ー 綺麗な夜 ー
春の夜。暑くも寒くもない心地よい夜。
窓から空を眺める。夜空を眺めるとあの日の記憶が思い出される。
ある春の日、家から近い公園に行った。
公園とゆうのに滑り台も砂場もない。ベンチがぽつぽつとある。あとブランコが1つ。なぜ1つか今でも不思議。
だからなのか、毎回誰もおらず静かで落ち着ける場所。いつもは空を眺めたりボーッとしている。
でも今日は目的があって来た。夜桜を見に。
タイミングが悪いのかベンチには先客がいた。
うーん、どうしよう。せっかく来たけれど1人の気分だったから今日は諦めようか。先客さんも1人の方が心地よいだろう。
そう思いベンチを背にした。
すると、
『帰るのか?』
後ろから聞こえてきた声。振り返ると私と同い年くらいの男の子がこっちを向いてる。
『桜、見に来たんじゃねーの?』
まさか話しかけられるとは思っわなかった。
私から出た言葉は
「うん。」
これだけ。
『せっかくだし見て帰れば。』
「良いの?」
『許可なんていちいちいるか?それともここは許可制なのか?』
確かに許可なんていらない。
1人で見ようと思っていた気持ちはいつのまにか消えていた。
「それじゃあ、お邪魔します。」
『どーぞ。』
桜の木の近くまで行くと、ちょうど良いくらいにライトが桜を照らしていた。
夜桜を見るのもこんなに綺麗な桜を見るのも初めてだ。
「きれい…。」
自然と声に出た。
『ああ、ほんとに。』
彼はいつのまにかベンチから立っていた。
風が吹くと花弁がひらひらと宙を舞う。
横を見ると彼は上を向いて桜を眺めていた。
その横顔はとても綺麗だった。
あの日から1度も会っていない。
名前も何も知らない君。
また会えるでしょうか。
ー 完 ー
桃園 桜音羽・2020-04-08 #小説 #創作 #完結 #夜桜 #暇つぶしにでも読んでみてください #あー #下手 #題名のセンスない #桃園文庫