はじめる

#グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全18作品・

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸


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𝙿𝚛𝚘𝚕𝚘𝚐𝚞𝚎𓈒𓂂𓏸


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『じゃあ推し辞めれば?』

「…酷いですよ先輩」

推しが恋愛ドラマ決まって見れないって
話をしただけじゃないですか!?

「恋愛話がどうも苦手で」

『見なきゃいいじゃん』

「だって初ドラマですよ」



_辞めとけそんなやつ。

推しの話には冷たいし


_体力テスト成績わっる笑

ずっといじってくるし


_ありがとー

後輩にアイス奢らせるし



好きとかそういうのの真逆だと思ってた。

そもそも好きってなんですか。

推しとは違いますか。

好き、…じゃないのに。


_~♪

横顔が儚くきれいで


_それでさー笑

私の歩幅に合わせてくれてて


_移動教室なの?…ふーん

意地悪なくせに何かと気にかけてくれて


_明希。

名前を呼ばれたとき胸が痛くなる。



笑う顔がキラキラしてて優しい。

お願いだからドキドキさせないでください、先輩。

訳あり先輩と推し命の後輩が紡ぐ拗らせた

グレープフルーツみたいな初恋のお話。


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୨୧登場人物紹介୨୧

ଘ│茜 明希 𝟸年𝙱組
(あかね あき)
𝟷個上のアイドルに夢中で楽しく推し活中。
グッズはとりあえず𝟷個は常備している。
推しのドラマ出演が決まったのは嬉しいが、
恋愛作品を避けてきた人生なので恋愛ドラマは苦手。

ଘ│五関晃一 𝟹年𝙱組
ダンスが得意でダンススクールに通っている。
河合とは中学からの友人で同じダンススクール生。
推しの話は気恥ずかしいのでやめてほしい。

ଘ│河合郁人
アイドルユニット『𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢 (リリィリリィ)』
の最年少メンバー。ダンスも歌も得意。

ଘ│塚田僚一 明希の幼馴染(𝟹年𝙱組)

ଘ│戸塚祥太 図書委員長(𝟹年𝙰組)

ଘ│橋本良亮 同級生(𝟸年𝙱組)


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学生×恋愛×推し活❔ストーリー

毎週月曜日更新予定💭


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ほぼ会議室に引きこもってるお話ですが

少しだけ友情出演してもらう子いるので

後で声掛けさせてもらいます🗣️💭


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𝑁𝑒𝑥𝑡 𝑠𝑡𝑜𝑟𝑦 🔜「愛おしい居場所」𝑎𝑛𝑑『温かい居場所』


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明希.☕・2022-12-26
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟽-𝟷話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🏹」文化祭𝙸𝚗𝟷𝚜𝚝𝙻𝚒𝚟𝚎?𓈒𓂂𓏸


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ついに来た文化祭。

私は…クラスの模擬店の担当だからまだ時間あるし。
塚ちゃんと五関先輩のパフォーマンスをめちゃめちゃ
楽しみに待っている。アシストする橋本くんからも
「まじすごいから。楽しみにしてて」と
自信たっぷりだった(ステージに出ないのに)

[続いて塚田僚一さん、五関晃一さんのパフォーマンスです]

来た!橋本くんもアシスタント頑張ってるんだよね。

塚ちゃんは金髪に、五関先輩は仮面をつけて登場。
塚ちゃんやっぱ金髪似合う。校則で禁止されてるけど
パフォーマンスのときだけは許可されてる。

去年は塚ちゃんのアクロバットだけだったけど、
今回はマイクも持っている。

“~~♪”

塚ちゃんからの歌いだし。そして五関先輩のソロが
入る。歌もあるんだ…!ダンスだけだと思ってた。
𝟸人のちょっと高い声がより曲を良くしてて。
……かっこいい、めちゃめちゃかっこいい。


“ただ愛の名のもとに僕が盾になる”

五関先輩もアクロバットできるんだ…。
塚ちゃんとの息もぴったりでダンスも𝟸人とも上手、
𝟸人では補えないところは橋本くんがサポートしている。
圧倒的なパフォーマンスで戸塚先輩と並ぶくらい、
もしくは超すくらいの衝撃だった。

「(…かっこいい!)」

“ありがとうございました~”

𝟸人で一礼してパフォーマンスは無事終了。
私は即、感想を言いに行った。

橋本〈明希ちゃん!こっちこっち〉

「橋本くん!凄かったね!」

橋本〈な!𝟸人着替えてるからちょっと待ってて〉

塚田〈明希~!どうだった?〉

「お疲れ様、本当に凄かった!かっこよかった!」

塚田〈良かったよ~〉

『めっちゃ動いたもん、笑』

「五関先輩、かっこよかったです!歌もダンスもアクロバットも」

いつも意地悪してくる先輩だけどパフォーマンスは
別の話。素直にありったけの「かっこいい」を送った。
だけど思ってた反応とは違って。

『…!あ、…ありがと』

驚いてるし小声だし。顔が赤いし。

塚田〈照れてる!五関くんが照れてる!笑〉

『…いや、…どう反応すればいいかとか』

初めて見たかもしれない。
五関先輩のゴニョゴニョしてるとこ。

橋本〈とっつーにも送ってやろ、動画回してたし〉

『良亮…!?』

橋本〈あっ明希ちゃん、そろそろ担当だ(棒)〉

「そうだね、行こう」

塚ちゃんが元気に送り出してくれたので
五関先輩には申し訳ないが教室まで移動した。
塚ちゃんにクラスのお店の紹介もしたし
来てくれるはず!あんな可愛い服、
似合わないけど文化祭くらい着てもいいよね。


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𝟽-𝟸話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🏹」文化祭𝚒𝚗𝟸-𝙱喫茶𓈒𓂂𓏸


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「……やっぱ似合わない」

茶髪のウィッグ(ロング)、前髪もしっかり決めて。
クラスメートがしてくれたメイク。
𝚁𝙿𝙶ゲームにありそうな町娘の格好。

りこ〈似合ってるよー!写真撮るからはい!〉

「りこちゃんもめちゃめちゃ可愛いよー!」

りこ〈じゃあ𝟸人でも撮ろっ!〉

魔女の格好をしたりこちゃん。
ちなみに細かいテーマは“呪文詠唱が
うまく行かない魔女見習い”だ。
このクラスのテーマは「𝚁𝙿𝙶ゲーム」という
少々変わったもの。お客さんを主役(勇者)
として私達は村の喫茶店にいる人たちという設定だ。

橋本〈お客さん来るから準備!〉

橋本くんは料理担当。私達は接客担当。

「いらっしゃいませ!」

[可愛い!]
[テーマって聞いても大丈夫?]

「“赤い糸の伝説を信じる町娘”です」

小指には赤い糸。きれいにリボン結びされている。

??〈やっほー〉

りこ〈あっまちゅ!来てくれたの?〉

松倉〈もちろん!似合ってるじゃん〉

あら、りこちゃんの彼氏さん登場です。
りこちゃんも嬉しそうだしマイナスイオンが
出てるみたいに癒やされる…。

塚田〈明希~〉

「あ、塚ちゃん!…え、先輩も!?いらっしゃいませ」

『……』

「五関先輩大丈夫ですか…?体調悪そうですけど…」

『…大丈夫』

塚田〈明希は何の格好してるの?〉

先輩たちの質問に応えるとやけに納得した顔をされた。

塚田〈明希にもできたらいいね〉

「河合くん、とか?笑」

……あれ、いつもだったら五関先輩から
冷たい一言があるはずなのにな。
欲しいわけじゃないけど…。
五関先輩…なんかボーッとしてない?

「先輩?五関先輩?大丈夫ですか」

『え、うん』

「お茶とか買ってきますよ?本当に大丈夫ですか」

…おかしい、熱とか無いよね?熱気にやられたとか?
本人に「大丈夫」と言われたけど心配…。

「橋本くん、五関先輩が…」

橋本〈ちょっと俺行ってくるわ。明希ちゃん配膳頼む〉

橋本くんなら大丈夫かな。と配膳をしよう
としたところで橋本くんが戻ってきた。

橋本〈明希ちゃんのせいだったよ笑〉

なんで笑われてるんでしょう。
なんで私のせいなんですか!

橋本〈𝟸人とも食べ終わったって、送りに行ったら?〉

モヤモヤしながら接客のしごとに戻った。
ニコニコしてる塚ちゃんとやっぱり心配五関先輩。

「ありがとう塚ちゃん」

塚田先輩だよっと久しぶりのツッコミが返ってくる。

「五関先輩もありがとうございました」

『…じゃ』

「じゃ」だけ言ってさっと帰っていく。
私もだけど塚ちゃんも驚いていたようで目が丸くなる。

塚田〈五関くん!?…あ、じゃあね明希〉

なんでモヤモヤばっかり増えていくんだろう。
こんな時はりこちゃん!…は松倉くんといるか。
じゃあ、橋本くんにでも相談してみよう。

橋本〈明希ちゃんのせいだって〉

だからなんで私…。
本人に聞いたほう早そうだな、
いっそのこと連絡してみようか。



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𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

『文化祭in三角関係』
「河合くんと体力テストの話」


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次回.໒꒱

りこまちゅ久々の登場❕出演ありがとう💞
五関さんの気持ちが動きそうな予感…❕❔
後編、サブストーリーを公開予定です

明希.☕・2023-02-13
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸

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𝟹話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「📖」居場所の始まり𓈒𓂂𓏸


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およそ半年前のこと。
𝟷年生の私は初めて図書館に来ていた。
元々図書室は大好きだったんだけど、
中々𝟷人では入ることができずにいた。
珍しく帰りが同じだった塚ちゃんに
相談したら「じゃあ一緒に行こう!」という
頼もしい言葉が返ってきたのだ。

塚田〈明希ー!〉

「塚ちゃん!本当にありがとう」

塚田〈いいのいいの、ほら行くよ〉

「失礼しまーす…」

授業では来たことあるけどそれ以外では初めて。
あっこの本面白そう…でも何から読めばいいかな
見渡しても人はほぼいない。
カウンターの…確か図書委員長の戸塚祥太先輩だ。

塚田〈暇そうだねとっつー〉

戸塚〈…図書室では静かに〉

塚田〈あっそうだ、明希のこと紹介するね!〉

戸塚先輩のこと無視ですか、塚ちゃん!?

