#拙者による華と月世界の言葉遊び

震えた名前も

幼稚な誤字も

消し跡だらけの「愛してる」も


全部全部君だから許せて

愛しくて可愛くて堪らない

君のいない生活は

こんなにも色褪せてて

切ないくらい穏やかなんだね

君の幸せを呼ぶのなら

僕はいくらでも泣けるんだよ？

あなたの熱を呑み込んで

火照り死んでしまえたら

私はこの遠い遠い会える未来に

憂い泣くことなかったでしょう

涙も、罵倒も、慈しみも

君が僕のせいで

感情を剥き出しにしてるんだから

嫌でも好きでも

喜び尽くせばよかったよ

別れた今は通過点

きっと未来は君と結ばれて

幸せにすることができるよね

「愛してる」って

永遠を誓う言葉でしょ？

君が僕に馳せる愛は

もう新月になってしまいましたか？

それとも

まだ三日月ばかりは残っていますか？

いなくなったあの人の代わりに

君がそばにいると約束してよ

愛してる、なんて陳腐な台詞も

月が綺麗ですね、なんて少しギザな台詞も

あなたはきっと響かないでしょう

そもそも僕を見てないし

僕は君から幸福だけを与えられたい

その分君は何十年後かの

僕の死を背負っておくれよ

澄んだ僕が書いた恋文と

君に支配された僕の気持ち

何一つだって変わってないよ

藍色のドレスを身に纏い

紅で染まる唇を持つ君

純白のシルクのような肌は

漆黒の僕の瞳なら容易く吸い込める気がした


否、吸い込んでしまいたかった

檸檬のように爽やかな弾けた笑顔を

桃のように熟れて瑞々しい笑顔を

僕以外が知るくらいなら

愛に勝る名誉なんか

ある訳ないじゃない

風に乗って

雲に乗って

そのまま壁を越えてゆけ


僕の愛列車

心の壁経由君の心行き