#もう

さぁ、行きなさい

あなたは、もう1人ではないのだから

きっと、恋に落ちる時
理由なんて要らない
小さな勇気を振り絞って
心の紙飛行機を飛ばしたの

パート練終わり、

先輩と一言でも交わしたくて、

冷えた教室から出ていく先輩に

「廊下暑そうですね、」と笑うと、

先輩が「そうだね」と足を止める。


意を決した先輩が一歩踏み出すと、

「うわぁ…」と心底嫌そうな声が

聞こえてきて。

私も後をついて廊下に出ると、

笑えないくらい暑苦しくて。

それでも笑っちゃうくらい

この暑さが大好きで。



そんな些細なやりとりが、

いつの間にか日常になっていた。

どうせ会えないのだから。

貴方の声も、香りも、笑顔も

忘れてしまったのだから。

大事にしていたはずの想い出も、

欠片だけになってしまったの
だから。

もうどうだっていい。


もう、どうだっていいはず
なのに。


貴方に会いたくて仕方なくて。

貴方のことをどうしても思い出したくて。

あの頃の想い出をもう一度鮮明にしたくて。


諦めたいのに、

叶わない恋なんて意味ないと
思っていたはずなのに、

ずっと変わらず恋してる。

昨日、先輩は新しい制服を身に
纏って、新しい生活が始まった。


そんな先輩には会えなくて、
先輩のこれからの生活に私は
いれなくて、
先輩と同じ制服を着ることは
もうできなくて。


それが当たり前なのに、
遠くに行ってしまった気がして
無意味に手を伸ばしたくなるの。

行きたかったな　
一緒に生きたかった…
次はきさらぎ駅きさらぎ駅
終点です…
あぁ…日が遠くなる。
もう会えないね。


いつまでも君を探している
今でも君を探している
あの日あの時言えなかった
間に合わなかった。
あぁ…今日も朝日が
僕の顔を照らす。
今でも忘れられない

ー君を思っているー

愛を理由に嘘を吐いたきみは

寂しさを理由に愛を売るのね

言ってほしい言葉があった。

面白いって笑ってほしい過去が
あった。

気付いてほしい気持ちがあった。



もう貴方に期待することは
できない。

貴方は今、何をしていますか。

夢も希望も失って
朽ちた世界で踊りましょう？

無意味で何も無い虚空の空間
あぁ…ずっと夢色観覧車に

乗って居たかった。

愛の欠片も感じられない

思い出さえ今は愛おしい

好きな人に会えること

それは当たり前ではない

それはわかっていた


会える明日が

長く続いてくれたらよかった

なんて今更かな

本当に笑えるよな

6/29　306日　第2部

僕等は多くを求め過ぎた

何かを手にするたびに

失っているものがあったことにも

気づかずに_

笑うだけが
幸せなんて事は
ないんだよ

歪んで見えた幻
夜月に重ねた影
闇に浮かびし飛蚊
塵に埋もれた自分

探して見て。
ほら、そこにいるでしょ？