はじめる

#完結編

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全8作品・

【性と言う名の鳥籠】
あかね編⑤~あかね目線㊦

-Last episode-



「ま、ま、って、あかね、も、走れな…」



無我夢中で駆け抜け


校舎裏まで来た時


私は結奈の声で我に返った。




元といっても陸上部。


普段から運動不足な結奈に


私の全力疾走はきつかったようだ。



「ご、ごめんっ」


足を止めると同時に私は


結奈の腕を掴んでいた手を


離そうと力を緩めた。



すると結奈は乱れた息を整えながら


私の手を握り直す。



「私……っ、手まで、離してなんて、言ってな…いよっ」

「ご、ごめん」


勢いで結奈の細い手のひらが

折れそうなほど握り返したけれど


この状況を

まだ私は理解出来ていなかった。



結奈は泣いていた。


ぼろぼろ涙を零して泣いていた。


「ゆ、結奈…どうして泣くんだよ」


「だって、悔しい……っ」


袖で一生懸命


涙を拭いながら


結奈は告げる。



「あかねの事まで馬鹿にされたっ、あかねは何にも悪くないのに。あかねは普通に男の子なのにっ」


やっぱり夢じゃない。


私が男だって、結奈はそう言ってる。



「結奈…いつから……?」


「え…?」


「いつから私のこと男だって…」



結奈は涙を拭いきると

うつむき加減で呟いた。


「…少し前、踊り場で。あかねと鈴木くんが話してたの、偶然聞いちゃったんだ」


「それ、ずいぶん…前じゃん」


「うん、黙っててごめんね」


頭を下げて謝る結奈に


私は首を振った。



結奈は、やっぱり知ってたんだ。


ひた隠しにしてきた私の性の悩みを


知っていて、黙っていてくれて


見守ってくれていた。


その上、私に


笑顔を向けてくれてたんだ。






涙が抑えられない。


お前、男なんだから泣くな


そう自分に戒めても無理だ。



結奈はこんなにも優しい。


どうしよう


溢れ出したら涙が止まらない。


かっこわるくて仕方ない。



「え、ごめ!ほんとごめんね、あかね…泣かないで」

「違う、違うよ……謝らなくて、いい」



そう言いながら私は


すぐさま涙を隠そうと


腕でガードしたけれど


結奈はこじ開けようと


私の腕に手をかける。



「ちょ、やめてよ…泣いてるからっ」


「私だって泣いたじゃんー…私の涙見たのにずるいー、あかねは泣いてるとこ見られるの嫌なの?」


「ふ、普通に……嫌だよっ、恥ずかしいっ」


「んー…じゃあ、えぃ」



結奈は私の気持ちを汲むと


今度は私の身体を抱き締めた。


そして、こどもをあやす様に


「よしよし、大丈夫だよー」


と、優しい声をあげる。



「やめっ、誰かに見られたらっ」


突き放そうにも


結奈の力は意外にも強い。


じたばたと暴れ始めた私に


結奈は言った。



「私は……気にならないよー…?」



傍から見たら「女同士」


女同士で抱き合う事に


なんの躊躇いもないなんて。


冷静に状況を読む頭とは裏腹に


心は安らいでいく。



夢にまで見た、


全身を包む結奈の温もりだ。



ずっと包まれたいと思っていた。



ドキドキして


興奮して


何より落ち着いた…。



ぐずっと鼻をすすって


私は結奈に語りかける。




「結奈……私のこと…どう思ってたの?」


「うん?どゆこと?」


これじゃあ駄目か。


結奈の頭上に

クエッションマークが


並んで見えた。



結奈には直球でないと伝わらない。



「私が男って、知った時どう思った……?」


「私、調べたよいっぱい、でも私、馬鹿だから全然分かんなかった」


ちゃっかり背中に回した手のひらが感じる。


結奈の笑顔。



「でもね」


結奈は続けた。



「ずっと私を守ってくれたあかねは女の子じゃなくて男の子なんだ、って思ったら、好きにならないわけないよねー」


「好きって…恋愛感情?」


「そーだよ、でもあかねは違うんだよね…」


「…は?」


そんなわけない。


私を抱き締めていた結奈を

引き離して見つめ合う。



結奈は、あの時の


泣き出しそうな顔をしてた。


【私が結奈を思う好きと、結奈が私を思う好きは違うよ】

私がそう告げた時の…。



「あ……」


ようやく、合点がいく。


同じ気持ちだったのに

私が捻くれて結奈の想いを否定したんだ。



結奈は潤んだ視線を


一心に私に注ぎながら伝えた。



「だからあたしね…っ、あかねに好きになってもらえるように頑張ることにしたっ!だからね、もしうざかったりしたら遠慮なく言…」



結奈は、前向きだ。


私の勘違いで、傷つけたのに


好きになってもらうことを諦めない。




それに比べて私は…


俺は、意気地無しだ。



