#たとえ何回生まれ変わっても、キミとなら何度でも、恋に落ちる。

11月21日　ー彼女ー
彼女はこの世を去った。

彼女はいつも元気で明るい笑顔を見せてくれた。

なのにどうしてあんな事故にあって、

彼女は、命を落とさなきゃいけなかったのか…

『夢を…あきらめないでね………』

彼女は最後、俺に言った。

でも、ごめん

もう諦めることにしたんだ

7月25日　ー夏祭りの約束ー
『ねー、希咲。今年の夏祭りどうする?』

『え。何日?』

『8月15日』

『8月…15…日?』

『うん。椎名くんは、もう誘っといたから。あと髙瀬だけ…あ、髙瀬』

『なに?』

『あのさ、8月15日あいてる?』

『あいてるけど。』

『夏祭り一緒に行かない?』　

『いいけど。』

『よし、4人で行ける!』


『滝島!』

『なに？』

『どうかした？さっきずっと黙ってたろ？』

『……、夏祭り楽しもう!じゃあ』

『あ、おい!』
髙瀬になんて言えるわけないじゃん。言ったらどう思われるか分からない。髙瀬だけには死んでほしくない…
好きだから。そんなこと簡単に言えるわけじゃない。考えることに涙が溢れてくる。私の想いは、どれくらいなんだろう

9月4日　ー秘密ー
『あー、もどりたいな…』

『いつに？』

『おととい。』

『で、どうだったの？髙瀬と』

『え。あのね、水族館行ったあとに、アイスクリーム一緒に食べてね、楽しかったよ』

『そっか。よかったじゃん』

『うん。すごくよかった！』


実は、髙瀬が言いに来たんだよね。
「深山さん！」

「ん？」

「滝島の家、教えてくれない？」

「いいけど、どうしたの？」
　
「滝島と行きたいところ、あるから。」

「そっか、わかった。」

それでどこ行くの？って聞いたら、
“水族館”って言ってた。
希咲が水族館好きなの知ってるの？
って聞いたら、
“好きな子だから”
って言ったこと、
秘密にしといたほうが、いい？

『やっば、遅刻する!』　
ドンッ
『いったぁー!最悪…』

『あ…、すいません。』

『あ……、大丈夫です。(本当は大丈夫じゃないけど)』

『その制服、同じ学校…』

『はい?』

『俺、髙瀬頼。あんたは?』

『私は、滝島希咲。てか、あんたって!』

『滝島希咲…ね。』

こいつが本当に私の未来を変えるの?こんなやつと私がどうなるっていうの?逆に会わなきゃよかったんじゃないの?
初めからこんな性格悪いなんて、ほんと最悪!

9月8日　ー会いたいー
空をながめていた。
髙瀬に会いたい…
はじめて恋した気持ちがわかった。
好きな人に会えないのは、さびしいって…
早く、会いたいな…

8月12日　ー浴衣ー
『浴衣、なんの柄にする？』

『え!?あー、えっと、』

『浴衣の姿、髙瀬に見せたくないの？』

『見せたいよ…みせたいけど…、』

『よーし、私がえらんでやろーう！』

『ちょっと、栞里ー！』


『ありがとね。栞里、』

『うん。希咲ってやっぱり、白色の浴衣似合ってるよね。』

『そうかな？』

『私は、オレンジ色…良かったかな？』

『うん。似合ってる』

『私、椎名くんに。』

栞里は、
椎名くんに、告白すると、
そう私に言った。
勇気を出して、私にも言ってくれた。
栞里と私なんて、全然違う。
成功するといいな…
ただ、それだけを願った。

『ここ…は?』

『お待ちしていました。』

『だれ…!?私は、死んだはずじゃ、、』

『ここは亡くなった方が来る場所です。』

『え…。』

『管理人の、志口(しぐち)です。』

『私これからどうなるんですか?』

『滝島希咲さん、あなたにはまた、同じ人生に戻ってもらいます。』

『なんで!私はもうあんな場所になんて戻りたくない!』

『深山栞里さん、、あの方にお会いしなくても、よろしいんですか?』

『それは…』

『あなたにはまだ出会っていない方がいるんです。その方に会えばきっと、未来が変わります。』

『きっとって…、もし 出会えなかったら…、未来が変わらなかったら?』

『これ以上教えられません。』

『せめてその人名前でも!』

『……、髙瀬頼さん。その方にお会いしてください。』

『たかせ……より?』

8月14日　ー明日ー
『あー…、明日か…夏祭り…』
髙瀬、私が守るよ。
自信なんて、そんなのないけど。
好きだから。
私の初恋だから。
そんなこと、本人に言えるわけないのに、
いっそ、髙瀬に言いたいな。
死んじゃうの！だから、行かないでって。
言えたら、楽なのにな…
考えるほどに、感じてしまう。
でも、私がそばにいたら、
みんながそばにいたら
どこかに行かなくても、すむんじゃない？
『ばかだな…、私。あきらめてんじゃないわよ、』
そう願った矢先に、
あんなことを言われるなんて、
思ってもなかったよ…