塚田〈幼馴染の明希。𝟷年生!〉

「はじめまして…茜明希です」

たどたどしい挨拶になってしまったが
戸塚先輩は優しかった。

戸塚〈はじめまして。図書委員長の戸塚祥太です。
茜さんって本当に塚ちゃんの幼馴染なの?〉

塚ちゃんといると疲れない?という質問された。
戸塚先輩と塚ちゃんって確かに真逆っぽいもんなぁ。

「いえ、塚ちゃんといると元気になります。
ここに来れたのも塚田先輩のおかげです」

塚田〈ほらぁ、とっつーだけだよ!
そんなこと言うの!〉

戸塚〈そんなことないよ〉

「あー…でも塚ちゃんが中学校に上がってから“塚田先輩”って呼ぶ呼ばないで言い合いになってましたね…今は普通に呼べるんですけど」

戸塚〈ふふふ…〉

塚田〈だって塚ちゃんだと威厳なくなっちゃう〉

戸塚〈そういうとこだよ。…で、茜さん何か本借りる?〉

「あ、じゃあ、これ借ります」

好きな短編小説シリーズの本。
まだ読んだことないやつだったからこれに決めた。

戸塚〈はい、どうぞ。塚ちゃんなしでもおいで。
だいたい僕いるから〉

「ありがとうございます!」

これが最初。
次に行ったら同じクラスの橋本くんがいたり。今度行ったら戸塚先輩だけで塚ちゃんへの対応を相談されたり。
他の日に行ったら塚ちゃんが五関先輩連れてきてたり。
ほぼ毎日行くようになって、ほぼ同じメンバーで話すようになって、戸塚先輩が部屋を貸してくれて。


……大好きな居場所になったのです。


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𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

『ダンススクールⅠ』


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次回.໒꒱

先輩が通うダンススクール✊🏻💬
通う中にはあの人も…❕❔
五関視点の1話のみになります🌀


明希.☕・2023-01-16
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に18作品あります

アプリでもっとみる

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸

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特別編 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝚁𝚒𝚌𝚘

「🌤️」りこまちゅのお昼休み𓈒𓂂𓏸


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グレフルのりこまちゅ𝙲𝙿🫰🏻💭
𝟸人のお昼休みを書いてみました🎀


りこちゃん「」 松倉くん『』


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「あっ、かいとー!」

『りこー!』

とある日のお昼休み。
隣のクラスの彼氏がひょこっと顔を出す。

「お昼持ってきた?」

『もちろん!』
『あとさ、今日晴れてるし屋上いかない?』

「えっ屋上!?行く!」





屋上に向かっている途中で明希ちゃんに会った。
𝟹年の五関先輩も一緒にいる。

「明希ちゃーん!」

明希【わぁっ、りこまちゅだ~!】

『五関先輩だ!』

五関【どうも】

「何してるの?」

明希【じゃんけんに負けちゃって】
【先輩の荷物持ちになった…】

五関【付き添い、ね笑】
【𝟻人分のジュース𝟷人で持つの無理】

どうやら𝟷階の自販機まで行くようだ。

『彼女にはめちゃめちゃ優しくします』

五関【?うん】

『だから先輩も彼女に優しく』

五関【違うからね?彼女とかじゃないから】

『えっ!?』

明希【もしやこれも橋本くんのしわざ…】

「たぶんね…笑」

橋本くん噂流して怒られてたもんなぁ…笑
海斗もそれ聞いてたんだ。

五関【そろそろ行くよ明希】

明希【はーい、りこちゃん松倉くんまたね!】

「私達も屋上行こ!」

『うん!』





𝙸𝚗屋上

「きれいに晴れてる!」

『うん、良かった笑』

晴れの昼休み、そして海斗の隣!

「授業ちゃんと起きてる?」

『たまに寝ちゃうんだよ』

なんて他愛のない話をしながらお昼ごはんを満喫中。

「授業面倒…」

『放課後予定あったり…する?』

「…?ないけど」

『放課後デートしよう』

「いいよ!制服デート憧れてたんだ!」

『ショッピングモールとか行く?』

「じゃあプリも撮れるね!カフェも行きたいな…」

『いいね、りこの好きな場所行こう』

「海斗、今日甘々だね?」

『さっき五関先輩に言ったでしょ?』

“彼女にめちゃめちゃ優しくします”
って言ってた、そっか。

「ありがとう!海斗大好き」

『俺もりこ大好き』




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りこまちゅのお話書くの初めてだし
変なところあったら申し訳ない…😓🌀
少しでも癒やしになれたなら嬉しいな🎀

明希.☕・2023-01-17
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎
りこまちゅの日常、覗いてみる?

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟷𝟹-𝟹話𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🩷』好きの否定は辛いらしい𓈒𓂂𓏸

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戸塚〈うーん…モテ期?〉

『いらねー…』

戸塚祥太曰く“モテ期”。
…ほら今も絡まれてる。明希を待ってるだけなのに。

『あっ、明希…』

明希がやっと来たからこれで開放されると思った。

[先輩って好きな人とかいるんですか?]

帰そうとしないようにしているのか質問してきた𝟷年生。明希が空気読んで先行こうとしちゃってるじゃん、置いていかれる…。

『好きな人、いるよ』

その人に置いていかれるところですけど。

『じゃあ行くから』

[待ってください!…好きな人って茜先輩ですか]

『…そうだけど、なに?』

えーバレてる。わかりやすいのかな俺って。

[なんでですか…?]
[そうですよ!なんであの人なんですか]
[この子の方可愛いじゃないですか!]

ムカついた。“否定”を言うのは軽いけど言われる側としてはめちゃめちゃ重くのしかかる。明希が河合のこと話してるのをずっと否定してた俺が言えることではないからなんにも言えない。

『……俺さ』

“さすが私の河合くんです_!”

やっぱりそこまで河合を好きでいるから嫉妬はするけど。あんなに否定し続けたのに来てくれる彼女の根気は尊敬してしまう。

『好きなんだよ、あいつ』

言葉にした瞬間、すごく自覚しちゃって。他人に言うんじゃなく、ただ本人に伝えたいと思った。振られるかもしれない、距離を取られるかもしれない。でも言いたい。


『じゃあね』


自分でも笑えるくらい君が好きなんです。





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𝟷𝟹-𝟺話𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🩷」好き同士らしい𓈒𓂂𓏸

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「(そりゃ先輩だって好きな人いるよな)」

とぼとぼ歩いていたとき後ろから走ってくる音がした。

『明希!待って』

「せんぱ、い…」

なんで好きな人いるのに私と帰るんですか。

『なんで先行こうとしたの』

「あ、の…話しかける勇気がなくて」

『そう、…話聞いてた?』

なるべく明るく接しなければ。
あれ、いつもどんな感じだったっけ?やばいやばい…

「好きな人いるって聞きました」

『そっか、それだけ聞かれてたか』

聞いちゃ駄目でしたよね、ごめんなさい。

『俺の好きな人はね』

「聞いていいんですか?」

正直聞きたくないんですけど…。なんてことは言葉にできず五関先輩が話を続ける。

『俺の好きな人は他の人を見てて俺のことを見てくれないの。そのくせ、かっこいいって言ってくれる』

「へぇ…変な人」

『本当ね笑 でも優しくて可愛いよ』

ちょっと悪態ついてしまったのに笑って返してくる。話してる顔は幸せそうで勝ち目ないなって思った。

『……気づかないの?』

「えっ」

明希も知ってる人だよ、って言われても。

『…冷たくしてもめげずに話しかけてくれるし、いつも俺の隣にいてくれる』

昼休みしか一緒にいないから知りませんよ

『…鈍感。笑』

そんなこと言われても。分からないよ先輩。

『…寄り道していこう、教えるから』



誰もいない近くの公園に着いて私をブランコに座らせる。先輩は目の前にいるので五関先輩を見上げる形になる。

『本当に気づかないの?』

「…分からないです」

『俺のこと見てくれなくて、かっこいいって言ってくれて、優しくて可愛くて、話しかけてくれて、いつも隣にいてくれて、素直すぎる』

『すっごい鈍感な𝟸年の後輩なんだけど、知らない?』

笑った顔がキラキラしてて見続けられない。そらそうとしても先輩が両手で頬を覆うから逸らせない。

『顔真っ赤だよ、明希?』

愛おしそうに頬を撫でられてもさらに真っ赤になるだけですから。先輩の口から言われなきゃ信じられない。

「わからない、です」

『分かってるでしょ、明希』

イタズラな笑顔が目の前にあって。



『俺は明希がずっと好きです』




目を合わせるといつもより真面目で、いつもより怖がってる初めて見る五関先輩だった。

「……“俺のこと見てくれない”のは間違いです」

立ち上がってかっこつけたかったのに先輩との距離が近くてドキドキ。早く私も言わなきゃ、好きだって。

「私も、先輩が好きです」

やっと言えた、ずっと言いたかった。先輩は思った反応と違ったみたいでめちゃめちゃびっくりしてるけど…。

『いつから…!?』

「たぶん一緒に帰ったときから」

『じゃあ河合は!?』

「河合くんはアイドルとして好きなので…その、…五関先輩への好きは…恋愛、としてというか」

『マジ、か…』

先輩の白い顔が耳まで真っ赤になってて可愛い。

『めっちゃ嬉しい…!』

「わわっ…!」

抱きつかれた、えっ私今先輩の腕の中…!?