しっかりしろ


男だろ


女の子に言わせて


どうすんだよ



私は心の中の自分の頬を張り、


結奈を勢いに任せて


きつく抱き締めた。



「あ…かね?」


「ちがうんだ、結奈…。わた……俺はっ、男として結奈が好きだ」




張り裂けそうな心臓。



足の先から頭のてっぺんまで

身体中に通う血液が

蒸発するような熱さを感じた。




結奈は私の一世一代の告白に、笑う。




「何で…笑う?何かまずかった?」



不安になって腕の中の結奈に尋ねた。


結奈は小さく首を振って、囁く。



「あかねの、俺、初めて聞いた」


「変、かな?」


「ううん、かっこよくて、心臓ぴょーんって跳ねた!」



…可愛くて、たまんない。



私は今まで我慢を重ねた分


ありったけの想いを込めて


「好きだよ結奈」


更に結奈を抱き締める。



「えへへ、私もあかね大好き」


くぐもる様な結奈の声。


柔らかい体を肌で感じた。



やっと報われた想い。

なんて幸せなんだろう。


余韻に浸る。


そこに言葉なんか必要なかった。



ただ、愛しくて抱き締めれば


きゅっと可愛く抱き返してくれた。


愛しさが吐いて捨てるほど


湧き上がってくる。




「ねえ、あかね」


ふいに、結奈が名を呼ぶ。


「…ん?」


「あかねが男の子でよかった」


「身体は…女だよ」


そう苦笑すると


結奈は私の腕の中で


んーーー、と長く唸ったあとで


「あ、ほらほらあれだよ」


こう言葉にした。




「一粒でニ度美味しー男!」

「なんだ、それ」


私は、噴き出して笑った。



常にポジティブな結奈の前では


私が長い間、悩んできた、


「鳥籠」のような性は通用しない。


あんなに悩んできたのに


結奈の想いに触れたら


そんな自分が


馬鹿馬鹿しくさえ思える。




「最初からあかねにしとくんだったー。高校生活ちょっと無駄にしたー」




そう言って口を尖らせる結奈は


きっと「俺」を好きになった。


心を好きになってくれた。





トランスセクシュアルの俺たちは


「鳥籠」の中でいつも悩んでる。



世間一般の、常識に。


男と女の在り方に。


理想の自分の姿に。


一致しない心と身体に。



死にたいくらいの願望が


今の「自分」を


ありのままの自分を


認めさせてくれない。



だけど、


生まれ持ったものは仕方がない。



きっと多数派の女の子が


もう少し胸が欲しいとか


きっと多数派の男の子が


もう少し身長が欲しいのと同じこと。



俺はたまたま心と体が


チグハグだっただけなんだ。




でも俺は結奈のおかげで気がついた。



鳥籠を抜け出してみたら


そこに居るのは


みんな何も変わらない


ただの「ひと」なんだ。



結奈はきっと


「俺」を好きになった。


心を好きになった。


「俺」という一人の人間を


好きになってくれた。





自信を持とう。


両親にも友達にも


いつか胸を張って


「俺」は男です


そう言えるように


今は強くなろうか。




この先ずっと


結奈を守っていけるように


でかい男になろう。




だから、今、


一歩前へ


自力で進む。



「結奈」


私は腕の中にいた結奈を


ゆっくりと引き離して


結奈を見つめ、言った。





「俺と、付き合ってくれないか?」



結奈は


「やった!」


にっこりと微笑んで


頬に小さなKissをくれた。




積極的な結奈に


俺はたじろいでそっぽを向いた。



今日は本当に天気がいい。



校舎裏から見た四角い空は


俺の心と同じ、晴天だ。






お・し・ま・い♪






あかね編も終了です。



後日談などありますが


短くなると思うので


一応これで締めくくり。


長い間、性と言う名の鳥籠を


読んでくださった方


ありがとうございました



虎太郎もあかねも


これからも色々な壁にぶち当たって


その度に悩んで泣いて


辛くて、苦しい


そんな想いも沢山あるでしょう。



でもそこには紗季や結奈がいるから


立ち上がり挑み、乗り越えて


幸せだねって笑えるはずです。



虎太郎編の最終話の時も書いたので


ここでは多くは語りませんが


俺の伝えたかった事が


皆さんの心の中に


少しでも届いたら


俺はそれだけで幸せです


(*´ω`*)



幸介

ひとひら☘☽・2020-02-05
幸介
幸介/性と言う名の鳥籠
幸介による小さな物語
時間
本当の自分
あなたと私の物語
小説
物語
大好き
FTM
mtf
GID
男の子になりたい女の子
女の子になりたい男の子
告白
不登校
学生
青春
高校生
高校生活
放課後
雑誌
可愛い
笑顔
独り言
ポエム
心臓、跳ねた
完結編
未来の恋の行方
自分

