【赤ずきんだって愛されたい】
「ねぇ、どうして私の肌は白雪のように白くないの?」
「ねぇ、どうして私の顔は美女のように整ってないの?」
「ねぇ、どうして私の声は人魚のように美しくないの?」
「ねぇ、どうして私の目は月のように輝いていないの?」
「ねぇ、どうしたら私は……愛して貰えるの?」
ポロッ
水面に映る嫌いな自分の姿が揺らいだ
ザっ……
『どうして泣いてるの?』
「グスッ……私なんて、醜いから誰にも愛されないの…… 」
『愛されたいの?』
「だって……いつも幸せになるのは私以外の誰かで、
必ず私を置いて居なくなってしまうの、
私以外の子はみんな嫁いで愛されて行ったわ……!」
『なら、僕が愛してあげるよ』
「グスッ……へ、?」
ニコッ
『僕ならきっと幸せにするよ?』
「……愛してくれる?」
『君こそ、僕の愛から逃げない?
僕ちょっと重たいけど』
「で、でも!私、綺麗じゃない……から」
『僕だって、ずるくて悪くてみんなの嫌われ者さ』
「ずるいの、?」
『今だって、君の泣いてるところに取り入ろうとしてる』
「あなたも、愛されたいの?」
『狼はひとりぼっちだからね、
君みたいな赤いフードの似合う子に愛して欲しいんだ』
「……ふふっ、変なの」
『悪い狼に捕まるつもりは無い?』
「私に飼われたいの?」
『いい子にするよ?』
「……愛してくれる?」
『君を1人にしないよ』
チュッ
〈僕の赤ずきん〉
〈私の狼さん〉
『捕まえた』
【狼だって愛されたい】