同じ夕焼けを・2024-10-21
お子様ランチな恋
ラムネ
14ー12
ボクがそう言うと
キミはこわい顔で
ボクの顔の前に
ビンを突きつけて
そんなに大人を
まともに信じていたら
ろくな大人に
なれないんだよ
力を込めて
大声で言います
14ー4
校長先生は
悪い人ではないよ
ボクがそう言うと
明日から楽しい
夏休みなのに
全校集会で
難しい話をするからだよ
みんなで思いっ切り
遊んで過ごしましょうと
それだけ言えば良いのに
14ー2
楽しそうだね
ボクはそう言うと
キミはラムネって
面白い飲み物だね
きっと校長先生より
ずっとエラい人が
考えたんだね
そう言うとまた
ビンを振って
カラカラと鳴らします
14ー3
でも誰がビー玉を
入れようと思ったのかな
ボクは不思議に思います
キミはラムネを眺めて
なにやら考えています
どうかしたの
キミにたずねたら
やっぱりラムネを作った人は
校長先生より
悪い人かもしれない
とんでもないことを言います
14ー13
大人を悪く言う方が
ろくな大人になれない
ボクはそう思ったけど
キミに言っても
ますます怒るだけなので
話をそらせようと
考えながら
ラムネのビンを
軽く振ったら
とても良い音がします
14ー8
キミは大げさに
呆れた顔をして
これだから
校長先生の話を
まともに聞いているから
ダメなんだよ
無茶苦茶なことを言います
このビンがデコボコだから
中に入っている
ラムネの量が
少ないんだよ
14ー14
もしかしたら
飲んだ後で
楽器みたいに
遊んで欲しくて
こんな形にして
ビー玉を入れたんだよ
そう言ったら
確かに楽器みたいに
良い音がするね
そう言って
ラムネのビンを
優しく振っています
きっと音楽が好きな人が
ラムネのビンを
考えたんたね
ボクがそう言ったら
キミは大事なことを
見つけたみたいに
叫びました
絶対にラムネは
ベートーベンが
作ったんだよ
14ー9
キミがまともなことを
言ったので
ボクはポカンと
口を開けて
キミを眺めています
キミは続けて言います
ラムネは世界で一番
おいしい飲み物だから
たくさん飲まれると
くやしいから
ワザとビンを
デコボコにして
中身を少なくしたんだよ
14ー5
そんなことを言うので
遊んでばかりだと
学校のみんなが
キミにみたいになるよ
ボクは思ったまま言ったら
キミは怒って
ラムネのビンで
ボクの頭を
叩こうとします
ボクは頭を抱えて
ワーッと叫びながら
うずくまります
7ー4
ワタシが先生になったら
宿題もテストもないんだよ
もうキミは
先生になったつもりです
それじゃみんな
勉強が苦手になるよ
ボクは思ったことを
口にしたら
キミはボクの頬をつねって
アンタのような人が
先生になったら
みんな学校がイヤになって
グレてしまうよ
怒鳴って言います
14ー11
キミの言うことが
あまりにも正しいと
思えてきたけど
大人の意地悪ではなく
優しさのように
思ったので
子どもでも
買えるように
大人が一生懸命
考えてくれたんだね
14ー10
確かにラムネは
おいしいから
安く売るのは
もったいない
でも値段が高いと
子どもが買えないから
量を減らして
子どもでも
買えるように
したんだよ
7ー6
キミは残念そうに
夢のない世界だね
おいしい給食を
食べてもらうことが
学校で一番大事なのにね
そんなことをつぶやきます
給食がおいしいことは
とても大事だけけど
それだけではダメだと
キミは分かってくれません
なんとかキミに
おいしい給食が
ずっと食べられる方法を
考えていたら
あることを思いつきました
14ー7
キミはラムネのビンを
ボクの目の前で
カラカラと音をたてて
振ってから
問題はこのビンの
形なんだよ
そんなことを言います
ボクはラムネのビンは
面白い形だから
好きだよと答えます
7ー5
じゃあ特訓開始
そう言って
キミはボクの
右隣に体をつけて
ボクの右足と
キミの左足を
ハチマキでくくります
イチと言ったら
ワタシは右足を
キミは左足を
一歩前に出すんだよ
そう言ってから
キミはイチと
大きな声で言います
ボクが左足を
一歩前に出そうとしたら
バランスを崩して
二人ともコケてしまいました