天鈴・2018-12-29
不確かなもの
愛
名も知らぬ預言者
"嫌いな人ほど愛する人だ"
姿さえ不確かな中僕に断言する
納得のいかぬまま去っていった
葉で輪郭を描いた者
"愛する人ほど嫌いな人だ"
似たような話
僕は否定したくなる
傷つけあっては愛を確かめ合って
愛と哀を履き違えてる君らは
いつまでも夢の中
ただ密かに聴こえた鐘の音は君らの為
僕の鈴も鳴らす
何処かから聴こえた音は
きっと君らの祝福の音だろう
あとがきに残る足跡の数は
誰も知る由もない
それは時に温もりを与え
時にはそれの為に
命を絶つ人もいて
とても綺麗で残酷な
愛という不確かな形
ある人がある実験をした。
「人は愛をなくして育つのだろうか」
沢山の愛を貰った赤ちゃんは
すくすくと育ち
全く愛を貰えなかった赤ちゃんは
直ぐになくなったそうだ。
人は弱くて脆い。
「愛」なんて、不確かなものがなきゃ
生きていけない。
だから、人の脳の少なくとも1割は
愛で埋め尽くされていると僕は思う。
だから、人は直ぐに恋愛の話に持っていき
誰かと誰かを結ばせようとするんだ。
思 私 そ 前 み
え は ん 提 か
な 愛 な の え
い と 不 愛 り
は 味 な を
い ん 求
も て め
の る
《普通》
そんな不確かなものが
世界のすべてな訳ないでしょう?
占いとか
神様とか
来世とか
不確かな物を信じてしまうのは
幸せになりたいから
愛されたいからなのかな
不確かなものを
確かなものにしようとすれば
何が見えるのか
何が残るのか
知っているから
だから
そのままにしておきたいんだ
不確かなまま
側に置いておきたいと思ってしまう
不確かなものを信じるのが出来ない。
でも人は違う。
不確かなはずなのに、何故か信じたいと思える人がいる。
でもある未来を信じて頑張るって言うのが出来ないんだ。
信じたいのにな。
夢ばっか見る人、現実ばっか見る人
選べるなら夢ばっか見る人の方がいいな。
周りからどんなに痛い子だって思われたって、あとさき考えず一直線に努力するそんな人って素敵だと思うんだ。
現実ばっか見て、アイドルだのプロ野球選手だのそんなものは不可能だとか言って、挑戦する勇気もなく、サラリーマンとか安定した職業につく。
そんな平凡な生活よりずっと良い。
この世は不確かなもの
そして愛もまた
かげろう
夢
幻
それでも人は
はかないものに
愛着し
執着する
永遠に存在しないもの
わかっているのに
永遠を願う
そして
裏切られ続けていく
不確かな情報を耳にして
自分の感情に合う言葉にしてとばした種は
一体どこまで風に吹かれて
どんな花を咲かせるのだろう
どんなに願っても
届かない想いは
きっとある
伝えるはずだった言葉
触れようとした指先
そのどれもが未知数で
僕には不確かなものだ