はじめる

#ワイン

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全35作品・

「妻と別れようと思う」


彼の言葉に心臓が大きく打った。



「…そう、なんだ」


私はそう告げて


ワインを一口含む。



私より二十も年の多い彼は


無論のこと奥様がいて


私はずっと家庭の


あれこれの聞き役だった。



男と女の関係はまっさらな程ない。




だけど私は彼の強さも


弱さも見つめてきて


とっくに彼が好きになっていたし


きっと彼も


私の気持ちに気付いていたと思う。



そんな彼が19年連れ添った


奥様と別れると言い出したのだ。



私の見たところ


彼と奥様はずいぶん早くから


上手くいっていなかった。



ぶっちゃけてしまえば彼は


奥様の不倫に悩まされている。



それでも彼は今まで


奥様との関係を貫いてきたのだ。





「何があったの?」


そう問いたくなるのは当たり前だろう。




「そろそろ潮時なのかなと思ってね」


彼は私の意に反して


自然とそうなったのだと言った。



「本当に、それだけ?」


「ずいぶん攻めるね」


「だって今まで耐えてきたじゃない」



食い下がって私は、彼を覗き込む。


彼は「参ったよ」と息をついて


ワインで喉を濡らした。



「今まで妻と続けてきたのは幼くして亡くなった子どもに申し訳ないと思っていたからだよ。でもね、妻は先日の子どもの命日をすっかり忘れて二日酔いで一日中寝入っていた…我が子の命日といったって二人で線香の1本もあげてやれなかったら、二人でいる意味なんてあるのかなと」


「それで、別れを切り出そうって?」


「うん」


彼の視線がワイングラスに落ちる。


キャンドルの火が


彼の目をゆらゆらと照らした。



「辛くはない?」


「……まあ、長年連れ添った思い出もあるからね、それなりには」


そう言ってから彼は


「でも、思ったよりは」と付け加えた。



「でも、思ったよりは辛くはないよ。それは君のおかげだと思うんだ」


いつの間にか彼の目が私を捉えていた。


視線がぶつかる。


息もできないほどときめいた。



「え…?」


「あ、いや、こんな時にこんな事を言うのは、ずるいだろうね」



彼はごめんごめんと


目じりに皺をためて笑う。



「いいの……嫌でなかったら、聞かせて?」



私は小さく、呟いていた。


すると彼は僅かに唸り


考え込んだ後、こう切り出す。



「好き合って、したはずの結婚生活は闇だった。努力もしたつもりだったけれど、妻にしたら何か欠落していたのかもしれないね。だけど俺も死にたくなる程の時もあってさ、そんな時、君がいてくれて、俺の話を聞いてくれた。変に気のある素振りを見せたこともない。ただ真剣に話を聞いて、俺と妻がうまくいくようにアドバイスをくれた」



「そんな君はね」


彼は続ける。



「俺の光だったよ」



ああ、駄目だ。


涙が溢れ出す。



「どうして泣くの」


彼が目をむいて、私に問う。


何処までも鈍感なんだから。



「だって…あなたの光になんて一生なれないと思ってた…」


そうだ。


一生、彼の光は奥様だと思っていた。


終わることの無い彼と彼女の関係


永遠の運命を手助けする脇役が


私の運命なのだと思っていたのだから。



涙くらい止まらなくて当然だ。



彼は、向かいあわせの


椅子を立ち上がると


私の隣へと移動して


おずおずと髪の毛をすく。



はじめて


彼に触れてもらった。


彼の腕の重たさが


心地よかった。




「妻と別れられるまで何ヶ月かかるか分からないけれど」


彼の声が間近に聴こえるのは


耳が彼にくっついているから。


至近距離に心臓がうるさい。




「俺は正式に妻と別れたら君に想いを伝えようと思う」



誠実な彼らしい言葉に


涙と共に微笑みが零れた。



「あー…」


「ん…?」


「プレッシャーに思わないでくれ。待たなくていい、誰か好きな人が出来たら迷わずそっちに…」



なんて、可愛い人。



「ううん…、待ってる」


「…本当に?俺はこんなおじさんだよ」


「…あなたを待ちたいの」



私は目を細めて


今更歳の差を気にする彼に


そう告げた。




私達の未来は


どうやら動き出したみたい。



ここからだね


きっとここから


私達の物語は紡がれていく。



あなたの新しい未来は


私が幸せで彩りたい。




…おしまい…

ひとひら☘☽・2020-01-27
幸介
幸介による小さな物語
幸介による疲れた人へのメッセージ
物語
小説
別れ
破局
紡がれる
あなたと私の物語
未来
独り言
ここから
結婚生活
君が好き
ポエム
愛してる
お楽しみ
誰かの実話かもしれない物語
心臓、跳ねた
誠実
ワイン
幸せ
彩り
失敗
結婚
離婚
彼女
叶わない恋
3つの宝物

