#偶像

春空で昔を思い出した
やる気なら桜と共に散った
夏雲を見ると文字が浮かんだ
それでも形にはならなかった

秋風に押され街を歩いた
落ち葉の方がよっぽど綺麗だ
冬晴の風が心地よかった
短い昼の間に消えたかった

君の愛情、骨の髄まで吸い取ってやる。

君の愛情、別に私のものにならなくていい。

君の感情、別に知らなくてもいいよね。


別に君に愛されたいわけじゃない。

君に笑いかけてもらえたらそれでいい。

代わり映えのない日常には

何も落ちていないと喚いている僕らは


きっと日常の眩しさに

目がやられてしまったんだ。


だから僕らは、
いつまで経っても夢ばかり見ている。

だから僕らは、
誰の気持ちも見えないんだ。

誰かを救いたいとか
どうでもいいんだよ

自分を救いたい
自分を愛せない

誰か愛してくれよ
愛してくれよ

生み出しても
孤独が止まらないよ。

優等生なんて
アイドルと同じ偶像だよ

絶望。

ただただ、絶望。


目指していたものは偶像で、結局妄想だったみたい。


人々の評判評価で生まれた妄想が、現実はこんなに詰まらないものだったなんて…。

かなしいね　私はいつも貴方を見つめてるのに

かなしいね　貴方は気付かない

かなしいね　貴方はいつも微笑んで

私を見つめててくれる

冷たく光るガラスの中から…


さびしいね　私は貴方がわかるのに

さびしいね　貴方は私を知らない

さびしいね　貴方は真剣な顔をして

いつも遠くを見ている

鈍く光る氷の中から…


くるしいよ　私はいつも貴方を愛しているのに

くるしいよ　心にガラスの破片が突き刺さって


かなしいね　貴方が私を知らないなんて…



平成以前　no,38