【ForGetMe~クロとユキ~杉浦の章*最終話・生涯バディ】



「……ん」


微かな掠れ声を耳にした。


その声は紛れなく


愛しい六花のものだ。




「六花……?」



六花の顔を見遣れば


六花の目はうっすらと開き


一筋の涙で枕を濡らしていた。




「六花、六花…?わかるか?」


緑色の酸素マスクの中で


六花の唇が紡ぐ、俺の名。




「ゆ、き……」


僅かな微笑に


涙が零れた




「六花……っ」



俺はナースコールを懸命に押しながら


六花の手のひらをしっかりと握る。



もう二度と


その意識を手放さぬように


痛い程、その手を握り締めた。






「恐らくはもう、大丈夫でしょう。よく頑張りましたね」


六花の胸に聴診器を当てた主治医の


判断により酸素マスクが外される。




久しぶりに見る六花の頬には


マスクのバンドの跡が


くっきりと残っていた。



俺はくすぐるように


その痕をなぞる。



「痛く、ないか」


「ちょっと…でも、大丈夫……」



六花は痛みに歪めた眉を


僅かばかり朦朧としながら下げた。




「ねえ…友紀が助けてくれたの?」


「……クロと、一緒に柏沖の自宅に」


「お兄ちゃんは、……仕事?」


キョロキョロと目を動かし


やがて俺の瞳の奥をじっと見つめる。


まるで何かを見透かすように


みるみると、白い肌は更に青ざめた。




「な、にか……あった、の?」


震える声が脳髄に響き渡る。


額に玉を浮かせながら


俺は、六花に


眼差しを注ぎ続けた。




「柏沖の投げた斧が身体に刺さった。一命はとりとめたが、まだ…意識は」



意識が一生戻らないだろうと


言われていることは


どうしても言えない。




「大丈夫……なんだよね……?」



目を、零れんばかりに見開いて


六花は、俺の手を何度も握り直す。



「大丈夫さ、だって、クロだぞ。あいつ、健康だけだろ、取り柄」



不安に泳ぐ六花の目を


食い入るように見つめて


嘘を悟られぬよう笑う。







「そっか。そうだよね……」



六花はしばらく


考え込むように黙すると




やがて腹部に


震える手のひらを当てた。




「ねえ……友紀」



ついに、来たか、と思う。


俺は喉を鳴らし


六花の頬を撫でる。



「ん?」


「お腹切られたのって、夢じゃない、よね?」


「……ああ」


「そのあと……どう、なったの?柏沖亮は、逮捕できた……?」


俺は腹部から


六花の両手のひらを掬いあげ


眼差しを六花に向ける。


目を、逸らしてはいけないと思った。



「逮捕した」


「それで?」


「六花は…手術した」


「……それで?」



もう、半ば諦めたように


そう呟く六花が悲しかった。


それでも望みを


繋ぐように唇を噛む六花が痛かった。






「子宮と卵巣を、摘出した」



なんと、残酷な言葉だろう。



俺の吐いた現実に


六花は涙をいっぱいに


溜めてこう言った。





「赤ちゃんがね……ここに、いたの」



「……ああ」



「……一週間後…付き合った記念日だったでしょ?プロポーズの返事と一緒にね、サプライズにしたかったんだぁ。友紀なら喜んでくれると、思って…きっと……きっとね、その眉毛さげて笑ってくれたでしょ?」


