蝶番・2024-01-11
analysis
そこでやめておけばいいのに
あからさまな警告を無視してまで
突っ込んでしまうことがある
度々ある
あれは何だろうね
意味とか
ギフトとか
そんなんじゃなくて、、
ただ快楽を振り切れなかった
それだけだと
認めたくないだけなのかも
そんな自分も許して
許して許して、、
生きていくって
そういう連続なんだって
もういい加減受け入れないとな
書き留めたい
という欲求は何なのだろう
一瞬頬をかすめ
名も告げず
去っていくものを呼び止めて
決して再現できない
感覚を言葉にするという行為
誰のためでもなく
まっすぐに
無いかもしれないものを
求め走っていた
そうじゃないと
足を止めてしまえば
すべてが終わってしまうと思っていた
誰にも語らず紙に書き付けた熱情
あんなに怖いことを
良くできてたと思う
見たこともない宝石を
その原石と信じるものへ
遮二無二手を伸ばして
ひとりだから、できた
叱咤し抱き締める
わたしとわたしで見ていた光の尾
そのハレーションは
ほんとに本物だったかな
共犯の鏡像を女神に祭り上げる
それもしたたかで舌を巻く生命力だけど
気温が上がりすぎれば
熱を冷まそうと雨が降る
終わりの見えない夏にも
いつも通り秋の香が立った
一時、揺れても
バランスはいつも保たれてる
自然の一部であるわたしたちもきっと
そう信じられるまで
あと何回かかるだろう
この生命が閉じたら
ただ無だと思っていた
そう言ってもきた
でも、ほんとにそうなのかな…
ここ数年
そう考えるようになった
だって経験がないことだから
もしかしたら
身体を返した後わたしは自由になって
あなたの後ろ姿を見ていられるのかもしれない
それがうれしいことなのか
さびしいことなのかはわからない
歳を重ねてもわからないことばかりだ
…いや、こうして曖昧になっていくことが
ここまで生きてきたしるしなのかもしれない
結局ずっと信じ続けたのは
清らかでも優しくもない
見え隠れしていた違和感に
目を瞑り続けた
怠慢と怠惰
恵まれた物語だったと思う
願いが直線に叶ったわけじゃない
わらしべ長者みたいに
交差した縁が先々で手を取り
細く道を拓いていった
思い描いた小さな夢は
ひとつまたひとつとあきらめたけど
とりあえず歩いた
何もしないでいるなんてできなかった
だからきっと
何もかも放棄するのじゃない限りは
どこかにたどり着くよ
そしてそれは悪くもない眺め
知ろうとしないのは罪だ
でも
きれいに整備された浅瀬を
歩いただけですべて知った気になるのは
とてつもなく愚かだ
理由なく近づかなかったのは
ある意味
本能の防御だったのかもしれない
想像力がまるで足りてなかった
剥き出しの現実に打ちのめされ
己の単純さに身悶えし
そう
いつもここから
本当の思考が始まるのだ
分別のついた大人は
先に謝らないと
胸の内すらさらけ出せない
言ってはいけない言葉に
飲み込まれそうになる
そもそも
願ってもいけないことなのか、、
もはや朧な悲しみと怒りの手触りが
わたしを辛うじてここに引き留める
さみしい気持ちは
にせものの花
つらくて
なぜ、なぜと噛み締めた
小さなわたしをやっと掬い出す
隙あらばかき乱すわたしの
目的を今は問わない
ただ、みんな抱き寄せる
わたしが人を好きだなんて
あるわけなかった
わたしが好きなのは自分
わたしを大事にしてくれる
気づかせてくれる
変えてくれる
あなたたちに興味津々
人のまばらな午後3時
レタスにきゅうり
ミニトマト、ハム
ツナ缶とパンをかごに入れ
何を作るか
どんな役柄か
もしかしたら明日の予定も
想像できるようなステロタイプ
小さく笑みがこぼれる
ストライプの雲が
気軽に縁取りした空
この気分こそがいかにもステロタイプなのは
幸福な呪いとしておこうか、今日は
命がもっと重くなれば
生き繋げるの?
それとも軽くなれば?
悲しみは美しい
風のように歌い
花を降らせる
でも
怒りは熱い
そして黒い
消化のできていない有象無象は
誰彼構わず傷つけようと渦を巻く
心のない
形だけの礼儀
人それぞれなので
何も表明する気はないんだけど
ないのに
なんだかくさくさしてしまうのは
あなただからだ
同じ言動を
感性の相似を期待する
痛いのはわたしだ