#さよならエレジー

僕が愛を信じても

きっと居なくなるんだろ？

『さよならエレジー』
























































私は人を信じない


信じられない


たとえそれが


仲のいい幼なじみの笑顔であっても

























｢あ゛ー、やばい｣


体温計が示すのは38.6℃


今日は学校休むしかないな


美来に言っとかなきゃ



〝美来ごめん！〟


〝風邪ひいたっぽいから学校休むね〟



幼なじみの美来とはいつも


待ち合わせをして学校に向かっている



〝了解！お大事にね〟


〝ほんとごめん。ありがとね〟


〝大丈夫よ笑〟



連絡するの遅くなったかも


美来、学校間に合うといいけど＿＿＿


























ー3日後ー




｢おはよー｣


『あ、奈菜おはよう！』


『もう大丈夫なの？』


｢うん！もー大丈夫よ。ありがとね｣


『ならよかった』


｢この間は連絡遅くなってごめん！｣


｢学校間に合った？｣


『大丈夫！ギリギリだったけど』



このとき美来は、たしかに笑っていた






























『この間の美来の、笑えたよね』



教室に入ろうと思ったら声が聞こえた


美来は先生に用があるから職員室



｢それなー｣


｢〝奈菜との待ち合わせするの忘れてた〟

ってさ｣


｢美来もけっこー鬼だよねー｣



え……？


今、私の名前……



『それな』


『結局は奈菜休みだったからさー

美来も運いいよね』



うそ


だって美来は〝ギリギリだった〟って…




『奈菜？どしたのぼーっとして』


｢えっ？あ、美来｣


｢……ごめん、ちょっとぼーっとしてた｣


『そー？早く入ろー』



今だって美来は笑っている


私だって笑えていたはずだ


美来の笑顔を信じていた時までは＿＿＿





































私は人を信じない


信じられない


たとえそれが


ずっとずっと想っていた君からの

告白であっても




























今、私はたぶん


人生で1番ドキドキしている


目の前のドアを開けさえすれば


約束の場所にたどり着く




時は昼休みに遡る＿＿＿＿





























『奈菜』


『放課後大事な話があるからさ』


『屋上来てくんない？』


｢えっ、あ、うん！了解｣



呼び出しの相手は結城 奏斗


奏斗は私の好きな人


叶うわけが無いと諦めていたはずの人



放課後に屋上に呼び出しなんて


期待しないほうが難しい＿＿＿＿＿




























『あ、奈菜』


｢ごめん、待った？｣



ドアの前でドキドキと格闘すること約5分


ようやく勇気を出した



『全然待ってないよ。大丈夫』



そう言って奏斗が笑う


やっぱり好きだなあと思う



『あの、奈菜に！伝えたい事があって』


｢…っうん｣



奏斗の頬が赤い


きっと私も赤くなっている



『奈菜のことが好きです！』


『俺と付き合ってください！』



奏斗が深く頭を下げて


奏斗の右手は私に向けて伸ばされている



まっすぐな奏斗の言葉に


自分の耳にも聞こえるほど


心臓がバクバクする


奏斗にも聞こえていそうで不安になる


けれどその不安より


長年の想いが叶った喜びの方が上だった



｢…っ私＿＿＿＿＿｣



私も好き＿＿＿＿


そう言おうとして、言葉が詰まった


美来のことが頭をよぎる




もしかしたら嘘かも＿＿＿＿


そんな訳＿＿＿＿



ほんとだとして奏斗もいつか＿＿＿＿