「…~!?」

『付き合ってください』

そんなのいいに決まってる。「もちろん!」って言葉とギューって抱き返して。

『可愛い…笑』

えっ聞き間違い…ではない、よね?カワイイ…可愛い…!?

「…!?バカバカバカ…」

『こら、背中叩かない』




『ほら駅まで行くよ』

「いや手繋が…!?」

『彼女でしょ』

自信に満ち溢れたこの顔で
ニヤッと振り向くのはかっこよすぎる。
本当に狡い。



*─────────────*


𝚃𝚑𝚊𝚗𝚔 𝚢𝚘𝚞 𝚏𝚘𝚛 𝚛𝚎𝚊𝚍𝚒𝚗𝚐.


*─────────────*

完結❕
正直に言うと両想いエンド書けなすぎて
グダグダしちゃいました、無念…❕
五関さんのあざとさ全開の最終話に
なってたらいいなと思います💭

明希.☕・2023-04-17
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟼-𝟷話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🧃」ときめくな、私𓈒𓂂𓏸


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今日は早く学校が終わる日。𝟻時間目が終わり帰る支度をしているときだった。塚ちゃんが私の教室にやってきた。橋本くんはもう帰っているので用事があるとすれば私だ。

「塚田先輩どうしました?」

塚田〈もう帰る?ちょっと帰りが遅れそうでさ〉

「帰るけど…」

塚ちゃんと一緒に帰る約束してたっけ。

塚田〈俺も今帰る予定だったんだけど、文化祭の説明受けることになったの。でも今日五関くんとうちの近くの公園で練習する予定で…五関くん俺の家まで送ってくれない?アイス奢るから〉

「いいよ、じゃあバニラアイスで!」

塚田〈明希安いので済むから楽♪五関くんには説明してあるから玄関で待ってるはずだからよろしくね〉

「…わかったけど一言多い!」

よし、先輩を待たせるわけには行かないし急ぐか。昇降口に急ぐとベンチに座って自販機で買ったであろうサイダーを飲んでいる五関先輩と目があった。

あ、かっこいい。
……おかしいな、私そんな惚れっぽくないのに。

「お疲れ様です」

『ん…』

「じゃあ行きましょ」

意地悪してこない、しかも言葉数少ない五関先輩が不思議で仕方なかった。…理由はすぐに分かったけど。

[あれ明希ちゃん、彼氏さん?]

「違うよー、塚田先輩に頼まれて送るところ」

[五関って彼女いたのか!]

『…塚ちゃんの家まで案内してもらうとこ』

[そういえば塚田、先生に呼ばれてたっけ]

危うく塚ちゃんを恨むところだった。
……周りの目線が痛い。ほぼ知らない人だけどクラスの子とか会いたくないな。

「五関先輩。とりあえず学校から抜け出しましょう」

『おっけ』

隣の先輩が車道側を歩いてくれている。
いつも意地悪なくせに。

『明希~後でアイス奢って。』

「なんでですか!?」

『目立ったの明希のせいじゃん』

「……高いのは買いませんよ」

『スイカバー』

「まぁそれなら買ってあげます」

私も目立つの嫌なんですけど。
というか後輩が先輩に奢るってなんですか。
なんで恋人同士だと疑われるんでしょうね?
そんな些細なことすら言えずに無言で歩く。
何故かあの顔が忘れられなくて緊張してしまう。
何か…なにか話したい…!

「あの、河合くんのライブが決まったんです!」

『…そう』

「ライブ行ったら先輩も河合くんのこと見直すと思うんですよね!」

『……』

「…今日は意地悪してこないんですね」

『いつも意地悪なんてしてないよ』

五関先輩のテンションが比べ物にならないくらい低い。私もそんなに喋るのうまくないのに…。

「…サイダー好きなんですか?」

『普通…ミルクティーが好き』

「えっ…」

可愛い。
……いや、だめだめ、そんなこと思っちゃ。

「炭酸飲んでるの似合ってましたよ」

『似合うってどういうことよ?笑』

「𝙲𝙼にありそう!…みたいな?」

よし、やっと笑ってくれた。

『明希って河合以外の話できるんだね。笑』

「できますよーそれくらい…」

『いっつも河合の話ばっかりじゃん』

「うっ…迷惑でしたか…すいません」

言い訳するなら五関先輩以外聞いてくれる人いないんですよ!でも、迷惑をかけてしまっていたなら本当に申し訳ない。

『迷惑じゃないけど、恥ずいの。気にしないで、笑』

『でも河合の話以外だと嬉しい』

そう笑った。キラキラしてた、私に向けられた笑顔。
半年間一緒にいて初めて見たかもしれない。
…違う、私が見てなかったんだ。目を見るのが苦手で、五関先輩の顔を見ないで、河合くんの話ばっかり。

『どうした?』

こんな可愛い笑顔、こんなきれいな目、こんな…

『明希?コンビニ寄ってくよ』

「あっ、はい!」

ときめくな、好きになるなよ、私。






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𝟼-𝟸話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🧃」ときめいた、私𓈒𓂂𓏸


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もうあの笑顔以降のこと覚えてないけど、ちゃんと先輩を送ったと思う。塚ちゃんから「ありがとう」と𝙻𝙸𝙽𝙴来てるしたぶん大丈夫。

確かにときめいた。認める。
でも、好きとかそういう訳では無い。断じて!

塚ちゃんから奢ってもらったバニラのアイスクリームを食べながらまた同じことを考える。考えに考え抜いて、こんな結論にたどり着いた。“意地悪ばっかりされてるから優しくされたのが珍しくて驚いた"これが結論。

だって好きとかそういうの分からないし…。
河合くんしか勝たないし。
あの笑顔がキラキラしてたからって好きとか違う!

河合くんが出てる恋愛ドラマも途中から見れてないし。…𝟹話から河合くんが演じる役の恋が進むシーンで…見れなかった。昔から刑事ドラマやゆるいアニメが好きで、恋愛ものには触れてこなくて。特に恋愛ドラマや映画が苦手。困ることはないとか思ってたけど困るじゃん。どうしようかな。

「はぁ~…」

ほぼ無意識に河合くんの𝚃𝚠𝚒𝚝𝚝𝚎𝚛を開く。ドラマ現場で撮った自撮り写真。可愛いトイプードルも一緒に写っている。可愛い、それにやっぱりかっこいい。あれ、なんだ。やっぱり河合くんしか勝たないじゃん!

_そんな彼を知ったのはショッピングモールでのライブだ。

ー𝟷年前ー

ショッピングモール、最大級に苦手な場所。でも今日は買いたい本があるから頑張ってきた。人がいっぱいいて、ライブの音は思ったより大きくて。
人だかりが出来てるけど誰がライブしてるんだろう。

「𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢…」

駆け出しアイドル、そう書いてあった。𝟸階から見えるのはそれくらいだけで個人名はさっぱりだった。

[メンバー紹介していくぜー!]
[リーダー!~~~!]

紫の衣装を着た茶髪の人が次々にメンバーを紹介していく。最後にその人が名前を言うとき、人生が変わったんだ。

「メンバー最年少、河合郁人でーすっ!」

𝟸階からでもわかるくらい綺麗な笑顔だった。パフォーマンスもアクロバットとかあって、最年少とは思えないほどしっかりしてて。笑い声が独特で。

“ ずっと君を守るよ どんなときも "

歌声も本当に素敵で。

“ありがとうございました~!"

礼儀正しくて。

だから思わず手を振っちゃった。

なんにも知らないのに、ファンじゃないのに。しかも小さく、見えるかどうか微妙だったのに。彼は気づいてくれたのか両手で手を振ってくれた。今まででこれ以上ないドキドキだった。

そこからグループのこと調べたり、河合くんの𝚃𝚠𝚒𝚝𝚝𝚎𝚛見てみたり。河合くんが𝟷個上だって知ったり。まぎれもなく大好きになったのだった。





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𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

「文化祭𝚒𝚗𝟷𝚜𝚝𝙻𝚒𝚟𝚎」「文化祭𝚒𝚗𝟸-𝙱喫茶」


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次回.໒꒱

ついに迎えた文化祭本番❕
2人の物語が進んでいく予感…❔
文化祭編が思ったより
長くなってしまったので前編を
お送りします🎀(?)

