#太宰治

愛する事は 命懸け

大人になりたくない。
















いつからだろう。

そう思うようになったのは、










高校から本を読みだして、一日に

何冊もの小説を読んで気づいた










『大人とは裏切られた青年の姿である。』








その文を見て私は納得してしまった。







大人か子供かも分からない年頃のくせに、






生きたこともない時間を
自分が経験したかのように酔いしれる癖、
やめたいな。







そんなだから私は、こんなにも寂しくて、

孤独なのだろう。







その、大人の言う


『大人』に私もなっても、


あの日のように


私は心から幸せだろうか。


誰もが求める。


立派な大人になれるだろうか。

「今でも、僕をすきなのかい」
「僕の赤ちゃんが欲しいのかい」

「しくじった。惚れちゃった」

これからさき、

生きてゆく理由が

無いような気がして来て、

くるしくなる。

女のひとは、死にました。
そうして、自分だけ助かりました。

人間って
みんな失格と思う

しくじった、惚れちゃった

求める価値のあるものは

手に入れた瞬間から

失うことが約束されている

大人とは
裏切られた青年の姿である

太宰は言った

愛はこの世に存在する、きっと在る。
見つからぬのは、愛の表現である。
その作法である、と。

泣いてみたくなった。


うんと息をつめて、

目を充血させると、

少し涙が出るかも知れないと思って、

やってみたが、

だめだった。


もう、涙のない女になったのかも知れない。

ああ、もうどうでもよい。

ほって置いて呉れ。

道化の華とやらも、

どうやらここでしぼんだようだ。

しかも、さもしく醜くきたなくしぼんだ。

どうして、こんなに不安なのだろう。

いつでも、何かにおびえている。

﹁
し
く
じ
っ
た
ﾟ
惚
れ
ち
ゃ
っ
た
﹂

死ぬは生きるの反対じゃなくて、生きるに組み込まれた機能の一部に過ぎないからだ。

太宰治

【文豪ストレイドッグス】第3シーズン第26話「太宰、中也、15歳」より