〝離れていくのでは＿＿＿＿〟





｢……っごめんね｣


｢私…奏斗とは、付き合えない｣



長年の願いを私は


いとも簡単に捨ててしまった

























僕が愛を信じても


きっといなくなるんだろ？


それならいらない


哀しすぎるから＿＿＿＿




＿さよならエレジー

そばにいるだけで

本当"幸せ"だったな

そばにいるだけで

ただそれだけでさ

この気持ちも
いつか忘れて
しまうんだろうか
いや、きっと
忘れたくても
忘れられない
貴方が
この感情の正体を
教えてくれたこと
大切にしたい

貴方に会えない日々が続いて
この気持ちは冷めるばかりか
溢れていく
こんなに好きになる前に
どこかで手は打てなかったのか

愛が僕に噛み付いて


離さないと言うけれど


さみしさのカタチは


変わらないみたいだ


舞い上がって行け


いつか夜の向こう側


うんざりするほど 光れ


君の歌

僕は今無口な空に

吐き出した孤独という名の雲

その雲が雨をふらせて

虹が出る

どうせ掴めないのに

初めてのキスを繰り返して欲しくて

愛が僕に噛み付いて

離さないと言うけれど

寂しさの形は変わらないみたいだ

舞い上がっていけ

いつか夜の向こう側

うんざりするほど

光れ君のうた

優しさが濁った日々の

憂鬱は満員電車みたいだ

覚めた温もりを

むやみに放り投げた

僕が愛を信じても

きっと居なくなるんだろう？

それなら要らない

悲し過ぎるから

さようならさえも上手く言えなそうだから

手を振る代わりに抱きしめてみたよ

流れ星を見た。流れ星を見た

願う僕の歌

そばにいるだけでほんと幸せだったな

そばにいるだけでそれだけでさ

愛が僕に噛み付いて

離さないと言うけれど

寂しさの形は変わらないみたいだ

舞い上がっていけ

いつか夜の向こう側

うんざりするほど

光れ君の歌

もう傷つけない。もう傷つかない

光れ君の歌

さよならエレジー

僕はいま 無口な空に
吐き出した孤独という名の雲
その雲が雨を降らせて
虹が出る どうせ掴めないのに

はじめてのキスを繰り返して欲しくて

愛が僕に噛みついて離さないと言うけれど
さみしさのカタチは変わらないみたいだ
舞い上がって行(ゆ)けいつか夜の向こう側
うんざりするほど光れ君の歌

やさしさが濁った日々の
憂鬱は満員電車みたいだ

冷めたぬくもりをむやみに放り投げた

僕が愛を信じてもきっといなくなるんだろ？
それならいらない哀しすぎるから
さようならさえも上手く言えなそうだから
手をふるかわりに抱きしめてみたよ
流れ星をみた 流れ星をみた
願う僕の歌

そばにいるだけで本当幸せだったな
そばにいるだけでただそれだけでさ

愛が僕に噛みついて離さないと言うけれど
さみしさのカタチは変わらないみたいだ
舞い上がって行(ゆ)けいつか夜の向こう側
うんざりするほど光れ君の歌
もう傷つかない もう傷つけない
光れ君の歌

愛が僕に噛み付いて
離さないと言うけれど
さみしさの形は変わらないみたいだ

愛が僕に噛み付いて

話さないと言うけれど

寂しさの形は

変わらないみたいだ

舞い上がって行け

いつか夜の向こう側

うんざりするほど

光れ君の歌

もう傷付かない

もう傷付けない

光れ君の歌

愛が僕にかみついて

離さないと言うけれど

寂しさの形は変わらないみたいだ

そばにいるだけ本当幸せだったな

そばにいるだけでただそれだけさ

⿴⿻⿸⿴⿻⿸⿴⿻⿸⿴⿻
⿻ さよならエレジー ⿴
⿴⿻⿸⿴⿻⿸⿴⿻⿸⿴⿻


愛が僕に噛
▽ み
つ “離さない”と
い 言うけれど
て

さ し 変わらない
み さ の形は みたいだ

け い
行 つ
て か
っ 夜
が の
あ う 向
い ん こ
舞 ざ う側
り
す
る
ほ
ど
《光れ》
君
の
歌

僕が愛を信じても

きっといなくなるんだろう？

傍にいるだけで本当幸せだったな

傍にいるだけでただそれだけでさ