君と遜色ない白ワイン

最高のめぐり逢い_

血のように赤いワイン

そんな明日への期待_

蒼桜 優凛・2021-12-28
赤い糸の行方
好きな人
ポエム
片想い
辛い
選択
ワイン
雰囲気
酒言葉

激しい鼓動に

色濃く咲くは

紅く染る潰れた心臓

冷えた身体に

微量のワインでも

胥葵 灯梓・2020-12-19
生澄花
紅に染め
心臓
冷えた身体
ワイン
恋愛
片思い
いけない恋
叶わぬ恋
好きな人
愛した人
人形
クリスマスまでに
この想いを聖夜の彼方へ
独り言
ポエム

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に35作品あります

アプリでもっとみる

呟いた七夕の願いが叶ったのか、
三日間位セレブに嫁いでました。

(セレブ過ぎてアプリ開くの忘れた)

優雅にワイン飲んでたら、
音楽の方向性の違いとかいう訳の分からない、
バンドみたいな理由で離婚されました。

セレブなんてさディスタンス
人生なんてディスタンス

今日は敬語でディスタンス

俺とお前とディスタンス
今夜は二人でディスタンス

第2派すらもディスタンス
俺の頭がディスタンス

byソーシャルディスタンス世界一位
なんやこれ

ゆーすけ(孤独で寂しいソーシャルディスタンス世界一位)プロフが長過ぎてツマラン俺がウザい・2020-07-11
七夕の願い事
叶った
けどクソだった
三日セレブ
結婚
離婚
壮絶な離婚
ワイン
投げ捨てました
音楽の方向性の違い
バンド?
独り言
呟き
ポエム?
詩?
そうじゃない
ディスタンス
人生
人生はディスタンス
これはもう
俳句
ごめん違う
ソーシャルディスタンス

At the bottom of a buttle.


You're the poison in the wine.


貴方はボトルの底に溜まった
ワインの毒のようで……

✄・2019-02-21
AVICII
Avicii
lonelytogether
Mayuの心
独り言が多い
ワイン
歌詞
好きな歌詞
洋楽

喉が焼けそうなほどに

情熱的で

目が覚めるほどに

鮮明

**雨美**・2018-12-18
クリスマス・ラブ
ワイン
酒焼け
恋心

少しきついワインの匂い

グラスに触れるあなたの唇

少しはだけた胸元

綺麗に手入れされた爪先

毛先を遊ばせてる長い髪

そこは静寂で包まれていて

あなたがグラスから唇を離した

微かな音までもが聞こえる

あなたの全てが僕を誘惑する

真悠・2019-03-18
誘惑
ポエム
フィクション
ワイン
グラス
静寂
独自設定ー悠葉

わたしの淡い恋心

真っ赤なワインに混ぜ込んで

あなたに呑ませてしまいたい_。

暁の夢・2020-07-15
夕焼けと共に
永遠に酔っていてほしい
ポエム
恋愛
恋愛ポエム
片思い
片想い
夏恋
恋心
淡い恋
淡い恋心
ワイン
赤ワイン
夕焼け
夕焼けに君を想う
愛してる
片想いポエム

欲望には抗えないだろ 身体は火照り 熱を帯びていく 甘いグラスにワインの口づけをしようか 君の唇をなぞって

逢瀬 誠・2021-07-12
欲望に忠実
キス
ADR
ワイン
Romantico
ポエム
大人の恋愛
Romantico

君の肌のように

黄昏が薄紅色に染まる

繋いだ手には汗を滲ませて

逢瀬 誠・2022-01-04
ロゼ色に染まりながら
タグを使わせて頂きました。感謝の言葉
ワイン
恋愛
ADR

肌触りは滑らかで
柔らかい

淡く染まる黄昏は

ビロードのワインを
一緒に飲んで

頬に手を添え
口づけをした

芳香を放つ君のようだ

逢瀬 誠・2023-03-04
ワインレッド
黄昏
ワイン
ポエム
芳香
ADR
口づけ
甘い口づけ

透き通る肌に、
艶やかなローズアイシャドウ。
ボルドーリップで誘うような笑み。

欲望がワインのように熟成されていった。

飲み頃になって、キミが姿を消すことも
理解していたのにーーー

sayang・2020-12-08
恋愛
男性目線
メイク
ワイン
時が癒やしてくれるまで






貴方のせいですべて台無しね

胸が焼けるように痛くなった

つつじ・2024-10-16
全ては貴方を選んだ私のせい
失恋
記念日
特別な夜
ワイン
お酒
アルコール
胸焼け
独り言

大人になったら、
君と一緒にワインを
のんでみたいな。

まだまだなはなしだけどね。

🤎🤍ふみ🤍🤎〜輝香〜お悩み相談所🌎☀️😁・2019-12-21
大人
ワイン
はなし
一緒
私と君物語




ワイン飲んだ🍷
ちょっと苦かった



嫁っ子

嫁っ子・2022-11-03
ワイン

他に35作品あります

アプリでもっとみる

その他のポエム

君に届け
9228件

独り言
1046008件

自己紹介
101694件

トーク募集
93080件

ポエム
565046件

好きな人
336065件

467010件

辛い
194734件

片想い
237260件

恋愛
207056件

失恋
112439件

会いたい
47229件

49083件

片思い
190765件

大好き
97137件

ひとりごと
28505件

消えたい
35294件

寂しい
37047件

死にたい
102665件

歌詞
123990件

苦しい
64243件

すべてのタグ