灰狼・2018-09-01
宵
満月
探しモノを見つけた月が
満ちていくさま
夜空に葉月の花が咲く
ベタな言葉はしまいこみ
欠けた心を抱いて君と
集団に翻弄され
孤立した日
僕は宵の宙を大雨で覆った
初夏の宵に見上げた空には
レオ レグルス
"獅子座"の"問い掛け星"
この夏休みに逢えるかな
君のように耀く星に訊くよ
春宵の
やわく揺れるや
君影草
恋、隠しけり
白き鈴の音
現を拔かすほどの艷姿
宵闇に映える一輪の百合
そとをなぞれば
ほうと色に染まる氣がした
潤澤な瞳
薄らと紅が點す絹肌
柔らかで愛い口元
全てがいとほしい
全てが私へ向けられている
どう大切にしようか
どう手の內に收めようか
接吻にはまだ早いか
ふらついた日々
花束放って
此処でお別れ
宵は川、
しじまに流れ
籠の暖
水面が燃ゆる
朱の宝石
朝日が登り始めたくらいの時刻に
布団の中で寝ぼけながら
おはなしする
にぃにの声を聴くのが
心地よくてたまらない
宵の雲
独り戯れる 月の宵
刹那の時を 接いで渡り
儚き夢を 紡いで歩く
空は遠く
朧に霞む 彼方を見つめて