#同性愛者叶わぬ恋

振られたから諦めるとか
恋愛って
そんな簡単なものじゃないんだね

もう届かない貴方への気持ちが
私の心の中でうるさくて

一方的にじゃなくて
お互い愛せたら
どんなに良かったか

私は
雨が大嫌いだった
梅雨が来るたび憂鬱だった
だけど先輩は
雨なんてどうだっていいと言うように
楽しそうな笑顔を咲かせた

また貴方の隣でこうして笑える
だからきっと、これで良かったんだ

叶わないってわかってる
それでも私は
貴方との宝物みたいな思い出を
忘れる勇気なんか持ってない

貴方の目に映る私は
ただの後輩だから

精一杯の「愛してる」を
最後にもう一度だけ

貴方の特別になれたなら
どんなものでも手放せたのに

もう一度だけ先輩との時間を
私にください

こんなにも会いたいと思うのに
会ってしまえば声もでなくなる
あの日から貴方を見ることさえも怖くなった
だから私は貴方の隣にいる資格を捨てました
臆病な私でごめんなさい
だけど私には
「これからも今までみたいに話そうね」と言ってくれた貴方の言葉を
「はい」と受け入れられるほど強くないから

もう一度ちゃんと向き合えば
また笑ってくれますか

後輩だから優しくしてくれる
ずっとそばにいてくれる
その笑顔を見ていられる
そんなのわかってる
それでも私は
先輩の好きな人になりたかった

誰も好きにならなければ
こんなに辛くならない
だから私はもう二度と恋なんてしない
これからは普通の後輩でいる
先輩にそう告げたあの日
私は私自身にそう誓った

振られたら諦められる
そんな私の淡い期待は
簡単に裏切られた