SGR・2023-12-11
合唱曲
虹
合唱曲をふり返ろう
虹 /森山 直太朗
広がる空に 僕は今 思い馳せ
肌の温もりと 汚れたスニーカー
ただ雲は流れ
きらめく日々に 君はまた 指を立て
波のさざめきと うらぶれた言葉
遠い空を探した
喜びと悲しみの間に 束の間という時があり
色のない世界
不確かな物を壊れないように隠し持ってる
僕らの出会いを 誰かが別れと呼んだ
雨上がりの坂道
僕らの別れを 誰かが出会いと呼んだ
時は過ぎいつか
知らない街で 君のことを想っている
風になった日々の空白を
空々しい歌に乗せて
未来を目指した旅人は笑う
アスファルトに芽吹くヒナゲシのように
僕らの喜びを 誰かが悲しみと呼んだ
風に揺れるブランコ
僕らの悲しみを 誰かが喜びと呼んだ
明日へと続く不安げな空に
色鮮やかな虹か架かっている
僕らの出会いを 誰かが別れと呼んでも
イタズラ
徒に時は流れていった 君と僕に光を残して
親知らず子知らず / 岩河三郎
アリソ
荒磯の 岩陰に
こけむした地蔵が
かすむ沖を じっと見つめている
子を呼ぶ母の 子を呼ぶ母の
叫びが聞こえぬか
母を呼ぶ子の 母を呼ぶ子の
すすり泣きが聞こえぬか
子を呼ぶ母の 子を呼ぶ母の
叫びが聞こえぬか
母を呼ぶ子の 母を呼ぶ子の
すすり泣きが聞こえぬか
旅に病む父親の元へと 心を急がせた母と子に
ドトウ
ほくめいの怒涛が グワッとツメを立て
次々に 次々に
二つの悲しき命を 奪い去ったという
怒涛は何を怒ったか その怒りをなにゆえに
かなしき母と子に向けたか
子を呼ぶ母の 子を呼ぶ母の
叫びが聞こえぬか
母を呼ぶ子の 母を呼ぶ子の
すすり泣きが聞こえぬか
かなしき人を さらに悲しみで
追い打ちするを人生というか
悲劇に向かって 悲劇に向かって
挑む者を 挑む者を
ああ 運命の神は憎むか
かもめは 鳴きつつ 飛び交い
海を潜り波を滑る かもめの歌のかなしさよ
じっと見つめる こけむした地蔵も
夕暮れる
親知らず子知らずの 沖もぼうぼう
夕暮れる
夕暮れる