明希.☕・2023-02-06
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟺話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🩰』ダンススクールⅠ𓈒𓂂𓏸


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『お疲れ様でーす…』

行く気がなくなっていたダンススクールにもなんとかたどり着きクラスに入った。俺のクラスはパフォーマーを目指している人が多く、通いながら活動している人も中にはいる。

《あっ五関ー!どうした?元気ないじゃん》

お前のせいだ、河合郁人。
河合はアイドルユニット《𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢》のメンバー。
…明希の推し、そして俺の友人。

『はぁ…あのさ。』

本人に相談するのもなんだが頼れるのも河合だけだったので聞いていることにした。

『ファンを辞めさせるにはどうすればいいと思う?いつも俺に推しの話をしてくる後輩がいてさ。』

《辞めさせなくていいんじゃない?だってそんなに好きなんでしょ、辞めさせるなんてその子が可哀想だよ》

『……』

《なに、もしかしてその子のこと好きなの?》

どいつもこいつも…恋愛話に飢えやがって…。怪訝な顔をしていたのか河合は察してくれて話題を変えた。

《じゃあ、その子の推しって誰?》

『……』

《…なんでそう嫌そうな顔するのかわかんない》

『色々あってさ』

言えない。
…きっと河合は単純だから会いに来る。

《めちゃめちゃ不機嫌なのはわかったよ》

こんなに不機嫌なの珍しすぎ、とスマホを向けてくる。どうやら写真を撮られているらしい。

『あ、おい!やめっ』

《だーめ。…よし不機嫌な五関ゲット~笑》

𝟻𝚌𝚖しか変わらないくせになんでスマホ奪えないんだ…!こういうとき身長がたまらなく欲しくなる。

《というか五関も顔いいしダンス上手いんだからアイドル似合いそうだよ》

『はぁ?……忙しくなるからやだ』

《後輩の子、五関のこともかっこいいって思ってるかもよ》

『絶対いじわるだって思ってるよ』

《ファンやめさせようとするの辞めれば?》

『否定せずに聞ける話じゃないっての』

《ふーん…》

河合の良さは俺だって分かってるけど。
近くで見てるんだからそんなのわかるけど。
ただ後輩が友人に向ける気持ちを聞くのが恥ずかしい。



*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

『大忙しの予感』


*─────────────*

次回.໒꒱

文化祭準備期間❕🙌🏻
塚ちゃんニコニコしてるけど
一体何を考えているのでしょう❕❔
次回も五関視点のみのお話です💭


明希.☕・2023-01-23
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟻話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🎶』大忙しの予感𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

𝟺時間目ホームルーム。あと𝟷ヶ月に
迫った文化祭準備についての話だった。

[軽音楽部や演劇部など部活に入ってる人だけじゃなく、去年の塚田みたいに他にパフォーマンスしたい人いれば先生に連絡してください。高校最後の文化祭だから悔いがないように、以上!]

先生が出ていくとガヤガヤと教室が
うるさくなってくる。後ろの席の
塚ちゃんはなに考え事しているようだ。
まぁ大体なにを考えてるかはわかる。

『塚ちゃん行くよ』

塚田〈…ふふふーん♪〉

えらいご機嫌な塚ちゃんと並んで
いつもの会議室へと向かう。

「あっ塚ちゃん!」

塚田〈塚田先輩、ね!明希も行く?〉

「うん!」

さすが幼馴染。
ほぼ主語がなくても会話が成立している。

「塚ちゃんご機嫌ですけど何かありました?」

『あー…多分文化祭のことだと思うよ』

「なるほど…去年もパフォーマンスしてましたね!」

やっぱかっこよかったです、塚ちゃん。
キラキラした目でそんなことを言った。
まぁ確かに塚ちゃんのアクロバット
パフォーマンスかっこよかったけど。
こいつ…誰に対しても“かっこいい”って言うのかな。

塚田〈とっつー来るの早いね!〉

戸塚〈うん〉

橋本〈俺もいますー〉

お昼ごはんを囲むのがなんだか
幸せで青春してるなって感じる。
隣の塚ちゃんのお弁当が「ザ運動部」の
お弁当で毎回驚く量をペロッと食べる。

塚田〈あっそうそう五関くんにお願いしたいことあって…モグモグ〉

戸塚〈食べ終わってから喋りなさい〉

『とっつー親じゃん笑 で、…なに?』

塚田〈ゴックン…俺と一緒にパフォーマンス部門に出てほしいの!俺、去年パフォーマンスを𝟷人でやったんだけど、𝟷人じゃできない技もあるし…〉

これは予想外だった。
さっきの考え事は俺と一緒に
パフォーマンスをするにはだったのか。

『俺…でいいの?』

塚田〈五関くんがいいの!前に見に行ったダンススクールの発表会凄かったから。お願い!〉

学校の授業やイベントではダンスを
本気でやったことがない。
それにダンススクールに行ってることも
言ってない。塚ちゃんはスクールの
発表会に見に来るか聞いた唯一の人だったのだ。

橋本〈いいじゃーん!五関先輩やってみたらどうすか〉

戸塚〈僕もいいと思うよ、最後だし〉

「私も賛成です♪」

答えに困っていると𝟹人が賛同の声をあげる。
……最後、だもんな。こんなに塚ちゃんがお願いされてるしやってみるか。

『…分かった。パフォーマンスやるよ。』

塚田〈本当!?やったあ!〉

他の𝟹人からは拍手が送られる。
なんだか照れくさい。

『…しょうがないから本気出す』

塚田〈じゃあ先生から用紙貰ってきたから!はっしーにもお願いあるんだけど。〉

塚田〈予定では小道具を使う予定なの。当日にステージ上で片付けたり移動させてほしい!〉

橋本〈そんなことか、任せてください!〉

塚田〈明希は観客ね〉

はっしーには確認したのに明希は観客で決定している。
それがおかしくて笑い声が出てしまう。
なんにもさせない予定らしい。

塚田〈明希には感動してほしいの!当日まで見ちゃだめ〉

「むむむ…それは有り難いけどさぁ…」

塚田〈とっつーのサポートでもしたら?〉

「戸塚先輩は部活じゃん」

久しぶりに始まったよ幼馴染の言い合い合戦。
とっつーをちらっと見ると彼も苦笑いで見守っていた。
良亮は早々に飽きてスマホいじってたけど。
昼休みが終わる頃やっと明希が
「じゃあ楽しみにしてます…」と諦めていた。



高校生最後の文化祭、忙しくなりそうだ。


*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

「ときめくな、私」「ときめいた、私」


*─────────────*

次回.໒꒱

久々の茜視点✊🏻
塚ちゃんのせいで
先輩と一緒に下校することに💭




個人的に五関さんは話すようになったら
呼び捨てにすると思う…👶🏻💭

明希.☕・2023-01-30
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎


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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟾-𝟾話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🐻‍❄️』ダンススクールⅡ𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

『お疲れ様でーす』

ダンススクール、いつものメンバー。
殺意に似たような感情をあいつに向ける。

『河合、なんで文化祭来たの?しかも𝚃𝚠𝚒𝚝𝚝𝚎𝚛にまで』

んー、ノリ?なんて適当な返事が返ってくる。

《なーに仲良かったじゃん後輩ちゃんと笑》

『俺がどんなに焦ったか!』

ニヤッとしながら俺の話を聞いている。

《でも、なんで隠してたのか分かったよ》

このテンションは本当にわかってる。まずい。
あのツイートが明希のことなんだったら。

《明希ちゃん、俺のファンでしょ》 

隠してきたことが無駄だったかのようにすぐ
バレてしまった。明希の持ってたトートバックが
河合考案のグッズだったらしい。

《俺と知り合いだって言ってないの?俺のファン辞めろって言ってたの!?》

『……ごめん、でも言い訳させて』

最初はちょっと嬉しかったんだ。友達のこと素直に応援してくれてるのを知れたから。好きなところを聞くのも気にしてなかったのに、段々とモヤモヤしてきて。悪態ついたり、ファン辞めろとか言っちゃったり。酷いこと言ってるのに、来てくれた明希にずっと甘えてた。

『ごめん』

《俺も独占欲あるから分かるし許すけど、ファン傷つけてたら怒るよ》

『うん…でも最近は河合以外の話もしてくれるから』

確か…塚ちゃんの家に送ってもらったときからかな?河合の話ばっかりだったのがテストとかキャラクターとか色んな話をしてくれるようになった。

じゃあさ、と優しく笑って質問してきた。
同い年なはずなのに先輩のような風格。
何故か俺も素直に答えようとしているのが怖かった。

《五関は明希ちゃんに好かれたい?》

『…俺のこと見てほしい』

そう思ったのは文化祭で「かっこいい」って言葉と目線を俺に向けてくれてからだった。

《ふふふ…五関にも春が来たんだねー!笑》

『何言って』

《どう考えても好きじゃん》

こんなにウジウジした五関初めてみたんだけど笑
なんて笑ってる。俺は笑う余裕なんてなかった。

《でも、𝟷𝟶𝟶%で応援はできないな。だって俺の大切なファンだし俺のこと見てくれないと嫌じゃん?》

勝負だね、ってキラキラした目で言われても。そしたら勝負する暇もなくあいつの勝ちなのに。

『(俺、明希のこと……好きなんだろうな)』

《そんな可愛い五関くんにお願いしたいことがあります!》

『……なに?』

《𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢のライブがあるんだけど、バックダンサーで出てくれない?》

『はぁ!?』

ライブと言ってもまだ数曲歌わせてもらうだけ。チケット𝟷枚もらってたから五関に見てほしかったんだけど、出てくれる人が怪我してしまった。𝟷枚貰ってきたチケットあるから明希ちゃんにあげなよ。
…河合からすらすら出てくる爆弾発言。一回止めないと俺の脳が爆発してしまう。

