【一つしかない夢】
「小説家になりたい…?」
「うん。」
「ふざけるな!
そんな夢が
お前に叶えられるわけ
ないだろ!」
うるせぇな。
いっつもいっつも
否定しかしない。
「ごめんね。遥斗。」
うるせぇよ。
なんで、なんで
母さんが謝るんだよ。
あいつ。
アイツ
父さんが謝れよ__。
『遥斗くん!』
「夢奈。」
『新しいの完成した?』
「まだ。」
『そっか!
楽しみにしてるね!』
「うん。」
夢奈は俺の夢を
唯一かっこいいと言ってくれる。
『遥斗くん!
私ね、書いてみたよ!』
「…小説を…?」
『うん!』
俺は夢奈の小説を読んだ。
『どうかな?!』
「…悪くないんじゃない。」
悔しかったのかもしれない。
今まで、いやこれからも
ずっと俺が前を歩く
かと思っていたから。
『やったぁ!
一緒に頑張ろうね!』
前に立っていたのに
今の言葉はまるで
横に立っているような
言い方だった。
いつか、
俺が後ろに立つんじゃないか。
『今度、SNSに
出してみようよ!』
SNS…?
怖かった。
ここで一気に
変わってしまうんじゃないか。
「いいよ。」
俺はSNSに
小説を出すことにした。
夢奈の小説は好評だった。
俺の小説も「好き」だと
言ってくれる人は居たけど
比べたら夢奈の方が
上だった___。
それから俺は
何度も小説を書いて
何度も出してみたけど
夢奈には勝てなかった。
『私、遥斗くんの
小説好きだよ。』
何言ってんだよ。
絶対思ってないだろ。
『私、遥斗くんが
居なかったら
小説家になろうって、
思えなかったよ。』
「うるせぇな!
元々俺には才能なんか
無かったんだよ!
それに何だよ!
俺が先に持った夢を
真似しやがって…!」
何だよ。
そんな顔すんなよ。
嫌だった。
抜かされるのが。
一人で夢を
追いかけていたかった。
最近、夢奈とは
話さなくなった。
と言うより、
夢奈は毎日
俺ん家に来るけど
俺は全部無視した。
夢奈が悪いんじゃない。
俺が夢奈と話していい
立場に居ないから。
夢奈はその間も小説を
出し続けた。
俺は毎回読んでいた。
ある日突然。
夢奈は俺ん家に
来なくなった。
正直悲しかった。
もう。もう
終わってしまうのかと。
何日か経ち、
夢奈のアカウントを見たら
新しい小説が出されていた。
【大切な夢】
という題だった。
゛私の夢は
小説家になる事ではなく
あの男の子と一緒に
二人で小説家に
なる事だった___゛
その書き出しから
始まった小説の最後には
゛初めは憎んでばかりの
「後悔」でしたが
私はこの「後悔」を
憎まないことにした。
この「後悔」が無ければ
大切な夢は
見つけることが
出来なかったし
この「後悔」を憎んで
いれば、
私にとってずっと
要らないままだった。
「後悔」の対称である
「楽しい」「嬉しい」を
私は「後悔」の数以上に
感じてきたんだ。
だから今度こそ
あの男の子に
後悔以上の『ありがとう』を
贈り伝えたい___゛
前に立っていたと
思っていた狭い道は
大きく大きく広がり
今は横に大切な人が
歩いている。
大切な夢を
気づかせてくれた人と共に
転んだら手を伸ばし
時には止まり
時には全力で走る。
これが俺の「生き方」だと。
「ねぇ、知ってる?
夫婦で小説書いてる人!」
「知ってる、知ってる!」
たくさんの人の
たくさんの大切な夢を
二人の手で
一冊の本にして
゛多くの人に届けよう゛
瀬在_さよなら・2020-03-21 #一つしかない夢 #小説 #疲れた #小説家 #夢 #下手くそ #意味不 #感想ください #頑張った← #瀬在(小説) #瀬在(おすすめ)
