はじめる

#桜の花

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全30作品・




「病になったのは…その後、暫く経ってからです」



「彼女」は病に冒された枝の葉を


ザワザワと揺らしながら


懸命に痛みに耐える。



痛いはずだ。



人間で言うならば


骨格が曲がり


骨が飛び出すのと


同等なのだから。



ヨイヤミは彼女の痛みを拭うように


時折、彼女の肌を撫で頬を寄せ


そして尋ねた。



「この病を望んだと、言いましたね」


「ええ、だって…大きくなっても大きくなっても迅太さんは戻ってきてくれなかったんですもの。だから私は風さんに頼んで病気を運んできてもらったのです」


「死ぬ為、ではありませんね」


「死ぬ…?とんでもない。私は迅太に帰ってきてもらうために、天狗巣病になったんです」





天狗巣病


植物病害の一種


植物の茎や枝が


異常に密生する奇形症状。


この病害に冒された樹木は


天狗の巣の様な奇形を伴う為


天狗巣病と呼ぶ。



witches' broom


英名では魔女の箒である。






なるほど。


彼女の枝は分かれ分かれて


絡み合い密集して


天狗の巣のようだ。




彼女は笑う。


無理やりに笑う。



「私は迅太さんが帰ってきた時に、巣まで作ったのかとほめてもらうんです、そして迅太さんとずっと一緒に暮らすんです」




何かに怯えるように


何度も何度も願いを口にした。



そこには


得体の知れない恐怖があるようだ。





ヨイヤミは立ち上がった。



そして彼女にとって


最も残酷な言葉を伝える。




「……迅太さんは戻ってはきません」


「…帰ってきます、約束したんです」


「帰りません…それは貴女がよく分かっているはずです」




ヨイヤミの悲しそうな表情に


彼女の目が、大きく見開かれる。


それでも彼女はこう言った。



「わかりません」


「このままではあなたが苦しいだけですよ」


「それでも構いません、私はこれから先も迅太を待ち続けますから」




ヨイヤミは「仕方ないですね」


そう呟くと、ぱちんと指を鳴らせた。


「何を……っ」


「絡み合った記憶を解いてきなさい」




彼女の視界は歪んだ。



【ヨイヤミ-Case One- witches' broom⑥】





「ここは…」


昼の山だ。


さっきまで夜中の山で


藍色の鳶の人と話していたのに。



それにポカポカと暖かい。



私はザワザワと枝を揺らしながら


辺りを見回した。



たんぽぽにつくしんぼう。


蝶々が飛び回る、春だ。




そして、視線がとまる。


息を飲んだ。



目の前の川には



迅太がいたのだ。



迅太が元気に


魚を追いかけていた。



迅太を見つめる私に気がつくと


大きく手を振って、無邪気に笑う。



小麦色の肌。


筋肉質な上半身。


身体が少し小さめなのは


きっと自由に空を


飛び回るため。



背中の鷹翼。


手には大事な扇。


だけど迅太はそれを


魚を捕らえる為の道具として使っていた。




この景色、見たことがある。


この後迅太は


川の石に滑って転ぶのよ。




そう思った矢先、


バッシャーンと大きな音を立てて


「いってえ!」


迅太の声が聴こえた。



どくどく、と嫌な予感が


私の身を掠めていく。





「あーあ、ツイてないや、さくら見てたか?すごく大きいヤマメが居たんだ、この川のヌシかなあ」


濡れた服を搾りながら


迅太は当たり前に私の幹へと腰掛けた。


そして、私を見上げて声を上げる。



「あ!さくら!」


「え、なんですか?」


「お前の頭、花が咲いてる!」



すげえ!そう言って迅太は


あっという間に鷹翼で飛び上がると


私の花を撫で、


私の花に口付けた。




口付けなんてはじめてで


ときめきが止まない。




「やっと、やっと咲いたんだな」


「お前すごいなさくら」


「随分大きくなった、頑張ったな」



私を褒めちぎったあとで


迅太は心臓が止まりそうになる程の


言葉をくれた…。




「なあ、さくら」


私はさわっと花を


揺らすだけの返事を返す。



迅太はごほんと咳払いをして


こう、私に告げた。



「さくら、俺の巣になってくれ」


「え…?」


「さくらが桜を咲かせたその日にって決めてた」



何度聴いても、嬉しくて


涙が溢れる。



私はこの日のために


頑張ってきたんだもの。




これで迅太と


一緒にいられる。



雨でもないのに私の花からは


無数の滴が零れた。




そして迅太は


あの日の種明かしをした。




「さくらが出逢った頃言っただろ?自分が俺の巣になるって…俺あの時照れちまって言えなかったんだけど」


「はい」


「天狗界ではさ、決まった木に巣を作るってのは…婚姻と同じ意味なんだ」


「え…?」


「俺と婚姻の契りを結ぼう」




こんな幸せ


二度とない。




「私で……いいの?」



私は息をつきながら


迅太に尋ねた。




「さくらしかいないんだ」


迅太は私の幹に


ぎゆっと抱きつくと


そう告げて無邪気に笑う。





いかほどの時間を


そうして過ごしただろう。


ひとつに溶け合いそうな時を越えて、


迅太はとうとう、言う。




「さあてと、そうとなれば急ぎたい。巣作りの材料でも集めてくるよ」


行かないで


行っちゃダメ


私はそう叫びたかった。



私は、記憶違いをしていた…。



これは過去だ。


残酷な運命には叶うわけもなく


「気を付けて行ってきてね」


私はそう、笑ったんだ。