『待て待て!そんな簡単にバックダンサー出れるもんなの?』

《五関なら全然問題ない!文化祭のパフォーマンスも良かったし明希ちゃんも見てくれるかもよ?笑》

「明希が見てくれるかも」なんて言葉に弱いのが改めて実感した。しかも今回もパフォーマンスだ。

『…分かった』

《よし!じゃあチケット明希ちゃんに渡しておいて》

かっこいいって言ってほしいけど。明希のことだからほぼ河合しか見てないんだろうな。









*─────────────*


𝟾-𝚜𝚞𝚋話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🐻‍❄️」先輩が住みついた𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

「えへへ…」

『…またニヤニヤしてる』

今日もまた五関先輩とふたりきりの会議室。
戸塚先輩はカウンターで委員会の仕事してます。

「だってだって河合くんがうちの高校にいたんですよ~?一緒の空間にいれただけで幸せ…」

『ふーん』

河合くんのことはやっぱり大好きなんだけど、最近少し悩みがありまして。

『明希さぁ…あの、』

最近先輩といるとドキドキすること。

『(まだ𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢のライブ公表されてないから言わない方いいのか…?)』

『やっぱなんでもない』

「…えー?」

そして最近、先輩がウジウジしてること。

『……』

それにしても文化祭かっこよかったよなぁ…塚ちゃんも五関先輩も。河合くんも来てたらしいし、トップバッターの戸塚先輩も凄かったしあの文化祭最高だよね。ぼーっとしてた先輩には心配しちゃったけど。

「文化祭のときぼーっとしてましたけどその後は大丈夫です?」

『あれは…大丈夫だった』

「熱中症かもって」

『そもそも明希のせいだし』

「へっ?」

文化祭のとき橋本くんが言ってたの本当だったの!?

「どういうことですか」

『…とにかく明希が悪い笑』

私はなんにもしてないのに~!

『あと、色んな人に「かっこいい」とか言わないほういいよ。勘違いする人いるから』

先輩にはたくさん言ってるように聞こえるかもしれないけど、案外好きな人と仲良い人にしか言いませんよ。

「…勘違い、ですか」

『そう、この口のせいで』

先輩の手が私の頬をつねる。驚きと照れで言葉が出ない。

「~!?」

『明希真っ赤になった笑』

「痛っ…からかわないでくださいよ…」

『反応が面白くてさ笑』

河合くんのときとは違うドキドキ。でもなんで優しい人じゃなくて意地悪なこの人なんですか、自分の心。



*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

「𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢ライブ!」
『素直に君を』


*─────────────*

次回.໒꒱

𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢𝙻𝚒𝚕𝚕𝚢のライブ本番❕
河合くんに会うのは2回目、でも緊張…
ライブ成功しますように💭


明希.☕・2023-02-27
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟽-𝟹話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『💌』文化祭𝚒𝚗三角関係𓈒𓂂𓏸


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塚田〈五関くん!…本当に大丈夫?今日変だよ〉

正直さっきまで大丈夫じゃなかった。
原因となった明希を前にするとボーッとしてしまう。
何かを察した良亮にはニヤニヤされ、
ピンときてない塚ちゃんにも心配されている始末。

“五関先輩かっこよかったです!”

かっこいいとか色んな人に言う人なのは
知ってるんだけど、やっぱり動揺しちゃって。
好きとかじゃなくて、そもそも面と向かって
「かっこいい」なんて言われないから慣れない。
それに初めて目が合った気がした。
初めて俺のこと見てくれたような嬉しさがあった。

塚田〈俺、担当だから行くね。辛かったら保健室に行くんだよ?〉

『うん』

目が合うことはあったかもしれない。
でも…こんなに自分が照れるとか想像してなかったな。

「先輩!」

『明希…どうした?』

「先輩のこと心配だったんですよ」

『そう、だったんだ』

なんでそんなこと素直に言えるんだろ。
照れるな五関晃一。俺も「さっきの衣装似合ってたよ」
とかお返しに言えればいいのに、
素直な後輩がちょっぴり憎くなる。

「戸塚先輩が古本市やってるんです。一緒に行きません?」

『𝟷人で行けないの?笑』

「𝟸人で行くとクレープ半額になる券もらえるんですって」

他にも誘える人いるだろうに。
なんで俺、とかも気にしてしまう。

『いいよ』

やったぁ、なんて嬉しそうにしてるのすら
照れてしまっていつものテンションになれない。
とりあえず目を見てられなくて周りを見ると友達がいた。

『マジか…』

「どうしました?」

𝟷番見られたくない相手に見られてる。
来るって聞いてないんだけど!?

『明希、ちょっと知り合いいるわ
…すぐ行くから先行ってて』

「わかりました」

……見てほしくなかった相手。

『なんで来た!?』

《青春してますねー笑》

なんでニヤニヤ顔の河合郁人がここに。

《あの子…前話してた後輩の子?》

『…そう』

《あの子の推しって𝟷人?》

『多分そうだけど』

そっか、と納得した顔をされても。

《でも五関のこと嫌ってる感じじゃないじゃん》

『今日だけだよ』

《というか俺のこと紹介してくれて良かったのに笑》

『…やだ』

《やっぱり好きじゃん》

そーゆーことじゃない。

『…明希のとこ行くから自由にまわってて』

《明希ちゃんっていうんだ、笑》

あ、やっべ。
忘れてくれ河合。河合に勝てるはずないんだから。

《明希ちゃんね》

『会いに行くなよ、お願いだから』

《どうしようかな~笑》

ニヤニヤしながら去っていった。
それにしても明希に河合郁人と知り合いとか
知られたらどうすればいいのか…。

『遅れた、ごめん』

「待ってました!戸塚先輩から私の好みの本あるって
聞いてたから楽しみだったんです♪」

クレープはついで、か。

『じゃあ俺来なくても良かったじゃん』

「戸塚先輩が会議室開放してくれるんです
…お昼一緒に食べる相手いなかったし」

『なんだその理由。友達いねーの?笑』

「いますよ、でも彼氏と食べるとかなんとか…
橋本くんは女の子たちに囲まれてたし、
塚ちゃんお化け屋敷の担当してるし」

『で、俺ね~しょうがないなぁ』

「本当ですか!?ありがとうございます」

でもこれで河合に合わせずにすむ。って
なんでこんなに会わせないようにしてるんだろ、俺。

……いや、まさかね。


*─────────────*


𝟽-𝚜𝚞𝚋話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🏹」河合くんと体力テストの話𓈒𓂂𓏸


*─────────────*



文化祭の数日後。まだ𝟹時間目が終わったところ。

「(河合くんの𝚃𝚠𝚒𝚝𝚝𝚎𝚛更新されてる)」

内容は数日前のお話のようで。
「友達が通ってる高校の文化祭行ってきた!
パフォーマンス部門凄かったなぁ…。
あとファンの子見つけちゃった😻
(気づいてくれなかったけど)」……らしい。

「(いいなぁ、その子羨ましすぎる!…って)」

気になったことがあってたまたま隣にいた橋本くんに
話しかけた。女子から超絶人気の橋本くんに話しかけて
るから、ひとりや二人睨んでくるけど気にしない。

「橋本くん…この写真なんだけど、うちの学校よね」

橋本〈そうだね、廊下の〉

「これ河合くんの𝚃𝚠𝚒𝚝𝚝𝚎𝚛なんだけど」

橋本〈えっ?…ファンの子って明希ちゃんじゃない?〉

「いやいやいや、ないない!…って
会いたかったなぁ…お昼からずっと会議室にいたから」

橋本〈会議室にいたの?〉

「五関先輩とお昼食べて、それ以降ずっと」

橋本〈…笑〉

「無言の笑いやめて?笑」

橋本〈…で、その話先輩にするの?〉

「先輩に負担かけてそうだから少なくしてるんだけど話したい」

あれ以降、河合くんの話ちょっと減らしたんだ。
話すことなくなっちゃうから、少しは話してるんだけど。
でも河合くんの話より他の話の方食いつきがいいから
たくさん話したいなー、とか。
楽しそうなの見てて嬉しいし。

そしてやってきた昼休み。嫌な顔されるのは
ほぼ確定なのでちょっとだけ覚悟して。

「先輩見てくださいよ」

『なに?…あ』

「気づきました!?絶対この学校ですよね!
…会いたかったなぁ」

『(今日のダンススクールで問い詰めてやる…)』

『本当にここ?違うんじゃない』

「さっき確認してきました。
しかもうちの教室の前なんですよ!
河合くんに見られるんだとしたら
もう少し可愛くいたかった…」

『…明希は…いや』

「…?」

『…良かったね』

そんな苦しそうな顔で良かったね、なんて言われても。他の話をしろ、という目を先輩しているのだが。

「…体力テストの結果返ってきました?」

『うん、𝙰だった』

橋本〈ちなみに俺も𝙰〉

戸塚〈僕も〉

塚田〈同じく𝙰!〉

橋本〈明希ちゃんは?〉

…言いたくない。
だからあんまり話題にしたくなかったのに!

