「美由っ!」
「音楽室こっちだよ!一緒に行こっ」
『うん!ちょっと待って!』
“私_太田美由はここに転入してそろそろ2週間”
“新しい学校にもようやく慣れて友達もできました”
“が_...”
『明日CD持ってくるね』
「明日?休みだよ」
『え』
「じゃあまたあさってね」
“明日って水曜日だよね?祝日じゃないし...なんでだろ”
《この街には日曜祝日以外にも休みの日があるのです》
『お母さんなんか知ってる?』
「さあねえ…創立記念日でもないみたいだし何かしら」
『先週はたしか金曜だったんだよね__』
『マルつけとかないと忘れちゃうよ』
“休みの日はバラバラで”
“何か行事があるわけでもない”
“変なの_なんだろ?”
『わーいい天気_』
“せっかくなら遊びに行こうかな_”
“引越しの片付けで外でてないし”
『もしもしー』
『今日あいてる?よかったらこの辺案内してよー』
「は?冗談でじょ?」
『え…な…なんで?都合悪かった?』
「いやいや!そんなんじゃなくてさ、」
「それ本気で言ってる?」
「今日はセキグチさんの日だよ?」
「セキグチさんに会っちゃったらどうすんの?」
『セキグチさん…?だれそれ』
「え…?まさか…知らないの?」
「まあとにかく今日は外出禁止なんだよ」
「また明日ね」
“\ナニソレ!イミワカンナイ!/”
『お母さん、ちょっと散歩してくるー』
『お昼には帰るから』
“せっかく休みなのに家にいるなんてもったいないよ”
『んーいい天気』
『ん?』
『え…ここいつも車が沢山通ってるのに…』
『お店も全部閉まってる…』
『まるで街の人間が全部消えた見たい__』
《外出禁止なんだよ》
『なんか怖い。もう帰ろう』
『ん?人だ!』
“よかった…あっち行ってみようかな…ほっ…”
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァ!
「た、助け…」
『ひっ…!』
ドサッ!
ズルッ、ズルッズルッ、ズルッ…ズルッ!
『きっ、きぁあぁあっ!』
『な、何あれ?あの人殺されたの!?』
『私も殺される!?』
『だ、誰かっ!誰かー!』
『助けて!助けて!おまわりさん!』
ドンドンドンドンドンっ!
『お願い!開けてー!!』
「入って!早く!」
『そこの道で男と人が血まみれで!白くて口だけの真っ赤な化け物が…!』
「静かに!」
バンッバンバン!バンッバンバンバン!
『~~…!』
“もうダメ…!!”
シーン…
『!?…』
「行ったか…もう大丈夫だ…」
『大丈夫って何が!?!?さっき男の人が_』
「外に出るなんて何考えてるんだ!」
「今日がなんの日かわかってるんだろう!?」
「何かあってからじゃ遅いんだぞ!?」
「そろそろ正午か…」
「とりあえず送ってくからこれからは気を付けるように」
“何それ、それだけ!?私も殺されたかもしれないのに!?”
“あれは何なの!?”
「マジで!?」
「ちょっと聞いて!昨日美由外に出たんだって!」
「しかもセキグチさんに追いかけられたんだってさ」
『え』
「嘘すげー!!」
“え?あれがセキグチさん!?”
“あの化け物が!?”
「よく助かったね大体みんな捕まるのに」
「マジすごいよ!尊敬する!」
「ねね、どうだった?怖かった?」
『…なんで?』
『なんでみんな普通に話せるの!?』
『人ひとり殺されたんだよ!?怖くないの!?』
「何言ってんの美由?」
「セキグチさんの日は外に出ちゃダメだって決まってるんだよ?」
「おとなしく家に入れば害はないのにさ」
「わざわざ外に出る方が悪いんだよ。」
「ま、自業自得?よそ者だろうね~」
『な…』
「たまにいるよね〜お気のどく~」
『何それっなんで教えてくれなかったの!?』
『私も知らなかったよ!死ぬと思ったんだからっ』
「外出禁止って言ったじゃーん!怒んないでよ~」
『おっ…』
「ごめんごめん!ちゃんと教えるから!」
「まあ私らも全部知ってるわけじゃないんだけど。」
「セキグチさんの日はきちんと決まっていて、」
「その日は絶対外出してはいけない。」
「建物の中に入ってくることはないので室内にいること」
「だだし、正午から1時間だけは、」
「セキグチさんの休憩時間なので、安全である。」
「外出する時間は、この1時間だけにしておくこと。」
「そして、この日だけはセキグチさんの話をしたり、」
「調べたりしてはいけない_」
「自分の噂をされるのが大好きなので、侵入してくる。」
『そうえばあの時_』
《そろそろ正午か…》
『あのさ、肝心なこと聞いていい?』
『セキグチさんって何者なの?』
「え~なんだろ」
「さぁ…セキグチさんはセキグチさんじゃん?」
「考えたこともなかったよ」
“ひょっとして_みんなにとっては当たり前のことなの?”
