かほ・2022-04-16
叶わぬ夢
捨てて
身を委ねる
叶わぬ夢と
人が笑う
想い描く未来は
現実と乖離して
心貧しくて
この身を捨てて
噂が街に流れ
行き場をなくし
それでもまだ
夢見てる
かほ
『あいつが好き』
「君が好き」
叶わぬ夢も
馬鹿げた理想も
どちらもお互い様じゃない
一度でいいから
広い世界に向かって
叫びたい
もう苦しまないように
恐怖すらも愛せるような
そんな人間になりたいと
君に恋した
初めて本当の愛を知った
君と僕の叶わぬ夢物語
夢の中でもいいから
あなたに会いたい
ギュッてしたい
生活が一変して約2年半
後輩が増えた
いつの間にか
学校生活の「普通」を知っている
中学生は私達だけになった
そんな私達の中でも
「普通」が霞み始めている
沢山の行事、大好きな人達との時間
今もやっぱり返して欲しいと夢見てる
大切に抱えてた砂誇り
叶わぬと折られた瞬間
其処へ置いてきた軽さ
彼
「お家が隣だったら良かったのにな」
私
『それだったら毎日遊んでると思うよ』
彼
「毎日? ゲームしてるかな」
私
「出来るんだったら何でもしたかった」
彼
「僕も。それだったら良かったのに……」
はい、照れた
叶わぬ夢だからこそ言い合える
叶わないからこそ苦しくなる
好きなのにそこには複雑な愛がある
妄想しちゃうのに つい照れちゃう
誰も知らぬ世界線を学校でも考えちゃう
両想いなのに友達以上恋人未満なの
.
性と言う名の鳥籠シリーズ
MIRROR´MIRROR~スキナヒト
第7話 迷子のこねこ
「どこだよっ、脩哉んち!」
担任から預かった地図と
課題のプリントを片手に
俺は声を上げた。
閑静な住宅街に
低い声が大きく響き渡る。
担任の書いた地図が悪いのか
はたまた俺が方向音痴なのか
完全に迷ってしまった様だ。
小さくため息をつくと
俺は辺りを見回した。
夕闇に染まる家々
無数の街の灯が眩しい。
この灯りひとつひとつに
家族の物語があるというのだから
人生というヤツは不思議だ。
俺もいつか
結婚……するんだろうか。
好きでもない人と。
興味もない女と。
そして脩哉以外と
身体を重ねるのだろうか。
一生嘘をつき続けて…。
はぁ
今度は声にあげたほど
大きなため息が漏れ出す。
考えれば考えるほど
奈落へと真っ逆さま。
いつもはこんなに
ネガティブじゃないのに
調子が狂いっぱなし。
理由はわかってる。
脩哉が俺の側に
いてくんないからだ。
「脩哉の、馬鹿野郎」
知らず知らずに、呟いたその時だ。
「脩哉…?あなたシュウのお友達?」
背後から女性の声。
すぐさま、振り返ると
そこには身なりの整った
小柄で可愛い、20代後半程の
OL風の女性がいた。
「あ…えっと」
口ごもると彼女は
クスッと笑いこう告げる。
「あ、突然ごめんね。脩哉って聞こえたから。脩哉って高倉?」
「は、い」
多少、訝しげに見えただろうか。
彼女は襟を正すような素振りで
僅かながらかしこまって笑う。
「じゃあそれ、私の弟です」
「え、脩哉のお、姉さん」
脩哉と血を分けた姉弟。
その姿を今一度見つめる。
身なりは整っているが
決して着飾ってはいない。
メイクもナチュラルだ。
嫌味のない素朴な美人。
姉弟だというのに
ど派手で
目立ちたがり屋の脩哉とは
雲泥の差だ。
「私そんなに珍しい生き物?」
興味深そうに俺を
覗き込んだ彼女が
そう呟いてはじめて
俺は脩哉の姉ちゃんを
穴が空くほど
見つめてしまっていた事に
気がついた。
「あ、す、すいません!すげぇ見ちゃって」
「ううん大丈夫よ。それで、君はシュウのお友達?」
再びそう問われ、
“友達でいいんだよな”
今度は躊躇いながら答える。
「中学ん時から脩哉には世話んなって…矢野真央と言います」
「それはそれはご丁寧にどーも。もしかして、ウチを尋ねてきてくれたのかな?」
おどけて頭を下げ、彼女は笑った。
わずかな時間でも言葉を交わせば
彼女が明るく人当たりのいい
笑顔の似合う人なのだ、
という事がわかる。
こういうところは
脩哉そっくりだ。
自然と頬が緩んだ。
「…はい、今日脩哉、学校休んだから。でも脩哉んち来たことないから、場所わからないし、LINEも未読のままだし」
つらつらと拙い、不安だらけの
俺の言葉を拾い上げて
彼女は笑んだまま、眉を下げた。
「シュウね、熱出して家で寝てるの」
「熱…めずらし」
「そうなの、馬鹿は風邪ひかないなんて嘘だね」
彼女は白い歯を零して
ころころと笑うと
もう一言、俺に告げる。
「真央くんもウチにおいで」
「え、あの俺は」
ひとまず、脩哉が
どうして学校を休んだのか
いちばん知りたかった事が知れた。
担任からのプリントも
彼女に渡せば
脩哉の手元に届くだろう。
“帰ります”
そう言いかけたが
ほんのひと握りの差で
“脩哉と会いたい”
その気持ちが勝った。
「ありがとう」
俺が笑うと、彼女は
眉間の辺りに
人差し指を押し付けながら
「真央くん、君はここらへんに力入れて、むーーってしてるよりは、笑ってた方がずっと可愛いよ。ねこちゃんみたいだね」
そう、微笑んだ。
可愛い…。
脩哉のきまぐれと同じ。
夕方にもなれば
朝どんなに綺麗に剃ったところで
顎の辺りには髭が涌く。
こんな男を捕まえて
可愛い…。
しかもあの愛くるしい猫?
俺が?
「あ、男の子に可愛いなんて言っちゃいけないね」
「い、いえ、気にしなくて大丈夫…です」
うまく本音は紡げない。
でも、本当は
ちょっとした女の子扱いが
くすぐったかった。
幸せにしたかった。
ただそれだけだった...
届かぬ夢で有り
今は見えなくなった
そんな夢でも有った。
ひとりでは頑張れないよ...
Kenji 🦋✨
君と同じ学校なら
毎日が楽しいだろうなー
初恋はいつまでも
忘れることができない
淡い恋心と時代が過ぎ去り
色褪せることなく美化され
思い出の中に閉じ込められていく
もう二度と叶わぬ夢だと知っても
遊園地の乗り物で
1番好きな 観覧車
ゆっくり…ゆっくり…
時間を掛けて回る
1番高い位置からの
見晴らしは最高なので
アノ人と乗ってみたかった
叶う事の無い私の夢
“努力は報われる”
なんて無責任なこと、言わないでよ
あなたの瞳に映って
「うれしい」 「たのしい」 と言い合って
絵空に見てた儚い夢だ。
白い息を小さく吐いて
「寂しい」 「悲しい」 って
隣から私も言いたかったよ
そばにいてよ___。