塚田〈𝙳だって〉

「見ないで!?」

『成績わっる笑 シャトルランの結果酷っ』

「先輩まで…あぁ奪わないでー!?」

ひらひらと五関先輩の手元に私の最悪な結果が。
身長と体重のところは見えないようにしたから
いいんだけど、結果が酷すぎるから見せたくない。

「…シャトルランに関しては音が無理、怖い」

『あれねー笑』

楽しそうですね先輩…さっきとは真逆の顔してますよ!?
…って取れない!

戸塚〈そろそろ返してあげなよ~?〉

『しょうがないなぁ』





*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

『ダンススクールⅡ』
「先輩が住みついた」


*─────────────*

次回.໒꒱

次回ダンススクールに行った五関先輩。
もちろんあの人もいてまさかの方向に❕❔

ちなみにシャトルランは本当に駄目です
ワーストぶっちぎりでした


明希.☕・2023-02-20
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟷𝟶-𝟷話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🎐』反対派?塚ちゃん𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

夏休み前最後の昼休み。いつもは賑やかなんだけど、今日は明希がお休みです。隣にいるはずの後輩はいないし、塚ちゃんずっと心配してるしテンション低い。

橋本〈やっぱり明希ちゃんいないと寂しい〉

塚田〈朝から学校行けないくらい辛いって〉

『……』

戸塚〈今はちょっと良くなった?〉

塚田〈どうだろ…でも寝てたら起こすの申し訳ない〉
塚田〈こういうときは…明希のお母さん、も仕事か〉

『え、明希𝟷人なの?』

橋本〈そういえば五関先輩って明希ちゃんとうまく行ってますか〉

塚田〈えっ?〉

橋本〈どうみても五関先輩、明希ちゃん好き…〉

塚田〈えー!?本当なの五関くん!前否定してたけど本当だったの!?〉

『……えっと』

素直に言えばいいのか、「違う」と言えばいいのか。

戸塚〈幼馴染と同級生の恋くらい応援しなよ〉

塚田〈というか河合も正直まだ認めてないから!〉

戸塚〈…塚ちゃんの愛はいいと思うけど、今後茜さんを守るのは塚ちゃんじゃないんだよ?〉

塚田〈で、五関くんは好きなの!?〉

塚ちゃんととっつーの噛み合っていない会話をボーッと聞いていたら胸ぐら掴みそうな勢いで質問してきた。というか若干掴まれてる。…相手は塚ちゃんだ、下手に嘘つくより認めたほういいのかもしれない。

『…好き、かもしれない』

橋本が女の子みたいな悲鳴を上げる。乙女か。素直に言ったのが良かったのかちょっとだけ認めてくれたようだ。

塚田〈…帰り話聞くから〉

『おう…』

そうだ忘れてた。塚ちゃんの家でテスト前の勉強会しようって話をしてたんだ。でもどう説明すればいいんだろう。

橋本〈俺に相談してくれてもいいんですよ!〉

戸塚〈張り切ってるからね、笑〉

橋本〈また噂流します?〉

『……明希に怒られるぞ』

橋本〈そうだ、明希ちゃん河合くんのことばっかり…って五関先輩ごめん〉

『全然大丈夫』

戸塚〈五関くん苦しそうだよ〉

『苦しそうな顔してた…!?』

明希がどうこうより河合の名前が出てくるからだと思う。…いや河合のことを話す明希を思うと嫌なだけ。

プルルルルッ

『明希…!?』

かけてきた相手は先程から話題になってた明希本人だった。

塚田〈なんで俺じゃなくて五関くんなのー!?〉

『はい…』

「……もしもし…」

具合が悪いからなのかなんなのかちょっと甘い声。あー…やめやめ、ちょっと心臓うるさい。

「……塚ちゃん?」

おい。

『五関ですけど』

「えっ!?」

幼馴染と先輩かけ間違えるとかあり得る…?











*─────────────*


𝟷𝟶-𝟸話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🎐」もしもし塚ちゃん𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

「(うぅ…お腹痛い)」

あれです、女の子特有の月𝟷あるあれ。お腹痛い、腰痛い、頭も少し痛いわで最悪。夏なのに毛布をかけてずっと寝てます。


「塚ちゃん出るかな」

今は昼休みだと思うし…。𝟻時間で学校が終わる日だから…塚ちゃんにスープとチョコレートでも買ってきてもらおうかな。はい、と声が聞こえる。

「…もしもし……塚ちゃん?」

『五関ですけど』

「えっ!?五関先輩…!?」

塚ちゃんのスマホを先輩が持ってる…わけじゃない。あー普通にかけ間違えてる!めっちゃ恥ずかしい間違い方しちゃった。

『間違い電話?…塚ちゃんいるからスピーカーにしようか?笑』

「ごめんなさい…お願いします」

『塚ちゃーん、明希から間違い電話』

橋本〈間違ったの?笑〉

『塚ちゃんにかけようとしたら俺にかけちゃったんだって笑』

塚田〈スピーカーにしてある?〉

『してるしてる』

どうやら会議室にいるようでみんなの声が聞こえる。

塚田〈明希?大丈夫?〉

「うん…薬のんだからちょっとは」

塚田〈どうしたの?〉

「あの…スープとチョコレートが欲しいなぁって」

塚田〈分かった、帰りに持ってくからね〉

「ありがと、」

塚田〈他は大丈夫?〉

「橋本くん授業ノートとかって借りても…」

橋本〈ごめん、古文と数𝙱は爆睡してるわ〉

「知ってた、…友達に借りる」

『まだ時間あるけど通話繋げとく?』

「いいんですか?」

『いいっしょ』

塚田〈明希好きな人いる?〉

えっなに唐突。

「んー…塚ちゃんが思ってるような人はいないよ?河合くんを入れていいんだったら河合くんって言うけど」

『…お前休んでても河合なの』

「自分の部屋グッズしかないですし…目の前にポスターあります」

『…そういえば、前のライブでも買ってたな』

買うときとか荷物持ってくれたりしたっけ。

「あの時ありがとうございました」

橋本〈じゃあ好きなお菓子は?〉

「紅茶クッキー?」

戸塚〈ほしい本は?〉

「某先生×生徒の恋愛漫画ですかね」

戸塚〈漫画は無理だなぁ…〉

あ、…図書委員としてリクエスト聞いてくれたのか。

『恋愛漫画嫌いじゃなかった?』

「ドラマと映画が苦手なだけで𝟸次元は好きです」

塚田〈俺に鍛えてほしい筋肉は?〉

「筋肉の知識ないから知らない」

なんでこんな質問コーナー始まってるの!?

『河合以外で好きな奴いるの?』

「いないです」

『…そう』

五関先輩テンション下がってない?理由を聞こうと思ったけど先輩にかき消された。

『チャイムなったか…明希切るよ』

「あっ、はい…ありがとうございました」

塚田〈また後でねー!〉

「うん、待ってる」


*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

「ありがと塚ちゃん」
『幼馴染の塚ちゃん』


*─────────────*

次回.໒꒱

卒業シーズンに真夏のお話ですね…笑
生理シンプルに辛い。なんなら生理前から辛い🩺💭
まだ続く塚ちゃんシリーズ…笑
でももう10話、最終章に近づいています❕


明希.☕・2023-03-13
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸


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𝟷-𝟷話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🏫」愛おしい居場所𓈒𓂂𓏸


*─────────────*


𝟺月も半ば。図書室の隅にある会議室。図書委員会が使うらしいんだけど委員長の戸塚先輩権限で昼休みは私達のもの。

昼休みはすぐ憩いの場に直行。

「聞いてください河合くんが恋愛ドラマ決まったんですよ!」

戸塚〈ふふっ…急だね〉

『なに急に…良かったんじゃないの』

優しく笑ってくれる戸塚先輩の隣に座ってる
五関先輩が呆れながらこっちを見る。

「わーどうしましょう見れないです!」

『見なきゃいいんじゃない?笑』

「でもドラマですよ?見なきゃ絶対後悔する…」

『見なくなって推しやめれば』

私の“推し”の話をとことん嫌うこの人。

「私はずっと河合くんが好きですから!」

『……河合郁人、ねぇ』

「フルネーム知ってたんですね!」

『…そりゃ毎日言われたら嫌でも覚える』

『…センスないよ』

むぅ…。いつもより酷い言われよう…!
最初はそれが辛かったり嫌いだったりしたけど、慣れたせいか半年前から挫けず言ってきたかいがあったのか言い返せるようにはなった。

「モテませんよ、先輩」

『明希も同じでしょ?笑』

先輩が言い合いだと負けないから無駄なんですけど。
あ。次の授業、視聴覚室だったっけ。

「そろそろ行きますね」

戸塚〈移動教室?いってらっしゃーい〉

『ん。じゃね』

「えへへ…じゃあ行ってきます」

いつもはここでお昼食べてるんだけどバタバタしちゃって…移動教室恨む…!でも少なくてもいいからあの部屋にいる時間を増やしたい。出来ることならあのメンバーで𝟷時間いたい。最近は昼休みのために学校にいるような感覚だ。そこまで必死に守りたい居場所は今年でなくなる。先輩たちが卒業してしまうから。

だから五関先輩に嫌なこと言われても傷なんか付きやしない。

限られたこの時間を大切に。この𝟷年を楽しむのだ!












