#光の玉

師の元で

真の華は育ち



師の元で

真の華は咲く



散ることなく

枯れることなく



魂をその華に宿し

何千年の時を

生きてきた



再び逢えることを願い

待ち侘びた



もう一度

名前を呼んでください



この先も

その名を呼んでください



もう二度と

あなたを失いたくないのです

あなたの強さは


未来を信じられる心です


どれほど不安でしょう


あなたの心情を思えば


胸が痛みます





それでも


未来を見据えようとする


その真っ直ぐな姿勢は


必ずや暗く閉ざされた道を


明るく照らす灯火になるはずです





真実を伝えることを迷えば


その迷いは大きな波と化します


大きな波と化せば


あらゆる弊害を呼びます


いつも正直にあることを心がけなさい





師の言葉は


いつの日も心に強さをくれる





前を向かないわけにいかない


どうしても


失いたくないものがある


私は、諦めない

諦めず


互いの心に寄り添うのです





何かを変えること


相手のために出来ることは


これ一つではありません


最も大切なのは


知ることです


相手の怒りを知ること


相手の悲しみを知ること


相手の温もりを知り


相手の喜びと共に笑うのです


ひとつひとつの感情を知ることは


相手の全てを知ることに繋がるでしょう





互いの感情を理解する気持ちが


大切だと、そう師は諭す





日々は、永遠ではないのです


いつも、は明日にはもう


潰えて消えているやもしれぬのです


今日を精一杯生きなさい





師の言葉に涙が溢れて


止まらなかった





甘えていたのかもしれない


幸せな未来に続いているのだと


過信していたのだろう





幸せな未来に繋げるためには


日々の努力が


必要だったというのに





まだ遅くはないですか





私に出来る精一杯を


青い空の向こうに


投げ掛けるように誓った

気を確かに持ちなさい


前に進む力を


この毎日から探し当てなさい


それがあなたを未来へと連れていきます





師の言葉の意味を


懸命に読み解く


いつまでも過去を悔いる私に


師は続けて諭す





人生がこの道を選んだ


その道に則り、我々は生きゆくだけです





人生が道を選ぶとは


どういうことなのか頭を捻る


その時々の想いや言動が


人生を作り上げていくのであれば


軌道修正していけるのも


これからの幸せな道を選んでいけるのも


全ては自分自身なのかもしれない





日々、考え、学び


心の成長を諦めずに過ごしたなら


いつか


幸せな道を選べる自分に


なっているだろうか

我々は生きるだけで


人と関わり


知らぬうちに人の命を手にしています


その命を大切にするのですよ





そう告げた師は


続けて私にこう諭す





互いを見失わず


夢を手放さずに


未来を信じていて下さいね





今、どんな未来が


訪れようとしていても


良くも悪くも


本人たちの行い次第で変わるのだと


師は言う





諦めずに


明るい未来を


信じ続ける気持ちが


明日の光になるのならば


私は前を向こう


同じ後悔を繰り返さぬよう


大切な人の


光の道しるべになろう

師は言う





人を想うことに期限はありません


期限なくとも人を想い


行動出来る人であってください、と





後悔は決して先には立たない


どんなに嘆いても


過去は戻って来ない


今、人を想い


自分に出来ることを





挫けそうになる


後悔が押し寄せる


心が痛む


それでも


今ある幸せを大切にし


今を生きた先に


きっと笑顔溢れる未来があると


信じていたい

｢どうして…？｣

見上げた夜空に言葉を投げれば

師の声が聴こえる

〝仲間と心の手を繋ぎなさい〟



｢助けて…｣

星の瞬きに涙を零せば

遠い過去に兄と慕ったあの人の声が聴こえる

〝泣いてる場合じゃねぇぞ〟



そうか

泣くのはいつでも出来る

今は、私に出来ることをするだけだ

絶望が、目の前を塞ごうとした時


師は私に告げた





彼はあなたと共に生きるのです


信じなさい


諦めてはいけません


涙を落としても前を向き続けなさい


向き合い続けるのです


諦めの悪さがあなたの良いところです


彼らは皆、大丈夫ですよ





お師匠様


そこに、あなたは自身を含めなかった


一人でも欠けては


心は崩れ落ちてしまう





諦めません


私は、最後の最後まで


信じ、向き合い続けます





だから


どうか…

この先何があっても


諦めてはいけません


諦めず信じ続けなさい


時に人は奇跡という事柄に遭遇します


それは


人が人を


人が生命を


人が心を


信じるがゆえに


起こる事なのです


誰が絶望しようとも


あなただけは信じなさい


それが奇跡を起こします





未来を不安に思い


焦燥感と絶望感に苛まれた時


ヒントをくれたのは、師の言葉だった


続けて、師は諭す





負のものは負を呼びます


信ずることで勝を呼び起こすのです


あなたは想いの強い子です


辛い事でもこれまで何度も


道を切り拓いてきました


自らが光となり


しっかりと立つのです





未来はまだ閉ざされていないと師は言う


目の前の扉を開きなさい、と





希望が少しでも残されているのなら


そう思えた瞬間だった





人生の荒波は


時に人を崖っぷちまで追いやる


そんな時きっと私は何度でも


師のその言葉を思い出すだろう





奇跡は、邪念を捨て


一心に信じることから生まれる

私の最後の人生を


華やかに彩り


光を灯してくれたのは


他でもない


大切な人たちの存在でした

幸運を祈り、約束を胸に

この想い歪むことなく

真っ直ぐに信じることを誓いましょう



ただ一心に、その生命を想い

光の玉を追いかけるように

空を見上げる



そこは眩しくて

思わず、涙が零れた

大切な者の真意を見ること

さすれば自ずと道は拓けてきます



師の教えは

どれだけの月日が経とうと

心の中に浮かび上がり

ヒントをくれる



人を想う心、信じるままに

師は力なく告げた



｢貴女に教えるべきことは

もうないのかもしれません

いつの間に

そんなにも成長したのでしょうね｣



嬉しいはずの言葉も

寂しさで心が砕けてしまいそうだった



〝そんなことありません〟

縋るようにしがみついた



｢いいえ、貴女は確かに

大きく華開いておりますよ

とても美しく｣



諦めの悪いところが

私のいいところだと師に言われ

大切なものを失わないために

がむしゃらに前を向いてきた



信じること

諦めないこと

出来ることに力を尽くすこと

生きる今を大切にすること



その大切さを

師は根気強く説き続けてくれた



華開いているのかは

疑問が残る



｢分からずとも良いです

私さえ分かっていれば安心出来ますから｣



何気ない言葉が

不安を煽る



｢貴女も心安く生きられますよう｣



師はまるで、近付く別れを

物語るかのように言葉を紡いでいく



｢また共に笑いましょうね｣



師と再会して二年半

まだ、たったの二年半だ



学ぶべきことも

教えてもらいたいことも

山ほどある



欠けがえのない日々を思い返せば

溢れ出る涙は止めどなく



悲しみは夜明けを待つばかり

立ち止まってはなりません

悩み惑うより進み続けなさい

自らを悔い改める時が終わりを迎えたら

飛躍の時です



そんな師の言葉にすら戸惑い

先が見えなくなる始末



ある程度の道筋は心に置いていても

何度も自問自答を繰り返す



七色に輝く希望の光さえ

いつか壊れてしまいそうで

怖いんだ



未来を信じる強さを

もう一度、この手に掴みたい