「……ああ」


「……っ、……赤ちゃんが生きてるうちに……言えなくて……」




俺の心を案じてくれたんだろう。



精一杯の笑顔をつくった六花は



とうとう涙を落とし、



「ごめんね…」



さめざめと声も立てずに泣いた。



「赤ちゃん…もう、生めないね……結婚も……出来ないよ」


堪らず

覆い被さるように抱き締めた。



「ごめんね」


立花は何度もそう言葉を重ねた。



その言葉を伝えなければならないのは


俺だと言うのに。



どうしたらその傷を


少しでも癒してやれるだろう。



唇を噛み締め


一層にきつくその体を抱いた。




「六花が生きてるだけで……俺はそれでいい……まずは身体、ちゃんと治せ」


こんな時にすら俺は


仏頂面でぶっきらぼうに


お決まりの文句しか言えない。




「思い切り泣いていいぞ、側に、いてやる……」




声もなく涙を落としていた六花は


俺の言葉が耳に届くと


堪えきれずに泣きしきった。





その事が、救いだった。




震える身体


怪我から来る六花の熱が


俺の目頭を熱くする。





俺は、ずっと


人と上手く付き合えなかった。



物心着いた時から


病院暮らしが長くて



学校に行けたと思ったら


もうそこに俺の居場所はなかった



その頃からずっと独りだった。



別にそれでも何も困らなかった。



人付き合いをしようと


努力をした事も無かった様に思う。




友達なんて居なくても


そんなもの


一生ものになんてなるはずがない。



たとえ陰口を叩かれても



そんなもの一過性に過ぎない。



そう、思ってた。



友情だ、恋愛だ


一喜一憂して


浮かれて笑うやつらを


蔑んで見ていたのかもしれない。





だが、俺は


クロと出会って変わり


六花と会って愛を知った。




この兄妹なしでは



俺の人生はまたどん底だ。



1度知った人の温もりを


その安堵と安らぎを


忘れる事は決して出来ない。




「六花……」



「ん……?」




未だ止まぬ涙を六花の頬から


親指の腹でひとすくいし


俺は、出来る限りの優しさを


笑顔に託して呟いた。



「俺はお前の側にいたい」



「……友紀」



「一緒にクロを待とう」



俺のありのままを伝えたい。



「ずっと一緒にいよう」




辛い時は側に居るから。


苦しい時は支えるから。


悲しい時は涙を拭うから。






口に出来ない想いを


ありったけ詰め込む。



好きだから。




「結婚……出来ないなんて、言うなよ」



どうして俺が泣くのだろう。



辛いのは、六花なのに。



「友紀ぃ……」


六花は、俺に両手を差し伸べる。


頼りない腕。


細い指先。


中身のなくなった体。



きっと心は……


壊れかけてる。



だが、しかし



「六花……っ」



やり直しはきく。


そう、何度でも。




六花に出来た罅を


もう一度、


俺の何かで埋めてやる。



俺は六花を軽く抱き寄せ


額を合わせた。







「傷が癒えたら……結婚、しよう」




二度目の、プロポーズだ。




「……ほんとに……いいの?私で、いいの?」


「俺みたいな男……相手に出来んのお前くらいなもんだろ」


「赤ちゃん……産めなくても……?」


「どうしてもってんなら、クロを俺らの赤ん坊にしてやってもいいぞ」


三人一緒に。


ずっと一緒に。


そんな想いを込めて


