#テレビ

テレビもない…

ラジオもない。

ねるねるねるねも

それほど

練られてない…



だから私は

こんな街

イヤなのだ。

6月が終われば
7月がやってくる

選ばれる者
選ばられない者

報道は益々忙しくなる

ネルネ省の調査で

小中学生の

練る能力が

低下傾向にあるという

ことが分かったのだ。

そこであの魔女は

自らテレビCMに出演して

啓蒙活動を

おこなった。

あなたも

あの魔女の姿を

テレビで見たことが

あるかもしれない。

クララが立ったのを

テレビで見ていたとき

僕はねるねるねるねを

練っていた。

ねるねる博士は

色の信頼回復のため

自らテレビ番組に出演し

視聴者から

熱狂的な

支持を集めた。

あの魔女は

その様子を

冷ややかに

眺めていたが…

なにか思いついたのだろうか

ニヤリと笑って

うなずいた。

スティーブン・セガールという

俳優が

ねるねるねるねを

練るのを

私たちは

午後9時から

テレビで

見ていた。

むかし「扉の先」という作品がテレビで放映されて、その内容が印象に残っている。

あの頃は、あの魔女もまだ現役で、テレビに出演していた。

「ねるねるねるねは
このあとすぐ!!」

25年以上待っても

上映会は

始まらない。

私は今でも

待ち続けている。

このCMが終わって

あの魔女の物語が

始まるのを。

ねるねるねるねもあの魔女も、実在はしない。
あなただって、本物のねるねるねるねも、あの魔女の姿も、テレビでしか見たことがないはずだ。
ねるねるねるねもあの魔女も、実在はしない。
それでも、あなたの記憶の中に、たしかに存在はするのだ。

昔テレビで見た、世にも奇妙な物語の「扉の先」という話…

扉の先にあの魔女がいるという嘘をついた主人公は結局、悲惨な運命を辿ったのだ。

下校時刻…

帰宅部だった僕は

帰ってお菓子（ねるねるねるね）を

食べながら

テレビを観ることしか

やることが

なかった。

それでも

帰る途中

帰宅部の仲間と一緒に

あの魔女の事を語ったりして

公民館の庭で

無駄な時間を

過ごした。

しかし

あれが僕の

青春だったのだ。

子供の時
ブラウン管のテレビで
魔女を見た。

無論
ニセモノに
決まっている。

ニセモノであってほしいと
当時の私は
―今の私も
思っていたのだ。

私が小学5年生だったころ‥．

ポケモンのカードゲームが流行っていた。

紙のカードに、ポケモンのイラストが描かれていて、それを集めるのが、子供たちの遊びだった。

そしてあの魔女は、テレビというメディアで、私たち子供に対する絶対的な支配力を、持っていた。

紅白歌合戦を見ても

誰なのか

知らない人ばかりで

分からないのだ。

僕のテレビの記憶は

20年以上前の

ねるねるねるねの魔女が

テレビに出演していた時代で

止まっているのだ。

YouTube の Tube とは、日本語で「管（くだ）」のことである。

そして、テレビは、昔はブラウン管だった。

だから、アメリカでは、テレビのことをTubeというのだそうだ。

ーーー

かつて

あの魔女は

テレビに出演して

その名を

世間に

知らしめた。

YouTubeを

見ている

あなたは

必然的に

あの魔女の

影響を

受けていると

いうことに

なって

しまうのだ。