9月2日　ー水族館ー
(ピンポーンピンポーン)
『はーい。え、髙瀬どうしたの？！』

『あ、滝島。今日あいてる？』

『う、うん。…どうしてうちがわかったの？』

『深山さんに聞いた。』

『そっか。準備してくるからちょっとまってて！』

『うん。』
(バタンッ)
なんで…なんで、髙瀬が…。

『お待たせ。』

『うん。』

『あ、あのさ、どうしたの？今日、』

『ふたりで出かけるの。』

『えー？！なんで！』

『言ったでしょ？滝島のこと、教えてほしいって。』

『え…うん。』

『それで、一緒にさ、水族館行きたくて。』

『いいけど…、でもなんで水族館？』

『好きなんでしょ？水族館。』

『うん、好きだよ。水族館』

うれしかったんだ。私のことを、知ってくれようとしてくれるなんて。
この日は、一生、忘れないと思う。

4月5日　ー最悪ー
ピピピ　ピピピ
『っ……、朝だ。え…、』
　
『希咲ー!朝よ。』

『なんで、、仕事…は?』

『いまからよ。あ、渡し忘れる前に、誕生日おめでとう!』

『プレゼント…?くれなかったじゃん…』

『毎年あげてるわよ?!』

『うそだ…よ』

『どうしたの変な夢見たの?』

未来が変わってる。なんでだろう私は夢を見てるの?そんなことない…、だって私は死んだんだから。　
髙瀬頼…その人に会えば、私の未来が変わる。
まだ会ってもないのにどうしてだろう…

8月8日　ー助けるからー
来週のこの日はどうなるなんだろう。
髙瀬は、どうなってんだろう…
髙瀬を助けたいな。
『滝島希咲さん。あなたなら、大丈夫だと思いますよ。』

『え…。志口さん?!』

『そうです。』

『なんで、、未来がわかるの？』　

『わかりませんよ。滝島希咲さんの未来は、変わるとだけしかわかりません。』

『じゃあ、なんで、髙瀬が死んじゃうってことがわかるんですか？』　

『その方とお約束して、秘密なんです。』

『その方？…』

『はい。』
気になってしかたない。一体、誰なんだろう…その方って、

6月24日　ー認めたくないー
『んふふふ。』

『何笑ってんの?希咲。』

『えっ!あ、えっと…』

『さては、恋でもした?』

『えー!?そ、そんなことないよ!』

『まさか、髙瀬に…!?』

『っ……、ちがうちがう!』

『かくすなって!笑』

『すきかは、わかんないけど。この間ね、傘、入れてもらったんだ。その時ね、』

『えーーーー!?聞いてないよ、そんなこと!?』

『……、その時ね、どきどきしたの。』

『恋じゃん。』

『そんなことないよ!恋なんて、してない。』

わかっているから。本当は、、髙瀬になんて、恋しても。
意味ない。だって、私はただ。
髙瀬に…、
未来を変えてもらうために、
戻ってきだだけなのに。
……、認めたくないなぁ、髙瀬のこと“すき”ってことを。

8月15日
【後編】
『俺が死んだのは…中3のとき。』

『え。』

『交差点で、ブレーキがきかなかったトラックにはねられて死んだ。』

『今日の…事故で…。』

『でも、嬉しかった。死んでさ、』

『え…』

『彼女に、会えると思ったから。』

『彼女？』

『夏菜は、中2で、事故にあって死んだんだ。2年後のお前と同じ、死んだ日に！』

『え…、うそ…』

『俺の過去は、これだ。』

『……』

『俺は、あの場所に行く。諒雅たちには、帰ったって、伝えといて。じゃあ、』
パシッ(腕を掴む)
『……だめ、行っちゃ…』

『は？はなせよ！』

『行かないで！』

『お前には、わかんねーよ！大切な人が死ぬ気持ちなんて！』

『わかんないよ！でも、髙瀬には、死んでほしくない！』

『はなせって、俺は、夏菜に会いに行くんだ！だから、はなせって！』

『やだ！私は、髙瀬に死んでほしくない！』

『なんでだよ！』

『髙瀬のことが…、頼のことが、好きだからだよ！』
バーンッ(花火)
『え、』

『好きだからだよ！大好きだからだよ！』

『滝島…』

『やだー！行かないでー!(泣く)』

『っ…、わかったよ…』

8月10日　ー買い物ー
『ねぇ、希咲』
　
『ん？』

『土曜日さ、一緒に買い物行かない？』

『え！』

『浴衣とかそういうの買いに行こう』

『いいね！』

『時間とかは、LINEで伝えるね。』

『うん。』

そうだよ。今週は、夏祭りに行くんだ…
夏祭りは楽しみたいけど、髙瀬を
守るために、がんばろう。

7月30日　ー思い出ー
─2年前　
『あ、頼！見てよ！これ！』

『ん？』

『綺麗な夜空のネックレスだ。欲しいなぁ…』

『買ってやろうか？それ。少し早い誕生日プレゼントで』　

『え、いいの？』

『うん。』

『やったー！』



『頼。』

『なに？』

『ありがとね いつも私のわがまま聞いてくれて』

『別に。夏菜(かな)は、俺の彼女だから。たくさんこれからもわがまま言いなよ。』

『っ。大好きだよ、頼』

『な、何言ってんだよ！照』

『あ、照れてる…！』

『うるさい。』

『私のいちばんの彼氏だよ。ボソッ』

『ん？』

『なんでもない』
夏菜、大好きだったよ。きみのそういうところが、