軽口を叩けばようやく


六花に僅かな笑顔の花が咲く。



「それは、さすがに無理じゃない?」


「法律掻い潜る方法探すさ」


「文書偽造?」


「ああ」


「不良刑事」


「上等だね」




俺は六花と涙を拭い合いながら


笑い合う。







長い、戦いになるだろう。


柏沖亮の裁きに行き着くまでも、


クロが目覚めるまでも、


六花の心の傷が癒えるまでも、


俺の自責が消えるまでも。



一生、無理かもしれない。


一緒にいることで


傷つけ合うかもしれない。



途方なく続く道に


嫌気がさすこともあるだろう。





それでも…



一緒にいたいと思える。




人生の、バディ。







__病める時も健やかなる時も




三ヶ月後


傷の治癒と共に退院が決まった六花と


簡易的な式をあげた。




病院での、人前式だった。





誓いの言葉が優しく耳に入る。


手を繋いで、見つめるのは


牧師でも、互いでもない。





俺たちの視線の先にいたのは



俺たちの愛の証人


眠ったままのクロ……その人だ。




「お兄ちゃん、早く目覚ましなよ」



「悔しいだろ、早く追いかけてこいよ、なあ」



二人で声を合わせて笑う。



無言のまま懇々と


眠り続けるクロを思えば


涙も浮かぶが


今日は泣かないでいよう。



そう、六花と誓い合った。




「誓いの口付けを」


牧師が言う。



俺たちはようやく向き直った。





そして、


畝り合った三人の道すじは今


1本に束なり未来に向かい


虹のように伸びていく。



心ひとつに


ずっと一緒に



願いを窓外の空へ昇らせ


俺は六花に……口付けた。








「道、分かつその時まで共に」







・・・end・・・





***



お、おつか



おつかれさまでした|ω・)



皆さんの反応が


今回すごーーーーく


気になっている幸介です




というのもあれですね


すっきり終わらなかった感


半端ないから笑笑



にゃん(まや)の方に続くお話なので



これ以上は続けられないな



という判断で



俺の暴走に付き合って下さった、


方々のご期待に添えたかどうかと言えば


そこがわからず


壁|ω・*)コソッ…


気になっている幸介です笑



ForGetMeは


すんんんんごく悩んだし



有り得ないくらい書き直しましたし


何度も進路変更がありました


その為、


取りこぼしがちらほらあったり


ありえないミスもありました


(´・ω・|||)



あとでちまちまと


修正しようと思っているので



そこはご了承下さいm(*_ _)m



すごく悩んだけれど


初の推理物


書いてみて終わった時の


脱力感がとても気持ちいい。



癖になりそうなくらい


気持ちいい笑笑



楠木さんと検死官の


笹谷さんのコンビも良さげで


漠然となんすけど


番外編書いてみたいなあなんて。



でもネタがない笑


お蔵入りしないように


暇な時知恵絞ります...♪*゚




今までForGetMeを読んでくれた皆さん



本当にありがとうございました(*´ω`*)




幸介

ひとひら☘☽・2020-06-01
幸介
幸介による小さな物語
ForGetMe~クロとユキ~
刑事もの
完結編
完結
小説
こんな僕を受け入れてくれますか
物語
結婚
結婚式
人前式
好きな人
独り言
辛い
逮捕
手術
こども
赤ちゃん
ポエム
嫌い

