柳兎・2022-08-17
俺の好きなあるお話。
俺の好きなある話。
クリスマスイブの日、女の子は
プレゼントを楽しみにしていました。
女の子は、プレゼントを楽しみにしすぎて夜、目が覚めてしまいました。寝ようと思ってもなかなか寝付けず、カーテンを開けて、
綺麗な満月を眺め、楽しんでいました。
「綺麗だなぁ」そう思いながら
月を眺めていると、どこからか
シャンシャンシャン…という鈴のような音が聞こえたそうです。
女の子は月を眺めながら驚きました。
だって、そこには満月を横切っているサンタさんが居たから。
トナカイ、サンタさんの白く長い髭、赤い服、プレゼント袋、鈴の音、ソリ…と。
全てはっきり見えたそうです。
でもその女の子は、とても目が
悪いそう。
はっきり見えるなんて、
おかしいのです。
10㎝先も見えないのに、ずっと
ずっと離れた月やサンタさんが
はっきり見えるなんて、変な話。
でもその女の子は、そんなこと
気にもせず「サンタさんだ!」と嬉しがっていました。
サンタさんが満月を全て横切るまで、ずっと見ていました。
そして、いつの間にか朝になっていました。
女の子は両親に「昨日の夜サンタさん見たんだよ!」と嬉しそうに話しました。
両親は「サンタさんは心が美しく綺麗な子にしか見えないんだよ、だから貴方は心が美しく綺麗なのね」と、にこにこしながら言いました。
女の子はサンタさんを見たことが、嬉しくて嬉しくて仕方なく、夜の出来事を全て話しました。
家族はみんな驚きながらも、笑顔で聞いてくれました。
しかし、この後女の子は涙を流すことになるのです。
女の子は話し終えた後、お父さんのスマホで遊んでいました。そこでお父さん、お母さんの会話LINEを開いてしまいました。
父「プレゼントこれどうかな?」
母「いいんじゃない?手袋も付けよ!!」
この会話を見てしまった女の子はお父さんに
「ねえ、これ…どういうこと…?」泣きながら聞いたそうです。お父さんは「なにしてるんだ!!!!返しなさい!!」と
女の子を怒鳴りました。
女の子は悲しくて悲しくて仕方ありませんでした。
お母さんが帰ってきた時、お父さんが「俺らの会話を見られた」と言っているのを聞いてしまい、
再び悲しくなって泣いてしまいました。お母さんがそれに気づき、「ごめんね、ごめん、、ごめんね〇〇ちゃん…」と泣きながら謝ってきました。
「…ううん、サンタさんは居るから…」
女の子も泣きながら答えました。そう答えた瞬間、お母さんはもっと涙を流してしまい、それから、ずっと「ごめん、ごめんね…」と繰り返しました。
でも、女の子はサンタさんは居ると分かっているのでもう気にしてはいません。
小学生だったその女の子は中学生になりました。中学校、みんなの前でサンタさんの話をすると誰にも信じてもらえませんでした。
先生は苦笑いしながら「そうなんだね」と。
友達は「いるわけないじゃん、
馬鹿なの?」と。
ただ、ひとりだけ。ひとりだけサンタさんの話、存在を信じてくれた子が居たそうです。
その子は、女の子と幼稚園前からの仲の幼馴染でした。
幼馴染は見たことないらしいけど、信じてくれて嬉しかった。
それから、幼馴染と毎年クリスマスの季節になると、サンタさんの話を楽しくしているそう。
まあ、これ俺の話なんだけど。^^*