“日曜日が休みなのと同じように_”
“ごく日常の休日だって_”
「よし!久々にやるか!セキグチゲーム!!」
「転入生に負けてたまるか!」
「いーね!やるやる!」
「え~マジで?」
「そうだ!美由もやろ!」
『え…?』
「セキグチさんの日に正午の1時間だけ外に出るの。」
「で、最後まで外にいた人の勝ち!」
『や、やだよ!捕まったらどうすんの?』
「だーいじょうぶ!今までみんな無事だったし!」
「なかなかスリルあって楽しいよ!ねっ、やろやろ!」
“もう二度とあんな目にあいたくない…けど…”
『みんなが一緒なら…』
『あっ!この道は!』
「どしたの?」
ドクンドクンドクンド
いやーーーー!
「待ってよ!まだ大丈夫だってば!」
『やだ!大丈夫じゃない!早く…帰らないと!』
“捕まる_!”
がしっ!
『キャーー!』
「ご、ごめん。びっくりさせて。」
「あやしいやつじゃないよ!」
「何回も声かけたのに逃げるから…」
『誰…!?』
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
「この人知ってるかな?」
『この人は…』
「俺の兄貴でね、仕事でこの街に来たはずなんだけど…」
「一週間連絡が取れてないんだ」
「今までこんなことなかったから心配で来てみたんだけど…」
「静かなましだね。聞く人が誰もいなくて…」
「どうしたの?」
『あ、あの…この人は_…!』
「何か知ってるのか!?」
ズルッズルッズルッズルッ
いやぁっっっ!
「え!ち、ちょっと待ってくれ!」
ズルッズルッ…
「ぎゃああああ!」
『振り向いちゃダメ!早く家へ…』
「もしもしー」
『あ、みんな無事!?あのね…』
「あ、それ明日聞くよ。今ダメだからじゃあね」
カチャッ
『きっと…あの人も殺された…』
“しょうがないことなんだ”
『違う』
“セキグチさんの日を知らなかった方が悪いんだ!”
『そんなのおかしいよ!』
『またセキグチさんの日が来る!』
『それを怖がる私がおかしいの!?』
『次は火曜日がセキグチさんの日_』
『週に一回はある…』
“セキグチさんって何_?”
『赤口…?』
“仏滅とか大安は聞いた事あるけど…赤口って何?”
『赤口の日、赤い口…セキグチさん…』
『どうゆう意味?何か関係あるの?』
しゃくっしゃくっカリカリカリカリカリカリ
《セキグチさんの日に調べてはいけない》
“まさか_嘘でしょ?”
“まさか来るわけないよね…”
“え?風?”
しゃくっカリカリカリカリ
《聞き耳をたてにやってきて》
『ひっ!』
しゃこっカリカリカリカリカリカリカリカリ
『入ってくる!?』
『やだっ!』
『ひっ!来ないで!』
ゴロゴロゴロン…ムクっ!
ガっ!
《侵入してくる》
いやぁっっっ!
『ん…?』
『え?私生きてる?絶対殺されたと思ったのに…』
『どうして…』
“セキグチさんに投げた時計!”
《そう…ちょうどあの瞬間…午前0時になり》
《セキグチさんの日は終わったのです_》
“ようやく分かったのです_”
『ゲッ!第1志望セキグチさんの日だ!』
「あーそりゃ残念諦めて私らと同じ高校受けようよ」
『そうだねーしょうがないか』
“セキグチさんの日は日常で別に気にする必要はない”
「ねぇ、なんで明日休みなの?平日でしょ?」
『セキグチさんの日だからね。この日は外出禁止なの。』
「はあ?何それ?聞いたことないんだけどー」
“あーあ、この子とは今日でお別れだろうなー”
『ほらね。』
「ったく…高校に入って何人目?」
「なんでみんな忠告聞かないんだろー?」
『セキグチさんも大忙しだろうねー!』
「たしかにー!ウケるー!」
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赤口(しゃっこう)___凶日。正午のみよい。
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“そんならしいけど、意味なんてどうでもいいのです”
“赤い口のセキグチさんの日それだけ分かればいいのです”
《私は今日も、平和に暮らしています_》
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最後まで読んでくれてありがとうございます!
今回はちょっと永かったですかね( ˊᵕˋ ;)💦
15日に間に合わなくてすみません…
今回は、恋愛ではなく、ホラーでした…
これは私が本で読んだ話です!
感想お待ちしております!
『セキグチさん』2019-02-17(日)12:09