*─────────────*


𝟷-𝟸話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🏫』温かい居場所𓈒𓂂𓏸


*─────────────*


「聞いてください河合くんが恋愛ドラマ決まったんですよ!」

入室とともにそんな話題を振ってくる後輩。
名前は茜明希。いつもの集まりでは唯一の女の子。

戸塚〈ふふっ…急だね〉

『なに急に…良かったんじゃないの』

またその話か。
っていうか最初は挨拶とかでもなく推しの話…

「わーどうしましょう見れないです!」

『見なきゃいいんじゃない?笑』

「でもドラマですよ?見なきゃ絶対後悔する~」

『見なくなって推しやめれば』

冷たくあしらっても最近はめげなくなってきた。

「私はずっと河合くんが好きですから!」

河合郁人、ねぇ。
なんで沢山アイドルいるのに“あいつ”にしたかねぇ。

「フルネーム知ってたんですね!」

『そりゃ毎日言われたら嫌でも覚える』

『…センスないよ』

「……!」

さすがに今のは怒ったか?

「モテませんよ、先輩」

『明希も同じでしょ?笑』

怒ってもいいのに八つ当たりで済んだようだ。…確かにここに籠もってたらなんにもできないけど全く持って君も一緒だし。

「そろそろ行きますね」

戸塚〈移動教室?いってらっしゃーい〉

『ん。じゃね』

「えへへ…じゃあ行ってきます」

照れくさそうに「行ってきます」を言って
慌ただしい後輩が部屋を出ていく。

『はぁ~…』

今日も河合の話だけして出ていった。忙しそうだし。
もう少しすれば授業がゆるくなると思うけど…。

戸塚〈…五関くんって、茜さん嫌いなの?〉

『嫌いじゃないけど…あいつのファンかぁって』

とっつーはきょとんとしている。
まぁそこだけだとわからないよな。

『内緒にしてほしいんだけどさ』

橋本〈えっ何話してんすか〉

あータイミング悪い後輩だ。
塚ちゃんじゃないし良亮ならいっかな。

戸塚〈はっしー移動教室じゃないの?〉

橋本〈まだ大丈夫でしょ〉

『良亮も聞いていいけど、本当に秘密にして』

橋本〈はーい〉

『明希って河合好きでしょ。俺ダンススクール通ってるんだけど、…その河合本人もいたりするから…恥ずかしいというか』

戸塚〈本人…凄いね!?〉

というか、中学からの友達。
今週のレッスンでも会う予定だし仲は良い。

橋本〈なんだぁ。俺てっきり五関先輩って明希ちゃんのこと好きなんだと思ってましたよ!笑〉

くっつけたかった…と変に落ち込む良亮。

橋本〈くっつけようとした俺の努力…!〉

『なんでそういう話になるんだよ笑』

戸塚〈俺もそういうことなんだと思ってたよ。好きな子にちょっかいかける系の人だと…〉

『とっつーまで…!?』

戸塚〈傍から見たらそうとしか見えなかったよ?笑〉

『…じゃあどんな顔して明希の話聞けばいいんだ』

何故か明希はいつも推し…俺の友人・河合の話を俺に向けてしてくる。

橋本〈いつもここにいて話を聞いてくれて、なんにもしてないの五関先輩だけだと思いますけど〉

良亮は自分の趣味が多いからいつも何かやってる。
とっつーは図書委員の仕事の日がある。
今日来てない塚ちゃんは部活だけじゃなくて
先生の手伝いにも行く日がある。
…確かに俺ここに来てるだけだな。

『なんでよりによって河合なのかなぁ…』

他のアイドルとかだったら聞いてあげるのに。

戸塚〈聞いてみたら?本人に〉

『気恥ずかしくて聞けねー…』


*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

「盛り上がる話だとしても」

『勘違いするとしても』


*─────────────*


キュン要素はまだないですが今後にご期待ください🪄
五関さんは呼び捨てで呼んでくれるんじゃ
ないかなって勝手に思ってます😵‍💫🫶🏻

𝟷-𝟸話みたいになってるときは𝟸話続けて投稿します🎀
どっちの視点かも表記しているので
わかりやすいかなぁと思ってます💭

ちなみに五関さんのイメージとしては
“今の五関晃一を学生にした”のではなく
“学生時代の五関晃一”をイメージしています💭
がっしり構えてる大人の余裕がある五関さんではなくて
ちょこっと思春期な五関さんです(語彙力)

次回.໒꒱
ある人の勘違いで変な噂が…❕
お友達と幼馴染も初登場🏫🙌🏻
お楽しみに🎶(ちょっとアニメ風)


明希.☕・2023-01-02
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟷𝟷-𝟹話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「💬」嫌いじゃないけど𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

「……あの」

気持ちよさそうに寝られてもなぁ…。やっぱり近いし気まずい。嫌、ではないんだけど…というか寝てるの可愛い。

…だめだめ。五関先輩といるとずっと変なモヤモヤばっかり。モヤモヤだけではなくて、かっこいいのも知ってる。ミルクティーが好きなのも可愛いと思う。あの綺麗な笑顔を見たあの時からずっと抱えてたモヤモヤ。思い当たる言葉くらいは分かってるけど、認めたら先輩との距離がわからなくなる。

橋本〈あ。…お邪魔しました〉

「邪魔じゃない助けて」

橋本〈話だけは聞こう〉

迎え側に座ってニヤニヤしながら私達を見る橋本くん。

「……先輩寝ちゃって」

橋本〈気持ちよさそうね、笑〉

「…本当。でもなんでこうなってるのか…」

手を繋いだのも距離が近いのも全部分からない。

橋本〈こういうことされるのは嫌?〉

「嫌ではないし認めたくないけど、……あの」

きっとあの時から、一緒に帰ったときから。五関先輩と目があったら緊張するのも。五関先輩の距離が近いのだって嫌じゃなくて、嬉しいのも。

「好き…だと、思います」

橋本〈そっか〉

全部、小説みたいにベタな恋心でしかなくて。

「…河合くんを裏切った気分になるから認めたくないけど」

橋本〈そっちか笑〉
橋本〈両想い、ならなくていいの〉

「…両想いなんてなると思う?」

橋本〈うん〉

「優しいね」

河合くんの話をしてないと先輩に素を見せれてないというか。河合くんも好きなんだけど、リアコじゃないし「アイドル」として大好き。それに五関先輩のこと思ったより意識してしまうというか。

「先輩、そろそろ起きて」

『……んぅ』

河合くんのことだけ考えてる人だと思ってますか。意外と先輩のことで苦しんでますからね。

「ねぇ五関先輩?」

『……あと𝟻分…』

橋本〈手離せないの?〉

「先輩にガシって掴まれてる」

橋本〈こちょこちょするか!〉

原始的ね!?こちょこちょしてるけど、それでも起きる気配もなし。前、先輩にされたみたいにほっぺつねる?好奇心が勝ってぷにっと引っ張ってみる。するとほっぺを触った手も捕まってしまった。

『……あ、き?』

こちょこちょ効かないのになんで!?

「起きてます!?」

『うん、久々にゆっくり寝た…』

「…まぁそれなら良かったですけど」

橋本〈寝れてないんですか〉

『そうなの…寝れなくて』

さっきから横顔しか見れてなかったけど、確かにクマが目立つかも。

『…明希だぁー。明希といると安心するね』

寝ぼけてるのかいつも言わないことを口にする。

「辛かったら病院行ってくださいね?」

あと両手離してください。

橋本〈そろそろ帰ろー、五関先輩起きて!〉

「そうです、行きますよ先輩」

『はーい』

せっかく古文やろうと思ったのに全然進まないし、橋本くんに好きなのバレたし、ドキドキ止まらないし…あーもう。

*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

最終話:前編


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明希.☕・2023-04-04
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎


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グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟷𝟹-𝟷話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

「🗝️」好きな人と帰れるらしい𓈒𓂂𓏸


*─────────────*


約束した放課後の昇降口。

大体俺のクラスが先に終わるし、

教室が𝟸階なので(明希のクラスは𝟻階)

待ってることが多い。

でも最近おかしいんだよね。

[五関先輩さようなら…!]

『あ、さようなら…』

[返してもらえたじゃん]
[うん…!]

……あの子って知らない子なんだけど。

何年かも分からない。


「先輩」

『明希~あの子知ってる?』

「…𝟷年生ですかね?」

『急に挨拶してきたんだけど』

「言い方、笑」

でも、そっか。小声でそこしか聞こえなかった。

『ごめん、聞こえなかった』

「なんでもないですよ、独り言です」

慌てた様子で苦笑いのような笑顔をされても。

「行きますよ先輩」

河合が来たときから明希の隣を

しっかり歩くようにしてる。

…隣がいいなって改めて思った。

「近いです、先輩」

『ご、めん…』

さっきから“五関先輩”って呼んでくれない。

距離もとられてる気がする…。

『俺、なんかした?』

「いえ、あの子が凄いなって」

『誰のこと』

「さっきの挨拶したっていう子です」

だからってなんで距離とられるんだ。

ちょっとムカついてイタズラ心で腕を捕まえた。

「えっ!?ちょっと五関先輩」

『明希が離れていかないように』

「なっ」

かぁぁっと赤くなるのが可愛くて

「…勘違いされますよ」

『誰も見てないでしょ』

本当はそれでいいのに。

「離してくれないんですね?」

『すぐ離れそうだからね』

無理矢理にでも離せるのに。

夏休み中に寝ちゃったときもそう。

起きるまで手を繋いでてくれた。

あの時めっちゃよく寝れた…。

『夏休み中もありがとね』

「急に寝たときですか?びっくりしたんですからね!?」

『ごめんごめん笑』

「その後はよく寝れますか?」

そうやって心配してくれるのが嬉しい。

『うん、なんとか』

「それなら良かったです」

『でもあの時以上には寝てない…手借りてもいい?』

「そんなパワーあります?」

『ある、と思う』

口実作れるし、よく寝れるし。

「でも起こすの大変でしたよ。橋本くんがこちょこちょしても起きなかったじゃないですか」

『全然覚えてない…』

「私がほっぺつねったら起きましたけど…その時両手拘束されましたから!」

『…うん、可愛かった』

「へっ…!?」

やべ、つい口走っちゃった。

「…何言ってるんですか」

可愛かった、のは本当だったんだけど。

明希の顔が真っ赤だし言われること

あんまりないんだなとか、

俺だけでいいよなとか思ってます。

『…本当のことだけど?笑』

「冗談やめてください…!」

照れるの知ってるんだ先輩はぁ…!!

