#傷

誰かの傷を君が庇ったとして

君が抱えた傷は誰が癒すの？

今までに泣いた過去があるからこそ

今こうしてとびっきりの笑顔を見せられるの

僕の傷には気づけなかったとしても

君の傷には気づける僕でありたいよ

傷つくことに慣れたときの心は

泣いてないけど微笑んでもない

破片が踏まれて粉々になっても

それで消えるわけじゃないよな

踏まれた心には棘が刺さっていたというのに

痛みを庇っていた君は平気な顔で笑ったのね

傷ついてもそんな素振りを見せずに歌った

千切れそうな声でも届いて欲しかったから

捨てることも癒すこともできなかった傷

痛いままでも抱えていくことを決めたの

抱えた傷を抱きしめられたらよかった

僕は君を傷つけることしかできなくて

世界は真っ赤に染まった

見えないだけで傷だらけ

痛みを感じないように庇いたかった

庇い方も知らずに模索していたよな

君が背中に抱え込んだ傷は気づかない間に

大きな鎧となり厚着で見えなくなったよな

知らないうちに傷つくこともあれば

知らないうちに傷つけることもある

傷は生身で背負うから痛いんだよな

流れてきた夏についていこうと必死で

僕を呼ぶ傷が今にも開きそうなんだよ

今も生傷のように抱えて生きてるわ

どれだけ薬を塗ったって滲みるのよ