#愛してしまった。

恋愛対象として見られない事が

どれだけ絶望的で苦しいか

先生に教えてもらいました。

15歳と20歳

たった5年。長い長い5年。

この差をどう埋めたら

先生と恋ができるんですか。

貴方と別れて、3回も桜を見ました。

貴方の顔も、声も、匂いも、
全部忘れてしまったけれど

考える時に鼻を触る
貴方のその癖だけが忘れられないの。

乱れ交じり合う人混みで
ふと、貴方の香りが流れてゆく。

淡い期待を抱いてしまった私は
貴方を探しては、鉛のような溜息を吐いて

貴方の香りを記憶してしまったことを
酷く酷く後悔した。

年下好きな私が、年上に恋をしたのは
先生が初めてなんです。

この気持ちの抑え方も、
先生を見ると辛くなる理由も、
何も分からないんです。

だからさ先生、教えてください

この恋心を消す方法を。

貴方の目に私は写っていない。

成人までの5年間が
どれほど人を成長させるか。

5年間がある貴方と、ない私では
見えてる世界が違う。

貴方の目には現実が、
私の目には夢が写っているだろうから。

未成年なんて眼中に無いのよ。

先生の大きくて綺麗な瞳が
ぎゅっと細くなって、

代わりに大きな口を開けて
いつもより少し爽やかな声で笑うの。

全力で笑う先生の笑顔が
ずっとまぶたの裏に消えなくて、

瞬きする度に先生を思い出すの。

思わせぶりな言葉ばっかり。

甘くて酸っぱい先生の言葉には
小さな小さな棘が沢山あって

気付かぬうちに刺さった棘からは
逃げようにも、離れなれなかった。