#子守唄

神も見捨てたこんな世界

ララバイでも歌ってあげるわ

ヨイヤミは


｢彼女｣の声を聴き漏らさぬ様に


目を閉じてその話に聴き入った。



ぼこぼことコブのある


立派な幹に耳をつけ


聲を聴けばそこには


打ち震えるような


愛が存在している。



彼女が


天狗の迅太に恋をしたのは


だいぶ前だろうに


未だ満ち溢れんばかりの愛に


彼女はあえいでいるようだ。



彼女の回想を


ヨイヤミは何も言わずに


笑顔で、聴いた。





【ヨイヤミCase One wit'ches broom③】





俺は、岩間の山の山奥の


天狗の里で生まれ


修行をしてきた天狗だ。



俺ん父ちゃんが


13匹の大年寄天狗を取り纏める


大天狗様だったわけだが


1482歳で死んじまった。



天狗にしちゃあ早すぎる死だった。



その後釜を決める話し合い


俺は大年寄りたちの手にかかり


殴られ、蹴られ、刺され


家族も置いてけぼりにして


ここまで逃げてきたってわけさ。









｢ひどい……｣

思わずあげた私の声に


迅太は苦く笑って私を見上げた。


｢父ちゃんが死んで辛くてさ、大年寄りたちに支えてもらいたかったのに、気持ちってのは伝わらないもんだね｣


半ば諦めたような


迅太の言葉が苦しい。



｢どうして、そんな事…されたんですか｣


｢まあ、俺を後釜に据えたくなかったんだろうね｣


｢……それだけの理由で？｣


｢あの人たちにとったら、俺の命より対面やら地位やらが大事だったんだろうよ｣



そうですかと


聞いてあげられたら


よかったのに


私は迅太の悲しそうな顔が


見ていられなくて


無理をしてまで


笑って欲しくなくて


｢でも｣


否定の言葉を口にした。



｢ん？｣


｢それじゃあ迅太さんだけが辛いです｣


迅太は私の声が

耳に届いた瞬間

動きを止めた。



｢私は…そんなの嫌です｣


さっき会ったばかりの天狗に


どうしてこんなにむきになるのだろう。


｢私は…っ、迅太さんに笑って欲しいです｣




どうしてこんなに


恥ずかしい言葉を


伝えたいと思うのだろう。



暫しの時を


だんまりで過ごした迅太は


そして言った。



｢なあ、お前、ほんっとに…｣


｢はい…？｣


｢声が、キレイだなあ｣


｢そうですか？｣


｢ああ、癒される｣



私の声に


癒されるなんて


誰が言ってくれただろう。



周りの桜に生い茂られ


体の小さな私は


大きくなれずに


ちいさなこどもにまで


軽々と頭のてっぺんに登られては


枝をポキポキと折られてしまう。


誰にも見向きをしてもらえなかった。


そんな私の声に


癒されると迅太は言う。



｢なあ、歌ぁ歌えるかい？｣


ふいに迅太が笑顔で聴いた。



｢歌、ですか？｣


私が尋ね返すと


迅太は少しばかり


眠たそうな声をあげる。


｢ああ、あれがいいや…子守唄｣


｢子守唄なら…一曲だけ……知っています｣


｢じゃあ一曲、頼むよ｣



風の音に乗せて歌う


子守唄。


迅太の心が


僅かでもいい


安らぐように。



夜闇を照らす月に届くような


透き通る声をあげた。





もりもいやがる ぼんからさきにゃ

ゆきもちらつくし こもなくし

ぼんがきたとて なにうれしかろ

かたびらはなし おびはなし

このこようなく もりをばいじる

もりもいちにち やせるやら

はよもいきたや このざいしょこえて

むこうにみえるは おやのうち




歌い終わった頃には


迅太は涙を落としていた。


｢なんてかなしい唄だよ…｣


｢ごめんなさい、これしか、知らなくて…｣



優しい風が吹く。



迅太は震える声で


｢少し…泣かせろ｣


そう告げると、私に触れた。



｢何時まででも側にいます｣


｢恩に…きるよ｣



迅太は泣いた。


声を必死に抑えて


う、うっ、と


嗚咽を漏らしながら


こどものように泣きじゃくった。



私はちいさな体を精一杯に伸ばして


一生懸命、枝を重なり合わせた。



せめて私の根元で泣く迅太が


他の天狗や動物たちに


見えぬように、と。




迅太が泣き疲れて眠ったのは


朝靄に山が白む頃だった。





【ヨイヤミCase One wit'ches broom③終】

優しい笑顔

凛々しい笑顔

あなたの可愛い笑顔

銀の心と金の心を

全部あなたにあげる

アルケミアルケマ

銀の星抱えて

アルケミアルケマ

夢の中へお行きなさい

ダイヤモンドのような月が
遠くで眩しく輝いていても
あたしたちは別の屋根の下


月が眩しすぎて眠れない夜
貴女をそっと抱きしめて
やさしくささやく子守唄


そんな妄想を浮かべる
あたしの部屋にいるのは
笑顔で黙するクマのぬいぐるみ

今日ね、始業式だったんだけどね

もう、眠くて眠くて……

半分寝てる状態ｗｗｗ

校長先生の話は子守唄だよね笑

いつもの野菜センター

カゴに入った真っ赤なりんご

私の脳裏にはある日のワンシーンが蘇った

スクリーン上では私を抱き抱えた祖母が

『りんごのひとりごと』を歌っている…

大好きな祖母の声

上品で優しいあの温かい声

私は愛に包まれて育ったんだと…

心が温かい気持ちで満たされた_

良い子よ
おやすみ
はるかなる
北の川に
すべての記憶が
ひそんでいる
今も

あなたが求める
答えは そこに眠る
探してみなさい
おぼれないようにね

聞いて
耳澄まして
魔法の川の歌
その秘密を知る
勇気あるのなら

北風が
海に
巡り合うその川に
おいで
良い子よ
母なる川へと

アナ雪2
『魔法の川の子守唄』 を
従姉弟達に
毎日
歌っている
寝てくれないから
仕方なく
歌っている

結局
あなたの優しさに甘えてしまった夜

あなたに抱き締められながら
「ごめんね」の一言が言えなかった

本当にごめんなさい

あなたの腕の中は
やっぱり落ち着く

あなたの心臓のドキドキが
優しい子守唄に聞こえたの

やっぱりあなたを
手放すことなんてできないわ

寝る前に必ず子守唄的な
YouTubeを流し寝落ちしている

たまに違う音楽を流すと
中々寝つけない

焚き火、雨、風音、jazz
めちゃめちゃある

たどり着いた
お気に入りは
TOKYO Cafe

『 無理やり 』


笑ってみせたの？

変な調子が、余韻に響いてる。


少し、別のことに、意識を向けてみて。

大丈夫だよ。

大丈夫だから。

ラブソングを

君の声が子守唄

囁いて

愛のメッセージ

おやすみなさい

遅い夜はもう終わる……

数え切れない星を見て

涙を流す私に


空は優しく歌ってくれる

それがまるで子守唄のようで

深くゆっくり眠りにつく

歌が聴こえる

あれは何の歌だった？

風に乗せて

優しい声で

歌が聴こえる



それは

眠れない夜に響く

優しい子守唄

君の寝息は子守唄

スヤスヤ気持ちよさそうな君

10年後、50年後も

隣できけるといいな

今日も君はベランダで歌を歌う


つん、と冷えた空気を

君の歌声で温めていってるみたい




僕は部屋で君の歌声を聞いてる。

ホットココアを飲みながら