#今宵、世界が眠る頃

「生きていたかったな」


最後に零れた一言は

誰にも届くことなく

共に宙を舞う

君のいない明日なんていらない


君のいない世界に慣れるのが怖い


君の声も笑顔もその温もりも


君と過ごした思い出も全部覚えていたい



『まだ君と一緒に生きていたい』

少女漫画の主人公のような


素直で可愛い女の子なら


君の隣は私でしたか＿？

水中で呼吸するような


息苦しさを抱えたまま


「いきたい」だけが枯れてゆく

羽織った白いシャツ


シロツメクサの指輪


いつか訪れる日の予行練習

今すぐ君の手を取って


この理不尽な世界から


一緒に逃げてしまおうか

眠れない夜があるように


覚めない朝があってもいいと思ったのよ

君の傷を深さを

僕が知ることなんて

できないけれど


でも独りは寂しいよ

だからさ独りで抱え込まないで

手を繋いだのは君の方から


ちょっと慣れた手つきに


なんだか悔しくなったりして

君は思わせぶりがうまいから


沼から抜け出せないまま沈んで


勝手にハッビーエンド描いてさ

依存してしまうのも


愛を求めてしまうのも


空っぽな隙間が埋まらないせい

話すことも

手を繋ぐことも

抱き締めることも出来ない


それでも好きだった

君以外映らなかったの

好きな人がいました


誰にでも優しくて人気者で

手の届かない高嶺の花でした

肩の荷は降りたけど

それと同時に

君の温もりも無くなった

手を離したのは私の方なのに


まだ君の特別でいるような気がして


そんな馬鹿なことを今でも信じていて