人間は哀しくなると
津軽海峡を渡りたくなるんだ
そうだよね
本州から離れたくなるんだね
海流に哀しみを
洗い流して
海底の更にその下の
何も見えない場所で
哀しみを胸に
龍飛埼を見送って
列車の走る音が
トンネルに響く音を聞いて
吹雪に涙を
拭ってもらって
車両の揺れを
子守唄のように聞いて
何か話がかみ合わないけど
連絡船に乗っているよね
トワイライトで
青函トンネルを
潜っているよ
同じ夕焼けを・2026-02-02 #ふたりは妖精ランチパック
冷たくて清々しくて
目がさえる匂いだね
いつもあるようで
だけど懐かしい匂いだね
嗅ごうとすると消えて
消えたと思うと
また匂ってくる
その正体が
どこにあるのか
みんな知っていて
でも本当は分からなくて
分かろうとするほど
その匂いは逃げて行く
逃げたと諦めると
また舞い戻ってくる
正直者なようで
天邪鬼な匂い
でもこの匂いがあるから
冬も淋しくない
冷たいのに温かい
雪の匂いって
不思議だね
同じ夕焼けを・2026-01-31 #ふたりは妖精ランチパック
雲ひとつない青空なのに
なぜか麗らかじゃないよ
抜けるような青空だけど
どこか昏さを感じるね
明るさよりも
冷たさを感じるね
重量感がある
そんな表現が合うね
もしかして
空が落ちてくるとか
そんなことにはならない
でもそんなことを
思わせる青だね
なんか太陽の光も
鈍く観じるね
太陽がいつもより
遠くにある感じだよ
もしかして太陽が
地球から遠ざかっているの
人間が地球の環境を
壊しているのが
居たたまれないのかな
もう太陽は地球や人間を
見捨ててしまったの
そんなことはないよ
明日は明日の太陽が照るよ
同じ夕焼けを・2026-01-21 #ふたりは妖精ランチパック
海が荒れているよ
絶え間ない波が
岸壁で砕けているよ
海だけじゃないよ
空も荒れているよ
黒い雲が勢い良く流れて
山にぶつかっているね
風の音がすさまじいよ
鳴り止むことを知らないよ
冬の日本海は
エネルギーに満ちているね
それでいて
こころを凍らせられるね
だけどその厳しさに
立ち向かっていると
苦しみや哀しみが
飛んでいくようだね
飛んで言った苦しみや哀しみは
どこへ行ったのかな
雪になって降り積もり
春の温もりに癒されて
消えてしまうんだね
同じ夕焼けを・2026-01-26 #ふたりは妖精ランチパック
もしも雪が
青色だったら
どんなだろうね
大地と大空の
区別がつかないね
もしも雪が
赤色だったら
どんなだろうね
太陽が怖れをなして
昇って来ないね
もしも雪が
緑色だったら
どんなだろうね
季節が夏と勘違いして
秋が来るかもね
もしも雪が
黄色だったら
どんなだろうね
砂漠と間違えて
ラクダが闊歩するかもね
もしも雪が
金色だったら
どんなだろうね
人間が血眼になって
取り合いするんだね
同じ夕焼けを・2026-02-05 #ふたりは妖精ランチパック
息が真っ白だよ
まるで湯気みたい
まぁ湯気の仲間だね
なんか機関車になった
気分がするね
吐く息が見えるなんて
これも冬の力だね
白い息って
元気な証拠だね
元気のない人は
何色の息を吐くの
青息吐息と云って
青い息を吐くんだよ
青はキレイなのに
息が青いと
なんだかゾッとするね
でもこの場合の青は
青なのか緑なのか
人間は器用に
使い分けるから
分からないね
青信号に青葉
これは緑だよね
もしかしたら青春も
本当は緑色だったりして
春といえば
緑が生まれるから
そうなのかもね
同じ夕焼けを・2026-02-08 #ふたりは妖精ランチパック
今日の風は
一段と寒いよ
よく晴れているのに
風がとてもつめたいね
雪がチラついている方が
暖かくない
言われてみれば
そうかもしれない
寒すぎるから
雪が降らないのかな
雪が降らないから
寒いのかもね
いずれにしても
青い寒さは堪えるね
寒いと顔が青くなるのは
空の色に染められるからかな
じゃあ白いと
温もりを感じるのはなぜ
お布団の綿を
連想するからかな
同じ夕焼けを・2026-02-12 #ふたりは妖精ランチパック
