#少年

　　　天才だって凡人だった。

　　　ヒーローだって少年だった。

冬のこの

淀んだ世界に

独り立ち止まったまま

動かない少年がいた＿＿。

あの日の少年に もしも会えたなら
伝えたいんだ 迷わなくていいよと
ずっとずっと捜してた輝きを
いつの日か手にすると
時は流れ 僕は僕で 決して止まらないさ

思 い 出 掻 き 集 め る た び

不 意 に 大 人 に な る

あ の 日 の 少 年 今 の 僕 を 見 て

何 を 思 う ？ ど ん な こ と 思 う ？

時 代 が 変 わ る 瞬 間 に


世 界 も 変 わ っ て く

夢だけで生きる様な子供じゃないけど

現実だけを見れる大人じゃないんだ

ある男の子に言われたんだ

「そんなに写真撮ってどうすんの」

よく聞かれることだ
そして僕はいつも

「なんでだろ」

そう返していた


でも僕も考えてみたよ
人生だって同じさ

どうせ死ぬのに
どうせ忘れられるのに

生きようとするんだ


なんの所以も無いのに



皮肉的なものだろう

あるところに

愛らしい一輪の花がありました


その花は

そこに遥か昔から咲いていて

見ると心が癒されて

嫌なことがすうっと胸から消え、

そればかりか

煎じて飲むと

どんな病もたちまち治ってしまう

…というような

なんとも不思議な花で

『なぐさめ花』

と呼ばれていました





そんなある日

その花の前に

一人の少年が立ち尽くしていました


その少年の母親は

大きなはやり病にかかり

医者からは、余命１か月を

言い渡されていました


少年はなぐさめ花を

摘むかどうか悩んでいました

なぜなら、

この花は少年の住んでいる村の象徴


摘んでしまえば

一輪しかないこの花が村から消え、

沢山の村人に迷惑がかかると

…そう、思ったのです



沢山悩んだあげくに

少年はこの花を摘むことに決めました

でも、花に伸ばす手は大きく震え、

罪悪感からポロポロ涙を零しはじめました


少年の様子を見たなぐさめ花は

たいそう胸を痛めました

『こんなに優しい少年が泣いてしまうのはあってはならないこと…』

そして、静かに決心したのです

“自分の種をここに残す”

ということを



「うぅ…うっ…ぐす……」

『優しい坊や…私をお前のお母さんの元に連れて行っておくれ』


なかなか自分を摘まない少年に

なぐさめ花は優しく笑いかけました



その瞬間、少年は初めてきちんと

なぐさめ花を見ました


なぐさめ花は癒しの花


少年の涙はたちまち引っ込み

少年は花に笑い返しました


刹那


パチンッと大きな音がして

なぐさめ花から何かが落ちました


なぐさめ花の種です


少年は種だということをすぐに分かり

なぐさめ花を摘んだあと、

元々なぐさめ花が咲いていた場所に

その種を埋めました




その後

少年の母親はすっかり元気になり

村の象徴であるなぐさめ花も

愛らしいつぼみをつけました


母親の病で笑顔を失くしていた少年も

よく笑顔を見せるようになりました













あるところに

優しい一輪の花がありました

その花は

ある一人の少年の心を救い

その少年の幸せを

取り戻したのでした

幼稚な私は

君への想いを

この夏へ置いていけない

DifferentLife
著:鬼灯

始め
少年は、恵まれた家庭に生まれた。頼りになる父、優しい母、仲の良い姉に囲まれた幸せな生活を過ごしていた。すくすくと少年は育っていった。そして少年は小学校に入学した。少年は入学して気づいた。自分は親族以外の人を信じられないということに。人は友達や親しい者を信じることが当たり前だと思っていた少年は、自分がイレギュラーな存在なのだと悟った。このことが周りに知られ、人が離れていくことを恐れた少年は、関わる人を選別していきだした。選別することによって、周りの人と接する時の自分の負担を減らし、人の顔色を伺う余裕を作った。選別方法は、自分に得をもたらす人か、損をもたらす人かだ。お互い干渉したことのない人は論外だ。こちらからは関わりたくないのだから。こういった価値観を人に理解して欲しい訳ではない。この価値観は少年にとって呪いに等しい。信じることができるのは親族だけであるため、友達、ましてや親友といったものが分からない。少年にとって面白みのない青春時代は避けられない。でも、信じられる人ができるかもしれないという期待を持って青春を送る。

あの日の少年にもしも会えたなら
伝えたいんだ迷わなくていいよと
ずっとずっとさがしてた
輝きをいつの日か手にする!
時は流れ僕は僕で
Time goes by Time goes by

GENERATIONS from EXILE TRIBE / 少年

誰かに背中を押してもらわないと

前に進めなかった僕が
ﾄ ｷ
その瞬間はじめて
ｿ ﾗ
自分から宇宙へと旅立ったんだ_

DifferentLife
著:鬼灯
*始めを読んでいない人は、そっちから読んでいただけると内容が分かると思います。


turning point 1
少年は5年生になった時、児童会という委員会に所属した。そこである少女と出会った。同じ学年ではあったが、同じクラスになったことはなく、お互い初対面だった。少年は委員会活動をしていくにつれ、少女と関わるようになった。少女は優しく、リーダーシップがあり、皆から親しまれていた。少年は少女と関わった方が得という理由から関わっていた。でもそれは初めの頃だけだった。得だから関わっているという気持ちより、この人ともっと話したい、一緒にいたいという気持ちの方が強くなり始めたのだ。少年は気づかないうちに少女に心を許していた。少年は初めて他人に心を許した。少女との出会いは、少年の価値観という呪いを解く、一歩目だった。

●死にたい 　　　　　　　　　　　　　　　

○諦めないで

●存在価値ないでしょ？

○必要とされてることに
　 気が付いてないだけだよ

●だってもう疲れたもの

○疲れたからこそ幸せな時間って
あるんじゃないかな

●傷痕だって消えないでしょ

○それも1つの思い出だよ

●私、いらない子でしょう？

○そんな事ないよ

●じゃああなたは私の事好きなの？

○好きだよ

●そっか…

○ほら、いるでしょう？
　君を必要としてくれてる人

●…ぁりがとう

大人の勝手な
理想の子供像で

か弱い、無垢な少年少女が
何人傷ついているのかなぁ