鳦幻・13時間前
珀諳
消失と片想い
毒を呑んだ瞬間
愛で満たされ
毒を吐いた瞬間
死で満ちる
孤独
君の本音で
僕の未来は失われ
僕の嘘で
君の未来は輝く
姿捉えられず
声も届かず
電子機器の向こう
君は誰かと笑う
幸せですか
届かないと知りながら
伸ばした手は未だ
何も掴めず宙を切っては
冷たさに沈む
大切なものを一つずつ
落としては眺める
身軽になった僕なら
もう飛べるはずと
紫煙燻り嫌がる
虫を払って
纏う香り群がる
欲を貪って
また後悔の雨に
身を冷ます
守りたくて恋した
傷つけてでも愛した
残ったのは
癒せない痕だけだった
崩れた関係
消えた日常
散った花々
戻ることなく
形ない想いだけが
色褪せない