【性と言う名の鳥籠】
あかね編⑤~あかね目線㊤

-Last episode-



「お母さん、あのさー…」

「あら、あかねおはよう」

「今日さー…」

「うん、だめよ」

「え、まだ何も言ってないじゃん」

「ず・る・や・す・みはダメよ」



朝から


ハイテンションのりのりな母さんに


ズル休みを交渉する気も消え失せて


私は学校へ向かう支度を始めた。




「行ってきます」


「あかね、待って待って」


「んー?」


母さんはエプロンで手を拭きながら

玄関に走ってきたかと思うと

私の前に立ち

太極拳のようなポーズで


「はぁーーーーーー!!!!」


と、地を這うような声を出す。


「な、何!?」


「頑張る気、送ったから!これで大丈夫!」


母さんは無邪気に笑うと


私に手を振った。


母さんなりの心配の形なんだろう。


たまに少しウザイけど…


どんなに落ち込んだ日も

クスッと笑わせてくれる。


これは


感謝しなくちゃならない。



それでも素直に「ありがとう」


そう言う事が照れくさくて


「そりゃどーも。じゃね」


私は後ろ手を振り


家を後にした。





外は嫌味かと思う程にいい天気だ。




それに比べて私の心は沈んでいる。



結奈とどんな顔して会えばいいんだ。



昨日、屋上にひとり

置いてけぼりにしてきたことを

今更、後悔してる。


好きの取り間違いが


どんなにショックだったからといって


夕方、好きな女をひとりで


帰すようなことするなんて


やっぱり私には覚悟が足りない。



中途半端な男だ。




「はぁ…結奈、ごめんな」


そう呟いた時だった。


「何がごめんなのー?」


後ろから突然、かけられた声。


「うわあっ」


わざとらしい程


驚いて振り向けば、そこには


いつもと変わらない結奈がいた。



くるんとした目で、

私を覗き込む。



「おーはよ、あかね」


「あ、ああ、おはよう」


「一緒に学校行ってもいい?」


「え…うん、いいよ」


「よかった…!」


結奈は胸をなでおろすと

いつも通り、私の腕に絡みついて

学校への道を歩み出す。



男として結奈のことが


「好き」だと伝えたつもりだ。


結奈のあの時の


凍りついた笑顔。


今にも涙を落としそうな目。



絶対引かれたと思ったのに


一体どういうことなんだろう。



登校中の結奈は


終始笑顔だった。


お喋りが止まらない。


「あのね、あのね」


「聞いて、聞いて」



たくさん話しかけられる。


いつもより遥かに多く。


私に気を遣っているのかな。



そう思えばなんだか申し訳なくて


私の表情は曇っていった。

ひとひら☘☽・2020-02-05
幸介
幸介/性と言う名の鳥籠
幸介による小さな物語
時間
本当の自分
あなたと私の物語
小説
物語
大好き
FTM
mtf
GID
男の子になりたい女の子
女の子になりたい男の子
告白
不登校
学生
青春
高校生
高校生活
放課後
雑誌
可愛い
笑顔
独り言
ポエム
心臓、跳ねた
完結編
未来の恋の行方
自分
すれ違い
片想い

