私の吹部の去年の顧問は
あまり強い先生ではなかった。
でも吹部のことは本当に大好きな
いい先生だなって思ってた。
今までは5年連続で代表取ってた
うちの学校が
去年は県大会ダメ金で終わった。
いい先生ではあるけど
この先生ではこの先勝てないんじゃないか
と皆薄々思い始め
私も1度も思ったことが無いと言ったら
嘘になる。
そしてその先生は早くも移動となり
予想より早く
先生と別れが来てしまった。
その先生は本当にいい先生だったから
私は凄く悲しかった。
そして次の顧問に
結構強い先生が来た。
「吹部に希望が見えた!」
「今回は勝てるかもしれんね!」
などと嬉しそうにする人も沢山いて
私は何だか寂しかった。
ついさっき、
私は今までの色んなコンクールの結果を
さらっと見ていたら
目を疑うことが書いてあった。
「県大会 〇〇中学校 金賞代表
指揮者:(元顧問)」
「北陸大会 〇〇中学校 金賞代表
指揮者:(元顧問)」
他の色々な学校でも
元顧問は代表をとっていた。
「なんだ、この先生強いんじゃん…」
そう思うと無性に悔しかった。
勝てないのを心のどこかで先生のせいに
してしまっていた自分が。
情けなかった。
先生が移動になって希望が見えたとかって
喜んでた先輩が。
先生は何も悪くなかった。
悪いのは演奏した先輩達だった。
勝てなかったのは
全く先生のせいじゃなかった。
全部演奏者のせいだった。
元顧問が選んでくれた自由曲
一緒にコンクールで吹くことは
もう出来ない。
一緒に演奏したかった。
先生の指揮で
コンクール
出てみたかった。
でもそれはもう叶わない。
叶わないからこそ
新しく決まった自由曲
「ラッキードラゴン」
この曲を
私は先生の為に吹きます。
吹奏楽祭やコンクールで
また会う日はきっと来る。
その時に
先生がびっくりする位
上手くなってるように
頑張るから
だからどうか
私達の演奏
聴いて下さい。
そして
コンクールでは
先生への謝罪も
感謝も
全部ひっくるめて
演奏する。
そして必ず
今度は私達が
勝ちに行きます。