#凍えそうな季節から

幼い頃は輝いていたクリスマス。

ホワイトクリスマスを夢見て毎日確認した天気予報。
クリスマス系の広告を目にする度、わくわくしてお母さんにうちにもサンタさん来るよねと何度も確認した。
お父さんが買ってきたクリスマスケーキを頬張って、シャンパン代わりにコーラを開ける音が耳に心地いい。毎年感じる幸せな音。

…
でも、

年を重ねるごとにクリスマスは平凡で有り触れた、ただの凍えそうなくらい寒い1日になっていく事を悟った。
天気予報を見れば憂鬱になる。電車の遅延の情報に呆れてスマホと睨めっこ。
クリスマス系の広告にはお金の匂いがぷんぷんするし、
プレゼントをくれるサンタさんはどこにもいないって随分前にわかってしまった。
ケーキは無いし、今聞こえるコーラの音は酒の匂い。


……大人ってこういう事なんだなあ

凍えそうなくらい
寂しい秋の夜。

でもソコには君が居てくれて、
愛しくて仕方がない。
今日も愛しくて、
明日も、１００年後も。

「君が大好きだよ。」

君が見せてくれた
景色は消えないよ。

「凍えそうな季節から」

凍えそうな季節から

あなたただけ奪い去って

溺れていく夢を見た

記憶は嘘をつく

零れ落ちるこの手から

あの日はきっと帰ってこない

理由をただ数えて