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に8作品あります

アプリでもっとみる

【性と言う名の鳥籠】
あかね編⑤~あかね目線㊥

-Last episode-



学校へついても

結奈のべたべたは止まらない。


いつも通り…というより


いつも以上だ。



いくら気遣ってくれてるとはいえ


これでは…逆に、苦しい。




私はたまりかねて


隣の席の椅子をくっつけて


私にぺったりと寄り添う結奈に


話しかけた。



「あ、あのさあ!」


その時だった。



クラスメートの瑠花と七海が


私たちの前に立ち、


くすくすと笑った。



「ねー、結奈ぁ」


「んぅー?」


「端から見てるとあんた相当やばいよ」


「そそ、目のやり場に困るぅ」


嘲笑うように結奈に言い放つ。



天然の結奈は


意地悪を言われている事に


気付かない。




「えー?なんでー?」


首をかしげて問う結奈を後目に


瑠花は私に声をかけた。



「あかね、あんたもさぁ、やな事はちゃんとヤダって言おうよ、みんなにハズレものにされるよ?」


合わせて、七海が声をひそめる。


「ほらー、今さ、鈴木くんと雫くんの話題あるからみんなこういうのに敏感なんだよ、あかねも結奈も気をつけな?」



思いがけないところで


虎太朗の名を聞いて


心臓が跳ね上がった。



私は、いい。


どうなろうが、別にいい。



でも結奈は別だ。


正常な女の子だ。


このままじゃ結奈まで


私と同類にされてしまう。




嫌な汗が額にわいた。


喉が、からからだ。




いまいち事情を


飲み込めない結奈が


二人にしつこく聞き返した。



「ねね、なんの事?ヤバいって何?私、悪いことしてる?」



そんな結奈に苛立ちを覚えたか


普段から口の悪さが目立つ瑠花が


言葉を捨て放った。



「いや、あんた百合なのって言いたいわけ」


「ゆりぃ?」


「どこまで無知なの?女同士で付き合ってんのってこと!」



あー……


やばい


苛つく。



結奈は何も関係ない、


怒鳴ってやろうと


席を立ちかけたその時だ。




「違うよっ!」



コンマ1秒早く


席から立ち上がったのは


結奈だった。



結奈の聞いたこともないような大声に


呆気にとられて結奈を見ると


真っ赤な顔をして立腹だ。



「何が違うのよ」


結奈の気迫にたじろぎながら

瑠花は、顔をしかめて聞いた。


「女同士とかじゃないもんっ」


結奈は食いしばっていた歯を


大きく開いて、続け様に言う。




「あかねはどこの誰よりかっこいい男の子だよ!」




…え?


思考回路がショートする。




「私があかねのこと、好きなだけ!あかねは優しいから私に合わせて付き合ってくれてるだけなの!あかねにはちゃんと好きな子がいるんだから…勝手なこと言わないで!」



結奈が私の…


私の目の前で


信じられない言葉を


叫んでる。



私が、男だって…


私を好きだって


言った…?



ふと見れば


七海は唖然。



瑠花は一瞬怯んだが


軽蔑するような目で



「えー…やばぁ、マジなやつなんだ…」


結奈にそう言った。



「何が!?人を好きになることの何がやばいの!男だからとか女だからとかそんなに重要なこと!?私はあかねを好きな私を誇りに思う!」




結奈は私の隣で声を上げる。



スカートを掴んだ拳は


怒りに震えて


瞳からは今にも


涙が零れ落ちそうだ。




このままじゃ大事になる。




「ちょ、ちょちょっと結奈っ」



棒のように固まった身体を


ぎくしゃくと動かして


私は結奈の手をとり


教室から駆け出した。

ひとひら☘☽・2020-02-05
幸介
幸介/性と言う名の鳥籠
幸介による小さな物語
時間
本当の自分
あなたと私の物語
小説
物語
大好き
FTM
mtf
GID
男の子になりたい女の子
女の子になりたい男の子
告白
不登校
学生
青春
高校生
高校生活
放課後
雑誌
可愛い
笑顔
独り言
ポエム
心臓、跳ねた
完結編
未来の恋の行方
自分

HoneyWorksを久々に見て【最終回】

どうして私が突然突拍子もなくHoneyWorksを見始めたかというと

実は今

納得のいかないこたひな案件をモデルに

小説を書こうと思ったからです

小説を書くのはずっと続けてて

受験生の今は

これまで思いついたまたはリメイクしたネタをどんどん保存していく作業を休憩中にやっています

その中で思いついたのがこのこたひな案件ネタ(ネタ呼ばわりでごめんなさい)

どうせ言ったってこたひなは幸せそうだし恋雪先輩は扇野少女といい感じ(……?)だしだったら自分の物語に書いてやろ

と思い付き書いてたのですが

恥ずかしい話私こたひなが付き合ったってことしか知らなくて

なので改めて楽曲聴くところから始めようと思いたち

聴いたのです

コメ欄もちゃんと見ました

ストーリーを少し変えようと思いました

アンチですが

微アンチになりました(微アンチとは)

