが

心の傷を癒してくれる

あなたに巡り逢えた瞬間(とき)から
そのことばかり考えているよ

激しく心は戸惑い
空回りばかりしている

失意のまま放り出された私は
そんな苦い経験から

恋はもうしまいと
かたく決意したけど

背いてしまった
もう待ち切れずにいるよ

触れたくて
たまらない
できるならキスしたくて

はやる気持ちを抑えて
非情にも
時計の針は進むだけだよ

今の私にはこの感情
もうどうすることもできない

こんなはずじゃなかったのに
今、心はときめいているよ

ときめきを忘れない
女ですもの

死ぬまで恋をし続け
綺麗なままでいたくて

この胸の
確かなときめき

忘れかけてた炎を
絶やさず燃やしたい

もしも叶わぬとも
心の奥に秘めて

只今、
恋の予感がするから

犯されてるの
そのUSEDな唇で

罪悪感を封印し

行き止まりまで
指を絡めようなんて

透かさず
視線を逸らした

木の葉のように
心はざわめき

戸惑いは
膨らむばかりで