はじめる

#心のままに

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全45作品・

【RealMe 性別のない人~第二十一話~幸せ】



降り注ぐ、雨のように


幾度も千祐さんからのキスを浴び


抱き締められて


ようやく落ち着いて来た頃


部屋の時計が


時刻を知らせる鐘を鳴らした。



千祐さんの腕の中から


時計を見れば1時を回っている。




「あ……」


「どうした…?」


千祐さんの声が俺の思考の後を追う。



「母さんに…心配かけた、ままで。俺…母さんの言葉も聞かないまま…家飛び出して来ちゃったから」


「あー…それなら」


千祐さんは頬をかき、言葉を繋げた。



「さっき店から電話かけておいた」


「え…?」



俺は驚いて


千祐さんの顔を見上げる。



「あの時間だったし、想もすぐには落ち着かなそうな精神状態に見えたしな…んで、親御さんに連絡を」


「か、母さん…なんて?」


「落ち着かないようなら自分の家に泊めますって言ったら、ご迷惑をお掛けしますが想を宜しくお願いしますってさ」



その言葉を聞くなり


心の奧に鈍く広がっていく不安。



男じゃない俺はいらない?


気持ち悪い?


母さんに


家族に捨てられる…?



そう思えば


落ち着いたはずの涙で


目の前が霞む。



すると千祐さんは


額をこつんとぶつけ


にこやかに笑いながら


俺の頭をぽんぽんと撫でた。




「お母さんはちゃんと想のこと想ってるよ」



「なん…でそんな事、わか」



「大切だからこそ、よろしくお願いしますって言うんだろー?俺なんか悪さしてた頃、警察に補導されたって、親、あ、そうですか。そんだけだったぞ」


千祐さんは懐かしそうに目を細め


大丈夫、とはにかむ。



「もしも今、わかってもらえなかったとしても、いつかは俺みたいに笑い話に出来る時が来るさ」


その微笑みに不思議と


俺の心は平常を取り戻す。




千祐さんはやっぱり



魔法使いみたいだ。



優しい微笑みが漏れる。



すると


千祐さんは、まあ、と付け足した。



「もし、親が理解してくんなかったとしても」


「…はい?」


「想の側にはずっと俺がいてやるよ、最高の理解者だろ?」


「はい」


「離れろって言われても離れねえからな」


「そんな事…言わないっ、す」


「覚悟しとけよ?」


いつものように


うっす、と言いかけて


「うん」


少しでも女の子らしく見えるように


俺は、そう言い直した。



愛しそうな目で見つめられて


愛される事の喜びを知る。



一層に微笑むと


千祐さんは視線を泳がせた。



「あーー…やべぇ、覚悟しとけよだって。恥ずいわ、これ……くそ」



自分から口走っておきながら


俺より照れくさそうな千祐さんが可愛い。


歳上とは、思えない程


少年気質だ。



「千祐さん……」


「ん?」


「……ありがと」


「おう」


「千祐…さん」


「なんだよ」


「……好き」



想いっていうものは


一度溢れ出したら


そう簡単には


止まらないらしい。




「あー…だめだ、お前何でそんなに可愛いの」




がしがしと頭をかきあげた千祐さんに


また俺はぎゅっと抱き締められた。



俺も千祐さんの背中に回した腕に


ちゃっかり力を込めてみたりして。




ずいぶん長いこと


無言のまま


互いの温もりを


分け合い続けたけれど


やがて終止符は


千祐さんによって打たれた。



「あのなぁー…想」


「はい?」


「今日さぁ、お前落ち着けばどんだけ遅くなろうが家に送り届けるつもりだったんだけど…」


「はい…」


「なんか、やっぱ…」


「はい?」



千祐さんが


何を言わんとしているのか


わからずに


俺は息を潜めて


千祐さんの次の言葉を待つ。



やがて充分すぎる程


時を貯めて千祐さんは


ぽつりと、俺の耳元で囁いた。



「俺んとこ、泊まってくか」




その重低音がやけに


官能的に聞こえて


俺は息をのむ。



千祐さんはさらに


俺を力いっぱい抱き締めて



「離したく、ねえ」


そう告げた。






心臓、跳ねた。



呼吸がとまるかと思う程の


破壊力のある言葉を


千祐さんは男の色気五割増で囁く。