ちなみに他の懐かしい楽曲もちゃんと聴いて

私にとっては新しい曲も聴いて

今に至るわけです

なんか山本幸大様には幸せになって欲しいです(レンズ越しの景色より)

そんなこんなで

このゲリラ投稿は自己満です

楽しかった

勉強集中出来なかったからいい暇つぶしになったよね(汗)

というわけで

作品完成次第また報告致します

ほんでは

Francesでした〜

Frances・2021-09-19
HoneyWorks
完結編
小説家になろう
山本幸大
みんな幸せになぁれ





#濁り水の気持ち 完結編






“何も無い”と言ったことに

悔いはない。


でも、もし あの時

ちゃんと向き合って全部話してたら

どうなってたんだろ

とか

無駄なこと考えてみたりもした。


それは、後悔じゃなくて

“もしも”の想像。


彼女はもうきっとヒーローになれてる。


不死身の悪役みたいに

僕一人で盛り上がってたけど

所詮、人形は人形だったってこと。


自分より輝いてるひとが

消えてくれれば

自分が輝ける と

過去の僕は思ってた。


でも、今はこの世界が

ヒーローで溢れて欲しいとか

現実味の無いこと願ってる。


僕の祈りなんかは

さっさと彼女に託して

空でも飛んでみようかな。


結局 僕に生きてる意味なんて無い。

死ねないわけでも無い。

軽く薄い命。


彼女の命は

重く強い命。

この世に必要な命。


その2つの命に壁ができてしまったのは


僕が弱かったから。


僕は逃げてばかりだったから。


僕が諦めたから。


彼女が頑張ったから。



「来世では彼女みたいになりたいな」

とか言う資格は僕にあるかな。


僕にリベンジはあるかな。


僕という人形は

あっけなく空へ散った__。─





からあー げ・2020-08-29
濁り水の気持ち
完結編
小説とは言えないくらいの
だめだめ小説。


早いものでパリ🇫🇷に来て
3年の月日が経つ

もうこのアパートに彼女はいない …
彼女は昨年 日本へ帰って行った

あの日 眠い目をこすりながら
着陸間近の機内から
彼女と朝焼けのパリを
見下ろした日のことを
今でも忘れられない …
あの頃は希望に満ち溢れてた

今は狭い部屋でひとり
フレンチトーストを
かじりながら
日本の災害速報を見ては

遠い国の出来事と
感じてしまうことに

心が痛む

今日もセーヌ川は
いつもとかわることなく
穏やかに流れ

その上空を旅客機✈️が
シャルル・ド・ゴール空港に向け
あの日の僕たちと同じ希望を乗せて
降下してゆく

もう僕が日本へ戻ることはないだろう
それが彼女との約束だから ・・・


また奇跡が起きない限り ・・・

それでも あの頃の思い出だけは
永遠に消えることはないだろう♪



誰でもいい ・・・

この心の隙間を埋めて欲しい ・・・




追 伸

君は日本でひたすらお仕事を
がんばっていることだろうね

これからも君らしく 君のために
少しでも日々を笑顔で過ごして欲しい

今頃、君は慌てて
混み合う電車に飛び乗った頃だろう

がんばれ!
ちびっ子ファイター(笑)


GOOD LUCK‼︎





merci 🇫🇷

🔹空き地🔹・2024-01-07
完結編
現実
思い出
引きずる想い

他に8作品あります

アプリでもっとみる

その他のポエム

独り言
1006017件

大切にしたいこと
1078件

ポエム
535349件

好きな人
321774件

自己紹介
95269件

辛い
183978件

453314件

トーク募集
85193件

死にたい
96772件

恋愛
197415件

苦しい
60470件

好き
198295件

37777件

片思い
184696件

寂しい
34423件

消えたい
31271件

タグお借りしました
18844件

片想い
227098件

大好き
95226件

叶わない恋
52685件

人生
44349件

すべてのタグ