#カネボウ

シンセサイザーが奏でるファンファーレ。放射状に点滅する電飾の中心には、いつもあの魔女がいた。不敵な笑みを浮かべて。

信じがたいことだが、私がねるねるねるねを練っているのではなく、逆に、ねるねるねるねが私を練っているのだという。
それを知って、私は怖くなった。
しかし、もう引き返すことはできない。

クリスマスのために製造された、ねるねるねるね。恋人たちのために、カネボウが製造した。

そのねるねるねるねが、お菓子売り場の棚であなたを呼んでいる。

あなたはその呼び声を、無視できるだろうか。

『僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう
アポロ11号は月に行ったっていうのに』

僕らは
クラシエがまだ
カネボウだった頃から
変わらない“色”のかたち
探してる

ねるねるねるねの粉の色


盛者必衰の理をあらわす

ねるねるねるねは

練るという行動と

色の変化という物理現象を

有機的に結びつけた

芸術化産業を目指す

カネボウが開発した

お菓子の

傑作なのだ

せっかくの休みでも
連休の終わりという
それだけで憂うつなのだ。
そういえば「サザエさん症候群」なんて
言葉があったが、今の若者に
通じるだろうか。
僕が知っているサザエさんは、
東芝がスポンサーだった頃の
ものだが、あの頃の東芝は
もう存在しない。
そして、ねるねるねるねの
初代魔女が所属していた
カネボウも、もう
存在しないのだ。

ねるねるねるねを
バレンタインデーのお菓子にしたいのだろう、
クラシエが
インスタの公式アカウントで
頑張っている…

僕も応援はしたいが
あの魔女が
カネボウのアカウントで
発信しなければ
説得力に
欠けるのだ。

あの魔女は

小説「ねるねるねるね」で

現代社会を生きる魔女の

苦悩と色を描いた。

そして

芸術化産業賞を

受賞したのだ。

僕らの生まれてくる
ずっとずっと前にはもう…

カネボウはあの魔女に交渉して
ねるねるねるねのCMに
出演してもらった。

僕らはまだ
インターネットが無かった頃から
変わらない“色”を探して
ねるねるねるねを
練っている。

ねるねるねるねを練るという行為には
警鐘を鳴らすという意味もあるのだそうだ。
これは、ねるねるねるねが鐘紡（カネボウ）で
開発されたことに由来するのだそうだ。

ねるねるねるねを買って

カネボウのマークを

5つ集めると

あの魔女のアクリルスタンドが

もらえるのだ。

アメコミ版ねるねるねるねは

暗い過去を持つダークヒーローの

ねるねが、超巨大企業カネボウと

戦う物語なのだ。

あの魔女はかつて、カネボウの研究所で、
色彩主任技術者として働いていたのだ。

別に私は、あの魔女に肩入れしてる訳じゃない。

私は、カネボウの芸術化産業の理念に、共感しているだけなのだ。