#心の白表紙

土曜はれむのタグ紹介3-4

# 催涙雨に願い詩

願いは短冊に想いは星空に


使用・解釈自由です

催涙雨とは七夕の日に降る雨のことで

織姫と彦星が会えなくなる悲しみを

表す涙になぞらえた言葉です

明日の空を見上げても

どうせが勝ってしんどい

君に見えないように泣くから

笹の裏側には目を向けないでね

ボロ靴はいつか捨てた

汚れた足を見て笑った

もう、傷は癒えた

空が綺麗とか虹が美しいとか

単純なことが僕のすべてなんだ

＿＿蝉が、鳴いた。




卵から孵り、数年地中で過ごし、夏の夜に地上に出て、近くの木を攀じ登り、殻を破って抜け出した個体は、そのまま自由な空へと飛び出して行った。


勢いよく声を張り上げ、パートナーを呼び、夏の酷い暑さとその必死な姿がどこか妙に重なって、響き合いながら溶けていく。


やがて、一週間で音を止めた。
静かに消えた、蝉が泣いた。

繋がっているのは絵空だけ

誰かと感じた幸せも

どうせ私が作り上げた想像

何回分の想いが溢れても

一回分しか見えないんだね

過去に痛いなんて感情をつけて

過去形になっていくのが嫌なだけ

"強くなったね"だってさ。

苦しさの息場所が増えただけ

哀しみの分だけ夜は咲いた

私の流れ星は気づかれない儘

あの日、過ぎた情景が

喉元から溢れそうで

僕は必死に誤魔化した

やるせなさだけが増えていく

お金のように価値は減るけど

飴の様に甘くないし溶けない

誰だって嫌でしょう

自分の解答を映されて

点数にされるのは

傷を抉って掻き出して

そりゃ痛いのも当たり前