【ヨイヤミ-Case One- witches' broom⑥終】

ひとひら☘☽・2020-02-03
幸介
幸介による小さな物語
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未来の恋の行方
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ヨイヤミ
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桜の花
ポエム
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別れ
独り言
結婚
婚姻
天狗巣病
片想い
幸せ
真実
記憶


桜の木の下の出会いが

全ての始まり。


でも、

桜の花が咲き誇る頃

君はもう此処にはいなかった。

轟 月冴・2018-03-14
出会い
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尊敬する人、
愛している人、
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たったひとりのあなたに
3種類すべてが結実したので、
わたしとしては満足なんだ。
いつだって死にたいわたしは
どうにかして死なずに生きるためには
生命を捧げたくなる相手が絶対に必要だし、
息をするよりも自然に愛しているし、
尊敬できない人にはそもそも興味を向けない。



愛しているよ。
生命を捧げたいくらいに。
なにより深く尊敬している。



でもあなたが
わたしを受け容れられるようになるのは
当分先のことだろう。
それまで
(自˙殺˙の場合も含めて)
わたしの寿命が持つかどうかはわからない。
いまさら好きじゃないとか、駆け引きをしている場合じゃないし、そういう趣味はないし、時間も惜しい。
だからわたしは書きたいことを書き遺す。
遺言であり、遺作。言の葉の醸し出す遺影。

とくにあなたに対して抱いている絶対的な敬意は、いまのあなた自身の自己評価と噛み合っていなくて厳しい。もし生前に意を汲んでもらえることがあったのなら奇跡だ。愛よりも深い敬虔さが伝わる日は来るか。

ミミィ@歌い手:板谷ミミィ・2021-04-13
桜の花は死の匂い
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これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

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桜が散る頃には、

君への想いも散るのかな…

瑞穂みずほ・2020-04-20
ポエム
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ツーショット撮りたいな…

瑞穂みずほ・2020-04-12
学校に行く理由
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桜の花
僕と君との物語
学校に行く理由
君と見たい景色

13本の薔薇、受け取りました。

”永遠の友情”ですね


では、僕からは桜の花を贈りましょう。

”私を忘れないで”です


勿忘草や紫苑でもいいのですが、
僕の名前の花なので。


私を忘れないで、とは桜の裏言葉です。

2023/05/15 AM 2:00 永眠

五百森 桜希・1日前
13本の薔薇
永遠の友情
桜の花
私を忘れないで
桜の裏言葉
真歩から教わったばかりだけど使ってみた笑
五百森真歩
五百森桜希
愛と哀を込めて

桜の花が咲いたら、必ず最後花は散る

春 風 🌈.*・゚・2018-03-29
桜の花
失恋


今日は、少し早めの夕方散歩

ちょっと待っててねと

愛犬に言って

いつもの年のように

家の近くの桜の花の写真を、3枚撮りました

撮ったら

今年は、独りなんだ……と

切なくなりました


2023年3月28日 21時40分

フランソワーズ・2023-03-28
Preciousmoment
どこにいるの?
桜の花
フランソワ
フランソワーズ

桜の花が散る前に

君も私も…

Hana maru♡ ヒトコトミテ(ㅅ´ ˘ `)♡・2021-04-05
桜の花
散る
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スタート
踏み出す
前進
成長
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N0Ame・2019-03-26
春になったら
君への想い
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桜の花
暖かい季節

桜の花が散る頃、
もうあなたは高校生。

たった1年だけの年の差が
私は嫌いだ。

うの。@螢薊☪⋆·̩͙・2019-04-05
ポエム
ショート蛍キの独り言☪⋆·̩͙
桜の花
高校生
年の差
嫌い

桜の花が似合うような

純粋で

綺麗な人でありたい。

**雨美**・2017-04-03
桜の花
花言葉

物事には始まりがあって終わりがあるように

それは桜の花だけではなく恋にも同じことが言えるのです。

朧月・2020-05-07
リアン
物事
始まりと終わり
桜の花
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春の陽射し あたたかさも

あなたとの再会も 恋しくて

時よ急いで

桜の花咲く 季節が

待ち遠しい

bluegreen・2021-01-16
春待つ思い
桜の花
ポエム
好きな人

桜の花が咲く前に
この気持ちを伝えたい。

まぁー・2020-02-25
桜の花

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