なんて好意は本気にしないのが

こいつ拗らせてるなと思う。


*─────────────*


𝟷𝟹-𝟸話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

『🗝️』先輩がモテてるらしい𓈒𓂂𓏸


*─────────────*


最近先輩はモテるようで。

[先輩さようなら…!]

『さようなら?』

[五関先輩いるかな?]
[いるって!]

「(図書室にまで来られても)」

先輩かっこいいからね、

好きになるのは分かるけど。

……やっぱり私も好きだし。

『明希~』

「……先輩」

五関先輩本人は気にしてないようで

話しかけてくるけど、私への目線が

めちゃめちゃ怖い。あの子達𝟷年生だよね!?

一応私も先輩なんですけど!!



橋本〈生物とか分からん〉

「それは同意」

なんてグチグチ言いながら生物室へと移動中。

最近、五関先輩につきまとってる(?)

後輩が話しかけてきた。

[あの茜先輩ですよね]

「な、何かな?」

[五関先輩のことなんですけど、付き合ってるんですか…!]

片想いでいいやとか思ってしまうけど、

でも誰かに隣をとられたくない。

「……付き合ってないよ」

[じゃあ橋本先輩と付き合ってるんですか!?]

「それはない」

超絶人気の橋本くんよ?ありえん!

橋本〈ひっどーい笑〉

「ごめんごめん笑」

[……そうなんですか]


私、身長低い方好きなんだよね。

…それを言ったら先輩になってしまうんだけど。


橋本〈明希ちゃんそろそろ行かないと〉

「うん、じゃあね」

[…あ、さようなら]

橋本くんありがとう、逃げたかったのわかってくれた?

橋本〈五関先輩さ、いつも真っ先に帰ってたから…明希ちゃんと帰るようになってから先輩のこと知ったんだろうね〉

「凄いよね、自分から挨拶も出来るんだよ?」

橋本〈明希ちゃんはいいの?とられるよ〉

「そりゃ嫌だけど、私じゃ戦えないでしょ」

橋本〈自己肯定どんだけ低いの笑〉







放課後。

約束してるから昇降口へと向かう。

五関先輩が後輩に囲まれてるのを見つけてしまった。

嫌だな、あんな風景。

「さすがにあそこに行く勇気ないよ私…」

先に行くにしてもあそこは通らないといけない。

早歩きで進みだしたときだった。

[五関先輩って好きな人とかいるんですか?]

聞きたいような、聞きたくないような話題がとんできた。

先輩の隣が他の人とか嫌だ。

ちょっと先輩の方を見たときまた先輩と

目があって逃げ出したくなった。

早く校舎から出ようとドアに手をかけたとき。

『好きな人、いるよ』

先輩の声が聞こえた。

先輩にも好きな人いるんですね。

そうだったんですか。

もうこれ以上聞いたら泣いてしまいそうだったから

すぐに離れた。






*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

最終話:後編


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次回完全最終話!!!!!


明希.☕・2023-04-10
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
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𝟷𝟶-𝟹話 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙰𝚔𝚒

「🎐」ありがと塚ちゃん𓈒𓂂𓏸


*─────────────*

塚ちゃんがもうすぐ来そうな時間。
また薬の効果がなくなってきたので
もう一回飲んで、ゴミを片付けた。
相手が塚ちゃんだから多少見られても平気だけど、
できるときにやっとかないと。

「(パジャマじゃだめかな)」

一応、部屋着に着替えて顔も洗って、
髪もとかして…寝起きよりはマシな姿なはず。

「(でも寝てたほう楽…気持ち悪いんだけど…それはしょうがないよね)」

ピンポーン

「塚ちゃん?はーい」

塚田〈明希ー、大丈夫?コンビニで買ってきたから〉

「うん、ありがとう…」

わっ、塚ちゃんさすが。
ダークチョコとたまごスープにしてくれてる!

塚田〈スープ今飲む?〉

「そうだね…お昼食べてないから」

塚田〈ちゃんと食べてよ?スープお湯入れて持ってくから部屋行ってて〉

そこまでやってくれなくていいのに。
でも食べないの許さないから断っても
やってくれるんだろうな。

「わざわざありがとう」

塚田〈ちゃんと𝟹食しっかり食べる、ね!じゃ、勉強会してるから。辛かったらまた言うんだよ!〉

「ありがと」

塚田〈好きな人できたら言うんだよ!〉

「塚ちゃんもねー!」

塚田〈あっ五関くん明希の部屋から見えると思う〉

えっ五関先輩!?勉強会って五関先輩と、か…。
窓から覗いてみると塚ちゃんの部屋からこっちを
見てる先輩と目があった。
先輩と目が合うと緊張する、なんで先輩に。

「せんぱーいっ」

『…元気じゃん』

「あはは…」

『ってか見せてもらってるアルバムにほぼ明希写ってんだけど』

「アルバム!?何勝手に」

先輩から写真が送られてきた。……あー!
保育園のときの…お遊戯会…。
なんで先輩にこの写真見せたんだ塚ちゃん…!

『そんな赤い顔で睨まれてもなー笑』

塚田〈五関くん明希は体調悪いんだから意地悪しない!〉

「そーだそーだっ」

『ちぇ、じゃあね明希。明日学校で会お』

「はい…勉強頑張ってください」




*─────────────*


𝟷𝟶話-𝚜𝚞𝚋 𝚜𝚒𝚍𝚎 𝙺𝚘𝚒𝚌𝚑𝚒

『🎐』幼馴染の塚ちゃん𓈒𓂂𓏸


*─────────────*



下校時間。
みんなガヤガヤと外に出ていく…みんな楽しそう。

『……』

塚ちゃんと勉強会か…さっきのこと聞かれるんだろうなあ。

塚田〈コンビニ寄らなきゃ〉

『チョコとスープだっけ?』

塚田〈たぶんダークチョコとたまごスープ〉

『それ明希の好きなやつ?』

塚田〈うん、大体同じものしか買わないから。あと基本的に分かりやすいし、嘘つけないし。泣き虫でしっかり者装ってるけどドシだし。素直に人のこと褒めることができるけど、悪く言われたら言い返せないし〉

明希はいつもね、って悪く言ってるのか
褒めてるのかどちらともつかない説明。
でも大事に思ってるのは伝わってきた。

塚田〈明希のこと本当に好きになったなら応援するから〉

今はまだ認めてないからね、なんて。
…優しいよね塚ちゃんは。
もう少し、自分の気持ちに寄り添ってみるから。

『ありがとう』

塚ちゃん宅。
向こうでは楽しそうな笑顔の𝟸人が見える。
…明希元気そうじゃん、心配してた割には。
塚ちゃんから借りたアルバムをペラペラめくる。

『塚ちゃん変わってねー…笑』

幼稚園の頃だろうか、小さい塚ちゃんのいつも隣にいる
女の子の写真がたくさんある。…たぶん明希だ。
昔から塚ちゃんは“お兄ちゃん”だったんだな。
塚ちゃんの前では柔らかい笑顔を見せている。

『(…学校では見せない顔。)』

学校で楽しそうなとき…やっぱ河合?
でも顔見れてないんだよな、河合の話を幸せそうに
話されるの見てらんない。アルバムを一通り見終わって
暇になったので窓の向こうの人間観察を始めた。

『(楽しそうだ)』

明希のこと、塚ちゃんみたいに知ってるわけじゃない。
好きとかあんまり知らないけど、
恋という感情ではないと思う。
そのくせ“また明希にかっこいいって言ってほしい”
って気持ちはまだ消えない。

『(俺は本当に好きなのか)』

ドラマとか小説のような感情とは違うから。
その時バチっと目が合った。「せんぱーい」なんて手を振っている。
緊張はしないけど笑っちゃいそうになって急いで隠す。

『…元気じゃん』

なるべく冷たく

『ってか見せてもらってるアルバムにほぼ明希写ってんだけど』

「アルバム!?何勝手に」

からかうように

スマホで送った写真を見てかぁぁっと赤い顔で睨まれても怖くないし。

『…明希への気持ちはなんですか』

小声で言ったって誰も答えてくれないだろ意気地無。


*─────────────*


𝙽𝙴𝚇𝚃 𝚂𝚃𝙾𝚁𝚈 🔜

「好きなのかな」『好きなのかも』


*─────────────*

次回.໒꒱

次回は夏休みのお話💭
もっと距離が近くなったり…❕❔
(次回予告が毎回下手になっていく…)


明希.☕・2023-03-20
グレープフルーツ・サイダー𓈒𓂂𓏸
ꕁ晃あき𝘕𝘰𝘷𝘦𝘭.❤︎

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