7ー1
アンタは気づいていないとは
思うんだけど
給食におはぎが出たこと
今までになかったよね
キミは大発見をしたみたいに
ボクに話しかけます
そう言えば給食に
おはぎが出てきたことは
見たことがありません
あんなにおいしいのに
なんで給食で出さないのかな
キミは不満そうです
同じ夕焼けを・2026-01-25 #お子様ランチな恋 #花が散る
7ー6
どうして空に逃げられたの
キミにたずねてみたら
風船を買ってもらったあとに
たこ焼きを買ってもらって
食べようとして
一瞬風船のヒモを放したら
あっという間に
空に飛んで行ったんだよ
キミは悔しそうだけど
キミのことだから
風船を気にして
たこ焼きを落とした方が
もっと悔しがると思います
同じ夕焼けを・2026-02-13 #お子様ランチな恋 #想い出の欠片
7ー6
キミはとうとう
走るのをやめて
ボクの方を見ています
手を振って何かを
叫んでいるみたいです
もしかしたら
虹の正体を見つけたのかと
思いながらキミのところまで
走りました
そしてキミのところに
ついた頃には
虹が消えかけていました
同じ夕焼けを・2026-01-24 #お子様ランチな恋 #空を見上げて
7ー3
もしかしたら
空からおはぎが
落ちてくるのを
待っているの
キミが前に給食で
おはぎが出てこないことを
不満に思っていたので
せめて空から落ちてこないか
待っていると思ったのです
キミはボクの頬をつねって
そんなことが
起こるはずないんだよと
怒鳴りました
同じ夕焼けを・2026-02-11 #お子様ランチな恋 #想い出の欠片
7ー2
ボクたちは放課後
公園でかくれんぼをしたけど
オニを決めないで
ふたりとも隠れたので
当然誰も探しにきません
だけどそんなことに
気づかなかったボクたちは
見つからないように
一生懸命に隠れていました
だけどいつまでたっても
キミは見つけにきません
それどころか
キミの声も聞こえません
同じ夕焼けを・2026-02-02 #お子様ランチな恋 #一人になると
7ー1
学校の帰り道
キミは空を見上げています
たまにこういうことは
あるのだけど
その理由はどうせ
たいしたことないはずです
だから黙っていることに
していたのです
ところがキミは
どうして何もたずねないと
不機嫌そうにボクにたずねます
同じ夕焼けを・2026-02-08 #お子様ランチな恋 #想い出の欠片
7ー5
でも揚げパンには
キナコがついているよ
キミにそう言ったら
そうだったんだよ
揚げパンが給食に出るなら
キナコのおはぎも
給食に出せるんだよ
パンにキナコをかけるか
ご飯にキナコをかけるか
違うのはそれだけだよ
キミは目を輝かせます
同じ夕焼けを・2026-01-29 #お子様ランチな恋 #花が散る
7ー3
スゴく気になったけど
どうすることもできずに
じっとガマンしていました
キミはとうとう
たえられなくなって
ボクを見つけ出して
なんでアンタは
隠れているんだよと叫んで
思いっきり頬をつねりました
とても強くつねったので
まだ頬がヒリヒリしています
同じ夕焼けを・2026-02-04 #お子様ランチな恋 #一人になると
7ー7
そういえば昔話で
子どもが寝ている間に
大人だけで
おはぎを食べる話があったよ
ボクがそう言ったら
キミは何かに気づいたようです
きっと大人は
花よりも団子よりも
おはぎが好きだから
ワザと給食には出さないで
隠れて大人たちだけで
食べているに違いないんだよ
同じ夕焼けを・2026-01-31 #お子様ランチな恋 #花が散る
7ー4
キナコはおいしいんだけど
やっぱりアンコがないと
物足りないよ
ボクがそう言ったら
確かにアンコは強いよ
アンパンはあっても
キナコパンはないんだよ
アンパンは無敵なんだよ
だからアンパンマンも
無敵なんだよ
キミはひとりごとを
言っています
同じ夕焼けを・2026-01-28 #お子様ランチな恋 #花が散る
7ー4
確かにお行儀は悪いけど
手でつまんで食べる方が
おいしそうです
キミは瞬く間に
おはぎをひとつ食べたら
指についたアンコを
ねぶりながら
やっぱりおはぎは
アンコに限るんだよ
そう言って
ふたつめのおはぎを
手に取ります
あんなにキナコのおはぎに
こだわっていたのに
キミにはもう
アンコのおはぎしか
目に映らないみたいです
同じ夕焼けを・3日前 #お子様ランチな恋 #ほっと一息
7ー6
でもキナコだけのおはぎは
食べたことがない人がいて
戸惑うから出せないんだよ
ボクがそう言ったら
それを教育と言うんだよ
世界にはキナコだけの
おはぎもあるんだよ
それを教えることは
とても大事なんだよ
勉強嫌いのキミの口から
教育という言葉が出てきました
同じ夕焼けを・2026-01-31 #お子様ランチな恋 #花が散る
7ー5
じゃあ何を考えていたの
キミにたずねたら
風船がどうなったか
気になったんだよ
キミは答えます
風船は食べられないよ
ボクがそう言ったら
キミはまた
ボクの頬をつねって
そんなこと分かっているよと
怒鳴ります
じゃあ風船がなくても
別に良いじゃない
そう言ったらキミは
せっかく去年の夏に
縁日でおじいちゃんが
風船を買ってくれたのに
空に逃がしてしまったんだよ
キミは悔しそうです
同じ夕焼けを・2026-02-12 #お子様ランチな恋 #想い出の欠片