身体中の血液が蒸発しそう。




「あ、あ、お、俺っ、じゃなくてっ、わ、私…ど、どどどうしたら、やだ、恥ず、はず」




もはや何を言いたいのかすら


分からないほど焦った俺に




「なぁに、期待してんだ、コラ」




そう千祐さんは不敵に笑んだ。


優しく、紡がれる言葉。




「抱き締めるだけだから、いいだろ?」


「う…ん」


「我慢できなくなったらキス、いいか?」


「うん…」


こうしていいか、と聞かれる度


自分が必要とされているんだと


心は安堵の花が咲き誇る。





「なんなら風呂、一緒に入るか?」


「それは、恥ずかし…い」


「冗談だよ」



俺の短い髪を梳く千祐さんの指先


いたずらっぽく千祐さんの笑顔



感情が爆ぜる。


愛しくてたまらないや…。



「いつか、髪……伸ばします、から」


「ん?」


「また、髪の毛そんな風に撫でて、くれますか」


「いくらでも、仰せのままに」



オブラートに包んで告げた、



“ずっと一緒にいて下さい”



その想いに千祐さんは



まるで騎士みたいに



おどけて笑った。





__それぞれに風呂へ入って


一緒に千祐さんのベッドへ潜り込む。



どうしたらいいかわからずに


考えあぐねて俺は


千祐さんに背中を向けた。



千祐さんはすぐさま


拗ね返った不満げな声をあげる。



「おい、想、何でそっち向くんだよ」


「だ、だって、恥ずかしいっ」


「ふーん、じゃあ、こうしてやる」




シーツと体を擦り合わせて


俺の側へ移動した千祐さんは


徐に俺をバックから


苦しい位に抱き締めた。



うなじに、かかる熱い息。


その首に千祐さんの唇が這うと


ちゅ、と音をさせて


まんまと吸い上げられた。




「ち、ちちちひろさ」


「んー?」


「抱き締めるだけって」


「キスもしていいって言ったろ」


「だ、だだだってキスって、口にっ」


「想の唇が行方不明なんだから、しゃあねえだろ」



ちょっと拗ねたように


そんなこと言う千祐さんに


笑みが零れた。




もう。しかたないな。


こどもみたい。




そんな事思いつつ


体ごと千祐さんを向くと


間髪入れず、


唇へと吸いつかれた。




疲れ果てるまで


そんな攻防を繰り返しながら


俺は千祐さんと幸せの中に落ちた。


手のひらを結んだまま。







明日は……土曜日。



きっと父さんもいるはずだ。



わかってもらえるかな。



寝ぼけながらそんな事を想っては


隣で寝惚ける千祐さんを見つめ



「千祐さんがいれば」


平気……そう、心新たに


何度も、眠りに誘われた。

ひとひら☘☽・2020-05-11
幸介
幸介による小さな物語
RealMe~性別のない人
幸介/性と言う名の鳥籠シリーズ
トランスジェンダー
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独り言
MTF
MTFを超えて
幸せとは
小説
物語
愛してる
好きな人
ふとした瞬間
ポエム
眠り
キス
心臓、跳ねた

優しさを素直に受け止めるか

それさえも拒むか


心のままに選べばいい

Mari・2019-11-11
心のままに
優しさ
受け止める
独り言
ポエム
一人じゃないから
夜空に浮かぶ君の顔
想いの欠片/from:Mari



何の為に生きるのか


ずっと心の中にあったはずの



目標が跡形もなく


消えてしまった。




平気なふりしていても



否応なく湧く出すのは



私自身の“不要感”




あんなに優しくて



愛しかった人が



私と誰かを比べた



私の体を笑った



私を面倒だと呟いた




苦しくて辛くて



切り裂かれた様に痛かった





そんな時、君がいた



変わらず側にいてくれた



打ち明けた性別を


驚きもせず受け止めて


女の子扱いしてくれた



悩みを聴いて


包み込んでくれた





「俺たちがいるよ」



そんな風に


手を握ってくれる、


君がいてくれた




「俺の為に生きて」


おどけてそんなこと


伝えてくれる君がいた







“君の為に生きる”


何度も、繰り返す言葉が


やがて私の中で


行方知れずになった、


自信を見つける為の


鍵になる予感がしたの



ねえ。


その日まで


側にいてくれる?