枯れたススキが
そのままの姿で
立ち尽くしているね
枯れ尾花と云うね
でも冬の寒さを
感じさせてわびしいね
尾花は活け花にも使うし
馴染みがあるだけに
淋しく感じるね
昔の人は枯れたススキを
生活に利用していたんだ
何に使っていたのかな
焚きつけの燃料や
堆肥なんかにしていたんだ
オォさすがは人間
枯れ草まで使わないと
気が済まないんだ
そのおかげで
枯れ草は刈り取られて
新芽の成長を助けたんだ
人間は自然と共に
生活していたんだね
だけど今では
邪魔者扱いしているね
人間の醜いこころを
枯れ尾花が映しているんだね
同じ夕焼けを・2026-02-11 #ふたりは妖精ランチパック
北風小僧の寒太郎のこと
人間たちは知っているらしいよ
なんであの風来坊を
人間が知っているのかな
ワタシたちなんて
おいしいパンを作るのに
人間に協力しているのに
寒太郎は多くの人間が嫌う
冬を連れてくるだけなのに
もしかして人間に
何か頼まれているのかも
分かったよ
スキー場に雪を
降らせてあげているんだ
そんな利害が
一致したんだね
せっせとパンを焼いている
ボクたちが小さく見えるよ
だけどパンは
毎日人を笑顔にするよ
雪もスゴいけど
パンも偉大だね
だからワタシたちは
風来坊になってはいけないね
ある時期だけパンが
食べられるなんて
人間が聞いたら怒るよね
同じ夕焼けを・2026-02-11 #ふたりは妖精ランチパック
1月のことを睦月と呼ぶけど
どういう意味だろうね
お正月に家族や親戚が集まって
仲良く過ごすからと
言われているんだね
そんな楽しい意味が
込められていたんだね
1月は1年の始まりだから
楽しく過ごすのが良いね
でもお正月も
働いている人もいるよ
みんなが仲良く過ごすのも
誰かが支えていないと
いけないんだね
その人たちには
1月は楽しくないのかな
休んでいる人が
うらやましいんだろうね
じゃあその人たちにも
感謝しないといけないね
だから睦という漢字には
敬うという意味もあるんだね
同じ夕焼けを・2026-01-29 #ふたりは妖精ランチパック
いつもの冬空なのに
いつもと違って見えるよ
同じ青色なのに
いつもよりキレイだよ
冷たい風が
体に心地良いね
寒さは感じないよ
爽快感で満たされているよ
散々歩き回って
疲れているはずなのに
こんなにも気分が良くて
希望にあふれて
呼吸は乱れているけど
全く苦しくなくて
やるべきことを遂げた充実感が
こころを癒すよ
疲れ果てた瞳には
何もかもキレイに
映るものなの
疲れで感情が鎮まって
本来の美しさが
映っているんだね
同じ夕焼けを・2026-02-04 #ふたりは妖精ランチパック
ウワァよく伸びるね
天井まで届きそうだよ
本当によく伸びるよ
空まで伸びるかな
でもお餅って
不思議だね
冷たいと固いのに
温めると柔らかくなって
きなこまぶしたり
醤油塗ったり
汁に入れたり
あんこを包んだり
丸めてお供えにして
大切に扱ったり
パ
この白い色が
お正月に似合うね
でも人間は嫉妬したりすると
焼き餅を焼くと云うけど
焼いた餅を焼いたらどうなるの
せっかくの軟らかい餅が
固くなって
おかきになるんだよ
じゃあ嫉妬すると
こころがゴツゴツに
なってしまうんだ
同じ夕焼けを・2026-02-06 #ふたりは妖精ランチパック
たくさんの柿の実が
吊しあげにされているよ
そう表現すると
穏やかじゃないね
なんで柿を干しているの
そのまま食べれば良いのに
柿だけではないよ
大根や椎茸も干すよ
干したら美味しくなるのかな
シワシワで味がなくなりそうだよ
干すことで腐りにくくするんだ
貴重な食べ物を
無駄にしない人間の知恵だね
じゃああの柿の実は
おしおきではなくて
大事にされているんだね
いつもいつでも食べられるよう
人間が考え出したのさ
人間も干されることがあると
聞いたことがあるけど
もっと素敵な人間にするためなの
むしろ人間を干すのは
その人に対する嫌がらせだね
食べたくない人を干すんね
同じ夕焼けを・2026-01-24 #ふたりは妖精ランチパック