ーコラボ小説ー
《小さな恋》
幼稚園のすみれ組。
女の子と男の子がもめています。
「優海、きょうあそびにいくからな」
「えー優海、えほんよみたい」
どうやら男の子は、
女の子、優海ちゃんと遊びたいみたい。
「えほんより、いくとこあるの!」
「やだー!」
「いっしょに、いくの!」
「海翔くんひとりでいけば?」
女の子、優海ちゃんは連れません。
絵本が読みたいみたいです。
「優海、ぜったい、きにいるよ」
「ほんとー?」
海翔くんも引きません。
「えほんにでてくるみたいで
すごいんだぞっ…!」
絵本、というキーワードに、
優海ちゃんの瞳はパッと輝きます。
「えほん!?優海もいく!」
ちょっと驚き、
照れた表情になる海翔くん。
「じ、じゃああとでな!」
「はやくいこ、」
幼稚園が終わり、
優海ちゃんが家のドアを開けると、
海翔くんがもう待ってました。
「うん!」
優海ちゃんの手をとって
青空の下を歩いていきます。
やっと着きました。
「ここ…?」
家の近くの教会です。
海翔くんが、
教会の周りを囲む木の柵の隙間に
すっと身を滑り込ませます。
「よっと、」
優海ちゃんも海翔くんに続きます。
子どもにしか出来ない冒険。
自分たちの身長よりも
背の高い草をかき分けながら
2人は進みます。
視界は突然開けました。
「わぁぁぁ…!」
教会の裏に広がっていたのは、
一面のお花畑。
菜の花、チューリップ、かすみ草。
所々にクローバーも咲いています。
「すげーだろ」
海翔くんはドヤ顔です。
「うん、えほんのなかみたい!」
優海ちゃんは座り込んで、
お花を眺め始めます。
海翔くんも座って何かしています。
「優海、」
しばらくして
海翔くんが立ち上がりました。
近づいてきて、優海ちゃんの頭に
そっと乗せたのは、
シロツメクサの冠でした。
この日、真っ白なワンピースを
優海ちゃんは着ていました。
まるで花嫁みたいです。
「海翔くん、ありがとう…!」
にっこりと笑顔になる優海ちゃん。
もう、
海翔くんは優海ちゃんのトリコです。
「あのさ、優海、」
「なあに?」
「おれさ…」
きょとん、と首をかしげる優海ちゃん。
「おとなになって、
もっとせもたかくなって
いけめんになったら、」
夕日に照らされて、
海翔くんの顔が
オレンジに染まります。
「優海のこと、
ぜーったいしあわせにするから、
まっててっ!」
照れ屋な海翔くんの
精一杯の告白です。
優海ちゃんはゆっくり立ち上がって
海翔くんに何かを差し出します。
四つ葉の、クローバーです。
「優海はねー、
海翔くんのためなら、
ずーっとまってるよっ!」
将来、2人のこの約束が
本当に果たされるなんて
まだ誰も知りません_______
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あとがき
こんにちは、涙色。です。
ひとひらの幸介さんとの3回目のコラボ小説、楽しんでもらえたでしょうか?
今回のテーマは、幸介さんリクエストで小さな恋でした。
ツンデレ海翔くんと天然優海ちゃん。
ほっこりと、温かい気持ちになってもらえたらとても嬉しいです。
反響次第ですが、
大きくなった2人の話も
書けたらいいなーなんて思ったり。
今回は割と短くまとまりました笑
最後まで読んでくださり、
本当に有難う御座いました。
まだまだ未熟だけど、
誰かの心に届いて、響くような
そんな投稿を目指して頑張ります。
こらからもよろしくお願いします。
そして幸介さん。
リクエストとコラボのお誘い
有難う御座いました♪
本当に素敵な小説ばかりの幸介さんと
コラボ出来てとっても嬉しいです。
いつも有難う御座います。
幸介さんの小説は
本当にとってもおもしろいので
ぜひ読んでみてください!
秘密さん・2020-04-19 #涙&幸介コラボ小説 #結構勢いだけど楽しんでもらえたらいいなって思って書きました #記憶力ないが故、幼稚園時代なんて全く覚えていないので変かもしれないけど #読んでくれたみなさんに感謝です #コラボ小説 #小説 #短編小説 #小説 #独り言 #小さな恋 #恋 #恋愛 #片想い #協会 #お花畑 #クローバー #告白 #幼稚園 #伊織*_の物語