ひとひら☘☽・2020-05-19
幸介
幸介の恋心
心から
別れ
決別
苦しい
辛い
死にたい
心のままに
好きな人
独り言
自信
目標
志し
ふとした瞬間
私の本心
消えたい

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

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心の中が見えない時は
今の感覚を感じればいい

その時々の思いのままに
心を寄り添うこともいい

悲しみは儚さを感じさせ
時とともに心を強くする

辛い想いを懐かしむのは
心が今を生きているから
          かほ

かほ・2022-04-03
心の中の鏡
心のままに
今を生きる

人はいつか死んでしまう。

だったら自分の思うまま

好きなように生きたいんだ

誰にも決めつけられることの無い

自分だけの道を____。

#komitunote・2020-08-08
誰かに決められた人生じゃ、生きてたって意味がない
いつかきっと
心のままに
好きって気持ちに向き合うこと
好きなことにまっすぐに
友達
家族
好きなこと
好きな人
将来の夢
自分の歩む道
自分で決めていいんだ
komitunote

体だけが愛される
心の寂しさを
知っていたから

心を受け止めてくれた
君のことが好きになった

ひとひら☘☽・2020-07-04
san珊
心のままに
君が好きになった
愛してる
好き
好きな人
復縁
独り言
ポエム

言葉を綴ろうとせずに

心を解き放って思いのままに描いてみよ

そこに描かれたモノ

光り輝く美しい地図となり

誰かの道標となるだろう

眞瑠@MARU・2019-07-26
心のままに
道標
ポエム

空の蒼さに包まれて
心を奪われた
正解を探す旅なんて
もういいや



擦り抜ける空を泳ぐ風
何も持たなくていい
私は私じゃないか
踏み出そう心のままに

悠人(低浮上)・2020-03-21
ポエム
写真を見て
心のままに

素のままで話せて

素のまま笑って

素の俺を愛してくれる奴っているのかな

まず

俺って幸せになって良いのか?

俺は、愛して良いのか?

俺は、生きてて良いのか?


俺は、・・・心のままに全てを___,

鬼條縁操(やめました・2019-10-25
独り言
素の自分
心のままに

『あなたじゃなきゃダメ』


その思いを感じていたあの頃の私と

今の私は何が変わってしまったの?



あなた以外の人にも心惹かれる私


今はきっと ひと時の甘い夢の中

海にひとしずく・2021-01-12
甘い夢の中
心のままに
ダメな私
泡沫
好きな人
独り言

あなたはたどり着いた
あなたの望む世界へ

欲望は尽きることなく
日々人を苦しめる

様々な思考は変化し
それでも人は何かを求めて

この場所に降り立ち
ここから始めること

この世界が全て悪だとは
何も心配は要らない
         かほ

かほ・2022-07-17
メイト
心のままに
思考

笑ってよ!!

…最後くらいかっこいい僕でいさせて、

強がらせてよ…

辛くても流さない、

僕の心を、今だけは。

愛永 質問コーナー実施中だから見た人よろしく。・2020-05-06
あなたは知らない私の気持ち
最後のサヨナラ
別れ
笑え
泣け
心のままに

何かに


導かれて ゲートは 開くんだよ


本能のままに


諦めないで 歩いて行こう

蜻蛉・2018-10-19
心のままに



片付かない部屋

そのまま

私の心を映すように



フランソワ


2020年2月10日 22時22分

フランソワーズ・2020-02-10
2222
22時22分
片付かない部屋
心のままに
フランソワ
フランソワーズ

幸せになって欲しいよね

そうだね

それとも私が幸せにしてやるって感じ?

そんな大それたこと思ってないよ

一緒にいて幸せと想ってくれたら

いいなぁって…それにどちらかと言うと

彼がいてくれたら私が幸せになれるから

anuhea・2019-05-05
心のままに

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