#りすとかっと

腕を切っても死ねない。
傷が残るだけ。
だから大事な体に傷はつけないで…
（こんな事言われても心に傷があるから
辞められない。そんな事言うなら
私の話を聞いて…。）
って思ってる人居るよね。
私で良ければ話聞くよ！

自分を傷つける事が
罪なのなら
悪なのなら
平気で人を傷つける
貴方は
正義なんですか

新しく出来た友達に
紹介してもらった女の子がいた。

その子は背が高くて、
女子力が高くて、
いい匂いがして、
笑顔が可愛くて、
真っ直ぐに推しを見る子だった。

友達が私と、
女の子の手を取って
トイレいって髪結い直そ！
と言って来た。ちょうどいい。
私も直したいと思っていたので
ついて行くことにした。

トイレには私と友達と女の子
の三人だけ。
おもむろに女の子は袖をまくり
腕を出した。

その腕には
いくつもの傷がついていた。

私には訳が分からなかった。
いや、リストカットと
いうことだけは分かる。

だが判断が出来なかった。
目の前で何が起きているのか。

そこで友達と
女の子は切り出した。

あんた鉛筆削りで
どんだけ怪我すんのー？

だってママが投げてくるんだもん

えーママ優しいじゃん？

優しいけどさー

と。それならばいいとおもった。

いやよくは無い。
聞き捨てならない
言葉も含まれている。

……でも待てよ。

じゃあなぜ腕の内側に
傷ははっきりと
着いているのだろうか。
なぜ角度や深さ、長さは
似ているのだろうか。

すると友達が女の子に近ずき
何かを喋っていた。

なにか聞かない方がいい。

私は何も言えなかった。

痛そうとも、大丈夫とも、

何も言えなかった。

ただ、これだけはわかった。

彼女がどれだけ傷ついたとしても
笑顔を絶やさないように
しているということ。

ただそれだけ。

私はハブるつもりはないし、
言いふらすつもりもない。

なんでか分かってしまったから。

あの傷からごぽごぽと、
まるで血のように。

あの子の痛みが悲しみが
辛さが弱さが。

目を瞑りたくなるほど。
泣きたくなるほど。

掬って飲んだかのように
喉を伝って胃に落ちて来る。

そんな気がしたから。

君のせいで身も心もズタボロだけど、2人の空間が好きで…でも、君にはそんな思いが届かなくて…腕に痛みが感じられなくなっちゃった